目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1980年12月号
アニメでは
時系列とでき事
- 1980年11月~12月頃 五代裕作、響子さんにビンタされ、犬の惣一郎さんを知る
この頃のでき事
- 12月 - 名古屋女子大生誘拐殺人事件発生。被害者は翌年5月に遺体で発見、犯人は1995年12月死刑執行。
- 12月8日 - ジョン・レノン銃殺事件。
- 12月12日 - 日本の自動車生産台数が世界第1位に。名実ともに「自動車大国」となる。
- 12月12日 - 近藤真彦がRVCより「スニーカーぶる〜す」でレコードデビュー。
- 日付不明 - 福武書店が「進研ゼミ小学講座」を開始。
あらすじ
すっかり響子さんに一目惚れしてしまった五代君。こうなると次に気になるのは、響子さんに恋人がいるのかどうか。たまたま響子さんが惣一郎さんの名前を呟いているのを聞いた朱美さんは、五代君に「響子さんには男がいる」と告げます。気になって仕方がない五代君は、知っていそうな賢太郎に惣一郎さんのことを聞くのですが…。
みどころ
- 犬の名前惣一郎さんに込められた意味
- 五代君のゲスさ
はじめに
第2話で早くも響子さんに「大事な人」がいるとの話が出てきました。今だともうちょっと五代君と響子さんでドタバタ話を展開させ、親密になりかけたところで衝撃の事実が…って感じになると思うのですが、この頃は月間連載だから展開が早いんでしょうか。
勘違いの進化
前回の管理人さん歓迎会の勘違いに続き、勘違いのみの構成で1話やりきりました。
響子さんの独り言をたまたま聞いた朱美さんが、本人に確認もせずあやふやな噂を真実として流す。このパターンも多いです。本人に一言確認すれば何の問題にもならないような事柄で、一刻館の住人は確認をしません。思い込んだらそのままそれを事実として流布してしまいます。
前回は、四谷さんが「管理人さんの歓迎会の場所」を言わない、1個の情報欠落の単純なパターンでの勘違いだったのですが、今回はまず朱美さんが響子さんの独り言を聞いて勘違いし、それを五代君にあたかも真実のように伝え、そして五代君は知っているかわからない賢太郎に頼ると言う、前回から比べると勘違いの構造が複雑になりました。
話が進むと更に高度化して、本人に確認するも、前回書いたような3つの勘違いパターンが起こり、確認したんだから絶対だとの補強材料にまでなってしまうんです。
この辺りの勘違いの進化を見るのもまた一興です。
五代君はゲスい
前回、五代君は俗物的と書きましたが、今回を見て思うのはゲスいと言うことです。
響子さんを屋根の転落から救ったどさくさ紛れに胸触りましたからね。さすがにそれで、「助けて貰ったからまあいいか」とはなりません。ビンタされていました。普通好きな女性には良く思われたいので格好付けるものなのですが、この頃の五代君は長期的なことより目先の欲望に負けることが多いです。
惣一郎さんを勘違い中
響子さんは惣一郎という名前を大事な人から取ったと独り言を言っていたので、読者は犬の名前どうこうが本質ではなく、この犬の他に、惣一郎と言う大事な存在がいるのだなとわかっているのですが、五代君は賢太郎に犬の惣一郎を紹介されたことにより、朱美さんが言っていたのは間違いで、響子さんには恋人がいないと勘違いしたまま終わってしまいました。
めぞん一刻には、一つの会話や一つのエピソードで終わる短期的な勘違いもあるのですが、こういった数話にまたがる、緩やかな長期的勘違いもあるんですよね。
総評
改めて漫画を読み直すと、最初から勘違いメインで話が構成されていたんですね。ただ、まだその勘違いや会話の応酬は洗練されていない感じです。これが中盤にもなると神業的なテンポの良さになるんです。
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