漫画全話レビュー「めぞん一刻 第125話「愛と哀しみの破談」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1986年4月21日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1986年3-4月 三鷹瞬、明日菜さんとの縁談を断る

 

 

この頃の出来事
  • 4月1日 – 男女雇用機会均等法施行。
  • 4月1日 – 丸善石油、大協石油と石油精製会社のコスモ石油が合併してコスモ石油に。
  • 4月1日 – 東京工科大学が東京都八王子市に開学(17年ぶりとなる新設大学工学部の開学)。
  • 4月1日 – 400ml献血と成分献血がスタート。
  • 4月1日 – 明治乳業(現:明治)、フジサンケイグループ(フジテレビジョン・産業経済新聞社・ニッポン放送など)がCI導入。
  • 4月4日 – 日本のプロ野球が新ストライクゾーンを導入して開幕。
  • 4月7日 – レーシングドライバー萩原光が宮城県、スポーツランドSUGOにて、マシンテスト中事故死。
  • 4月7日 – 経済構造調整研究会(前川委員会)、産業構造の積極的転換を提案。
  • 4月8日 – 人気アイドルの岡田有希子が東京都内のビルで飛び降り自殺。その後、ファンの後追い自殺が相次ぎ、社会問題化。国会でも取り上げられる。
  • 4月13日 – 長江裕明一家が自力で建造したヨット「エリカ号」で世界一周に成功する。
  • 4月15日 – アメリカによるリビア爆撃。
  • 4月16日 – 東レがCI導入。
  • 4月26日 – ソ連のウクライナ・ソビエト社会主義共和国のチェルノブイリ原子力発電所で大規模な爆発事故発生(チェルノブイリ原子力発電所事故)。
  • 4月28日 – 東京・港区にアークヒルズが完成。大規模都市再開発のさきがけとなる。
  • 4月29日 – 昭和天皇の在位60年記念式典開催。
  • 4月29日 – 桧町公園の便所で時限爆弾が爆発する桧町公園事件が発生。

 

あらすじ

五代君がキャバレーのバイトをしていることを知った響子さんと三鷹さん。三鷹さんは響子さんを不幸にしてはいけないと、明日菜さんとの縁談をハッキリ断ることを決意し、遂に明日菜さん本人に気持ちを伝えるのですが…。

 

 

みどころ

  • 三鷹さんが縁談を断れたと思っているところ

 

はじめに

今回は、遂に三鷹さんが明日菜さんとの縁談を断る回です。まあ、本人が断れたと思っているだけなのですが…。これも、めぞん一刻独特の勘違いすれ違いのテンプレ通りですね。ハッキリ口に出して言葉を言っているのに、お互い最終確認をきちんとしていないばかりに、お互い受け止め方がまるっきり違う勘違い、すれ違いです。何度このような勘違いやすれ違いをめぞん一刻で見てきましたね。最後の明日菜さんの落ち込んでいない、ともすれば喜んでいるような表情や仕草を見て、ああこれはいつものアレだなと思った読者も多いはず。

 

不幸になるに決まっている

先日、響子さんと三鷹さんは、偶然五代君のキャバレーでのバイト姿を見てしまいましたが、響子さんの誤解は解けたものの、三鷹さんの誤解は解けていません。三鷹さんから見れば、無職で目指していた保父もどうでもよくなり、職を転々とする気まぐれでいい加減なフリーター(当時この言葉はありませんでしたが)にしか見えていません。そんな三鷹さんは、愛する響子さんが五代君なんかと一緒になったら、貧乏で不幸になると思い、直接五代君に釘を刺しに行くのですが…。

 

仕方が無いとは言え、少しこの辺の三鷹さんは辛辣というか、五代君を馬鹿にしているので嫌な感じなんですよね…。五代君のキャバレーでのはっぴ姿を馬鹿にして似合ってると言ったり…。恋のライバルが勝手に落ちていくので、三鷹さんとしては願ったり叶ったりだったのでしょうけどね。ただこれでこそ本来の恋のライバル役としては正しいのかも知れません。今まで三鷹さんは嫌みがほとんどありませんでしたからね。

 

五代君子守りになる

そんな五代君は、キャバレーで子守りのおばちゃんが休んだことにより、キャバレーで働く女性の子供達を面倒見る子守りをすることに。保父を目指していることもありますが、五代君の性格的に呼び込みよりよっぽど適任です。

 

わかりましたはわかってない

一方三鷹さんは、意を決して九条家を訪れ、遂に明日菜さんに直接縁談を断ることを伝えるのですが、それを聞いた明日菜さんはまさかの直立不動から気を失いかけます。

 

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縁談を断るって事はシリアスな話のはずなのですが、この表現で一気にめぞん一刻らしくなりました。この辺のバランスがたまらなく好きです。しかも明日菜さんは続けざまに「尼になります」と。無茶苦茶極端です。この「尼になります」の言い方も面白くて、三鷹さんや他のセリフよりも文字が小さく、か細く弱々しい声で言っているのが分かり、さらに面白さが増しています。細かいところに気を遣います。

 

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そこまで落ち込む明日菜さんを見た三鷹さんは、せめてもの慰めとして、嫌いではないと言ってしまい…。これを聞いた明日菜さんはわかりましたとは言っていた物の…わかっていないですよね。とにかく極端に物事を捉える性格みたいなので、縁談を断ると言う言葉より、嫌いではないとの言葉の方がより大きく心に残り、結果それが明日菜さんに希望を抱かせたのでしょう。本来、ここまでハッキリ縁談を断られたら、もうどうしようもないのわかるはずなんですけどね。しかし、明日菜さんは小学校から大学まで全て女子校で過ごしており、男性への免疫もゼロなので、三鷹さんが意味する縁談を断ると言うこと、嫌いではないと言うことがどう言う意味を持っているのか理解出来なかったのでしょう。まあそれにしても極端ですが…。

 

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また、明日菜さんがわかりましたと言っているところでは、明日菜さんに光が差している表現があり、これは明日菜さんが、縁談を断られたにも関わらず、「希望の光」を見ていることを示唆しています。

 

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おわりに

今回は意を決して明日菜さんに縁談を断ることを伝えた三鷹さんですが、それがどうも明日菜さんには全くと言って良い程伝わっていないような…との話でした。明日菜さんは決してハートが強いわけではないのですが、気付かないって最強だなと思わせます。

 

嫌われていることを本人が知らなければ、それは本人にとって嫌われていないことが「真実」となりますからね。世の中本当はどうかなんて関係ありません。勘違いした者の勝ちです。普通は空気を読んで、自分が嫌われていることを知り、そして落ち込んだり怒ったりすると思うのですが、じゃあそれは真実を知って幸せなのかと言えば…ねえ。明日菜さんのエピソードはこれを体現しているなあと読む度に思います。

 

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