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漫画全話レビュー「めぞん一刻 第152話「本当のこと」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1987年2月16日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1986年10月11日 五代裕作、こずえちゃんと別れる

 

この頃の出来事
  • 2月1日 – この日限りで国鉄広尾線(愛国駅と幸福駅が有名)が廃止。
  • 2月2日 – ピジョンが赤ちゃん専用の電子体温計「チビオン」を発売。
  • 2月9日 – NTT株が上場。財テクブーム。
  • 2月10日 – 厚生省はエイズ予防で血友病患者に特例措置決める。
  • 2月22日 – 先進7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)開催(ルーブル合意)。
  • 2月23日 – 超新星 SN 1987A が観測される。肉眼で見られる超新星の発見は1604年以来。また、超新星爆発によるニュートリノが初めて観測された。
  • 2月23日 – 公定歩合が2.5%と当時としては戦後最低に。

 

あらすじ

五代君と朱美さんのラブホテル事件が誤解だとわかって訪ねてきたこずえちゃん。五代君は誤解が解けたことを知り、きっとよりを戻しに来たんだろうなと思います。ところがこずえちゃんは五代君と朱美さんがラブホテルから出てきたところを見た後、すぐに銀行の先輩のプロポーズを受けていたのでした。

 

 

みどころ

  • 五代君とこずえちゃん別れのシーン

 

はじめに

さて…遂に無印版コミックでは最終巻の15巻です。扉絵の響子さんの白無垢を見ただけでちょっと泣きそうになってしまいます…。

 

今回は長年親密にしてきた五代君とこずえちゃんが別れる回です。今まで何を言っても別れられなかったのですが、まさか本来の恋のライバルではない、朱美さん関係で別れることになってしまいます。この三角関係は、五代君を頂点とした五代君、響子さん、こずえちゃんの三角関係なので、普通に考えると、一般的な展開としては、響子さんと戦い、破れ、そして退場していくと思うのですが、この三角関係にこれっぽっちも関わりの無い朱美さんが原因でした。

 

最後のこずえちゃん

五代君と朱美さんのラブホテル事件が誤解だった事を二階堂から聞かされ、五代君がバイトをするキャバレーに会いに来るのですが、当然ここは誤解が解けたことを知り、五代君も読者もよりを戻しに来たと思いますよね。

 

 

そしてここでも飯岡店長が五代君の恋愛事情に首を突っ込んできました。かすみさんに子供を預けられた件では、社内法第三条「社内恋愛禁止」でしが、今回は社内法第二条「職場に私事を持ち込むべからず」でした。いったいいくつあって、どんな物があるのでしょう。そしてそんなローカルなことを律儀に覚えている五代君。また、飯岡店長は鋭く、別れ話をするのだとすぐに悟っていました。社内報規則がしっかり制定されていること、店長が遵守させようとしているところを見ると、もしかしたらこのキャバレーバニーは結構しっかりした会社かも…。

 

五代君が福利厚生部長(子守)に就任する前も、専門の子守のおばちゃんを雇っており、子守のシステムもしっかりしていました。坂本曰く、全国展開している会社(チェーン店)らしいですし、五代君の個人的な事情で困った時に2ヶ月泊まり込みを許可してもくれました。もしかして優良企業では…。保母試験に落ちても結構五代君の仕事はなんとかなったかも?

 

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こずえちゃんに別れ話

つい数時間前に響子さんとホテルに入り、失敗したとは言え自分を選んでくれたことを確信した五代君は、それで勢い付いたのかわかりませんが、今までどんなに勇気を振り絞っても言えなかった別れ話を、ハッキリとこずえちゃんに正面から切り出していました。歩道橋の上で土下座する勢いで座り込み、ハッキリと「もう君とは付き合えない!」、「好きな女(ひと)がいるんだ。」と。さすがにここまで言われればこずえちゃんでも自分を振っていることがわかるでしょう。

 

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お互い良い思い出で終わりたかった

五代君は以前の話で、こずえちゃんの誤解を解き、良い思い出のまま、または良い人のまま別れたいと、自分に都合の良い方法を模索しており、一の瀬さんと朱美さんにそんな都合の良いことやめときなとたしなめられていました。ところが一方のこずえちゃんも、何故今回五代君に会いに来たかと言うと、「あたしのこと嫌いにならないで。」、「変な別れ方するのいやだったから。」、「お別れしても嫌われたくなかったし…」と、こちらも五代君と同じように、嫌われて別れたくないと思っていたんです。五代君ばかりが都合の良い別れ方を望んでいたかと思いきや、お互い思っていること同じでしたね。しかし人間こんなもんでしょう。誰だって嫌われたくないですし、良い思い出でいられるならその方が良いに決まっています。ただ、現実的にそんなことは希ですけどね。

 

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今回はこずえちゃんが、端から見ると少し都合の良い理由で五代君に会いに来たことにより、この2人の別れ方はなかなか無いほど綺麗でスッキリした別れ方になりました。さすがに5年親密に付き合った人と、誤解されてとか、わけがわからず別れるのは一生心に引っ掛かる物が出来てしまいますからね…。

 

嫌いじゃないのに別れる悲しさ

この「嫌いじゃないのに別れる悲しさ」は物凄く心に響いて、私にとっては、もしかしたらめぞん一刻の作中最も切なく、泣いてしまう話かも知れません。他の記事でも書いていますが、異性間の恋愛だけではなく、同性間の友情でもこんなことはあって、引っ越しや結婚、出産、転勤などで生活のサイクルが合わなくなったり、家族を優先しなければならなくなったり、喧嘩したわけでも無いのに、いつの間にかすっかり疎遠になってしまった友人は何人もいます。多分、皆さんでもこんなことは経験があると思います。このこずえちゃんの嫌いじゃないけど別れ、そして恐らく今生の別れと思わせるシーンは、それを思い出して切なくなります。生きていく上で避けては通れない道なのでしょうが…。恐らく今の中高生にはこんなこと言われてもピンと来ないでしょうが、いつかそういう日が来るんですよ…。

 

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今生の別れ

そしてその今生の別れと思われるシーンですが…。このあと五代君とこずえちゃんが再び会ったかどうか定かではありませんが、お互い別の人生を歩み、他の人と結婚し、こずえちゃんは名古屋へ引っ越します。そしてまたねとの再会の言葉も無く、スッキリした顔で「さよなら、元気で。」と言い、夜の街へ消えていくこずえちゃん。そのこずえちゃんに対して五代君は名残惜しそうに「さよなら…」。そして再び独り言で「さよなら。」。普通に考えてこの後会うことは無いんでしょうね…。またどこかでとか再開や関係が続く言葉ではなく、2人供にキッパリと「さよなら」なんです。男女関係にはならなかったとは言え、人生で最も楽しかったであろうこの時期に、5年以上付き合っていた人とも、歩む道が少し違うと2度と合わなくなる切なさ。

 

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おわりに

さてと…これで遂にこずえちゃんが退場しました。今後、最後のエピローグ以外、もう2度とこのめぞん一刻で出てくることはありません…。いやあ…何回読んでも涙ぐんでしまいます。

 

三角関係その1である、響子さんを頂点とする響子さん、五代君、三鷹さんの三角関係は、以前の三鷹さんの退場で瓦解。残るもうひとつの三角関係その2である、五代君を頂点とした、五代君、響子さん、こずえちゃんの三角関係も今回で瓦解。残る関係は、五代君と響子さんのみになってしまいました。いやあ…どんどん登場人物が人生に決着を付けていき、退場していく様は感動すると供に、物凄く切なく悲しいです。あの賑やかなめぞん一刻はもう2度と帰ってこないんです…。

 

何回か書いていますが、初期の頃は「毎日のお祭りが永遠に続くような賑やかなドタバタコメディ」だったのですが、八神が退場し、三鷹さんが退場し、そして今回こずえちゃんが退場したことにより、すっかりめぞん一刻の世界が寂しくなってしまいました。

 

五代君と響子さんがゴールに向かう嬉しさと同時に、私たちが知っている賑やかで楽しいめぞん一刻の世界が消えていく悲しさの両方が同時に襲ってきて、なんとも言えない胸のざわつきがあります。このなんとも言えない感情は何回読んでも変わりません。そして毎回ドキドキと鼓動が早くなるのも自分でわかります。もう何十回と読み、結末もひとつひとつのセリフまで、そらで言えるくらい読み込んでいるのに…です。なんなんでしょうこの漫画…。

 

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