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漫画全話レビュー「めぞん一刻 第153話「契り」」

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掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1987年2月23日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1986年10月11日 五代裕作、響子さんと結ばれる

 

この頃の出来事
  • 2月1日 – この日限りで国鉄広尾線(愛国駅と幸福駅が有名)が廃止。
  • 2月2日 – ピジョンが赤ちゃん専用の電子体温計「チビオン」を発売。
  • 2月9日 – NTT株が上場。財テクブーム。
  • 2月10日 – 厚生省はエイズ予防で血友病患者に特例措置決める。
  • 2月22日 – 先進7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)開催(ルーブル合意)。
  • 2月23日 – 超新星 SN 1987A が観測される。肉眼で見られる超新星の発見は1604年以来。また、超新星爆発によるニュートリノが初めて観測された。
  • 2月23日 – 公定歩合が2.5%と当時としては戦後最低に。

 

あらすじ

遂にこずえちゃんと別れた五代君。バイトのキャバレーから一刻館に帰宅したところ、玄関に響子さんが出てきて、あの時は哀しかったと言われてしまいます。すぐに管理人室を訪ねた五代君は、あの時のことを響子さんと話し合い、一刻館住人も茶々丸から帰っていないことで、遂に結ばれることになります。

 

 

みどころ

  • 五代裕作、遂に響子さんと結ばれる

 

はじめに

サブタイトルは「契りです」。このサブタイトルまま、五代君と響子さんが遂に結ばれる話です。いやあ…長かったですね…。1981年の秋に響子さんが一刻館に来て五代君が一目惚れをし、それから現在は1986年の10月11日ですから、実に約5年ですよ。ずっと1人の女性を思い続ける五代君も凄いのですが、また同じくらいにキスすらろくにしなかったのも凄いです。こんな大人の恋愛漫画は古今東西記憶にありません。

 

普通、大の大人が5年もキスすらろくにしない、そんな恋愛漫画は成立しないんですけどね。このめぞん一刻は成立してしまいました。何度読んでも不思議な関係で不思議な漫画で、そして最高に面白いです。

 

めぞん一刻史上最も濃い1日

今日という1986年10月11日は一気に色んな事が起こりました。

 

  1. 響子さんが一刻館に帰宅しようとする
  2. 響子さんがこずえちゃんと帰宅途中偶然会い、ラブホテル事件を聞く
  3. 五代君と響子さんが茶々丸で大喧嘩
  4. 朱美さんが響子さんに辛辣な意見をぶつける
  5. 五代君が響子さんに好きと告白
  6. 五代君と響子さんがラブホテルに入るも、惣一郎さんのことを思い出して失敗
  7. 五代君がこずえちゃんと別れる
  8. 五代君と響子さん一刻館で結ばれる

 

 

響子さんが一刻館へ向かっているときが夕方で、バイト先のキャバレーが閉店し、五代君が帰宅したのが、おそらく0時過ぎ。これだけのことが、おそらく10時間程度のうちに起こりました。濃密な1日ですね。おそらくめぞん一刻史上、最も濃い1日だと思います。

 

あのひとことさえなければなー

一刻館に戻った五代君は、犬の惣一郎さんの犬小屋に向かって、「あのひとことさえなければなー、」と独り言を言うのですが、この独り言を、五代君の帰宅を感じて玄関に出てきた響子さんに聞かれてしまい、「とても哀しかった」と言われてしまいます。これは恐らく暗喩になっています。この時犬小屋には、茶々丸に置いてきてしまったため惣一郎さんはいませんでした。その、いない惣一郎さんに向かって、「あのひとことさえなければなー、」との恨み節です。つまり、亡き夫である「いない惣一郎さん」の暗喩でしょう。この辺も本当に細かいです。

 

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その後部屋へ戻ってしまった響子さんを追い掛け、五代君は響子さんと「あの時のこと」について話すのですが、やっとお互い落ち着いた状態で、惣一郎さんの存在について話し合えました。響子さんの心の中に惣一郎さんがいる以上、ここはどうしても無視出来ません。いつかはこうやって解決させなければならない大問題なので、1回目のセッ○スの失敗は大事でした。あの失敗があったからこそ、惣一郎さんと言う2人の間に横たわる大問題を一旦表に引き釣りだし、そして解決しましたとわかりやすい話に出来たんです。

 

惣一郎さんの問題は、あくまで響子さんと五代君の問題です。三鷹さんやこずえちゃんのように現実の人間ならば、話し合ったり明確な決着を付けさせることも出来るのですが、どこまで行っても結局「どう思っているか」でしかないわけで、解決と言っても本当に解決したのかは誰にもわからないわけで、惣一郎さんをどのように解決したのか見せる方法は難問だったでしょうね。

 

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一刻館にお邪魔虫がいない大チャンス

夕方の朱美さんの呼び出しで、一刻館のお邪魔虫である一の瀬さん、四谷さんが一刻館からいなくなり、朱美さんは茶々丸の従業員なのでこちらも当然おらず、盛り上がってしまった一刻館住人は茶々丸で宴会。一刻館に誰もお邪魔虫がいない千載一遇のチャンスが訪れます。そして一刻館の管理人室に電話を掛けてきたのは、あの常識人のマスターでした。一刻館住人と、響子さんが戻っているかどうかを掛けていたとのこと。茶々丸のマスターはめぞん一刻の良心なのですが(音無老人は聖人)、まさかこんなふざけた電話を茶々丸のマスターがしてくるとは…。顔が赤く相当酔っ払っていたみたいですけどね。しかし一刻館住人も茶々丸のマスターも仲が良いですね。

 

先ほど茶々丸のマスターはめぞん一刻の良心と書きましたが、一応ここでもその片鱗は見せていて、響子さんが一刻館に帰っている、つまり問題が無事解決していることに掛けていたのは茶々丸のマスターだけでした。そのほかの一刻館住人は、響子さんが一刻館に帰っていない、つまりまだ問題が解決していない方(解決していない方が面白いから)に掛けていました。この辺りも細かいのですが良く性格が出ていて、キャラの設定をきちんと守る細かさは素晴らしいです。

 

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ついに結ばれる

茶々丸で一刻館住人が大盛り上がりで宴会をし、まだまだ帰ってこないだろうとの様子を察知したのか、五代君と響子さんは遂に一刻館で結ばれました。

 

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この時もラブホテルの時と同じく、響子さんは「惣一郎さんだけでも迎えに…」と言っていましたが、今回はラブホテルの時とは違って、お互いに変なことを気にしてるよねと笑って流し、そして結ばれました。前回の惣一郎さんでは気にして失敗。今回の惣一郎さんでは吹っ切って成功。1度失敗してから成功の流れを見せることにより、お互いに惣一郎さんを吹っ切れたのだなと伝わってきます。

 

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そしてこれが恐らく最もめぞん一刻ファンの間で議論になるセリフです。

 

音無響子「ずっと前から五代さんのこと好きだったの。」

五代裕作「ずっと前って…いつから?」

音無響子「忘れちゃった!」

 

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めぞん一刻は全ての謎や伏線を回収し、全てに決着を付けて終わったのですが、唯一議論になるとしたらここで、「響子さんはいつから五代君を好きだったのか?」です。私の考えでは、この響子さんの忘れちゃったは嘘でも照れ隠しでも無く本当です。明確に意識をしたのは入院エピソードだと思いますが、その辺の事はそちらで書いているので譲るとして、人をいつから好きになったかなんてなかなか線引き出来ませんからね。特に響子さんの場合、好きな人は惣一郎さん1人でなければならないと気持ちを抑えていたので、自分でもいつからかはきっとわからないのでしょう。五代君は一目惚れなのでわかりやすいんですけどね。

 

 

おわりに

今回遂に五代君と響子さんが結ばれました。いやあ…長かったですねえ。この5年間、巻数にして14巻以上、ろくにキスすらしませんでした。それが遂にこの最終巻で結ばれました。ここまで自分を抑え、周りに邪魔されていたので、やっとの思いで結ばれた喜びはひとしおです。

 

ただ…一刻館のお邪魔住人トリオはいったいいつ帰ってきたのでしょう。もしかして気を遣って朝まで帰ってこなかったのかななんて思います。響子さん帰還第1日目ですからね。恐らく一刻館住人のこれまでの行動パターンだと、響子さん帰還をお祝いしに、管理人室にノックも無しに入ってくるはず。ところが今回、朝靄がでている描写の中、五代君と響子さんがピロートークをしていたので、ここはさすがに2人にしてあげたのかななんて思います。

 

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