目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1981年12月15日号
アニメでは
時系列とでき事
- 1981年晩秋 七尾こずえ、音無響子の部屋に上がる
この頃のでき事
- 12月1日 - フランス・コルシカ島のアジャクシオ空港で、ユーゴスラビア航空のDC-9型機が墜落、乗客乗員178名が死亡。
- 12月2日 - 大阪市営地下鉄千日前線の新深江駅 - 南巽駅間が開業。
- 12月11日 - エルサルバドルで、ゲリラに対する抗議運動を行っていた市民900人が軍隊によって殺害される。
- 12月13日 - ヴォイチェフ・ヤルゼルスキポーランド首相、独立自主管理労働組合「連帯」による共産主義政権反対運動を牽制するため戒厳令施行。
- 12月14日 - 日産自動車が「アトラス」を発売。
- 12月26日 - 大阪空港訴訟の最高裁判所大法廷判決。
- 12月31日 - ガーナでクーデター発生。
あらすじ
買い物途中にこずえちゃんと会った響子さん。惣一郎さんが服を汚してしまったので、服の汚れを取るため自分の部屋に誘います。こずえちゃんとの会話の中、響子さんは高校時代の惣一郎さんとの思い出をこずえちゃんに話し、それが五代君に伝わり嫉妬します。
みどころ
- 噛み合わない響子さんとこずえちゃんの会話
- 響子さんの高校時代の回想
初登場人物
- 音無惣一郎
はじめに
今回は響子さんとこずえちゃんがまともに会話しコミュケーションを取った初めての回で、そのこずえちゃんとの会話の中、響子さんの高校時代の思い出として、回想の中での惣一郎さんが初めて出てきました。勿論顔は黒
こずえちゃんの天然ぶり
商店街でバッタリこずえちゃんに響子さんは、惣一郎さんがこずえちゃんの服を汚してしまったので、服を綺麗にするため一刻館の自分の部屋に誘うのですが、こずえちゃんの会話があっちに行ったりこっちに行ったり、前の話と何の脈絡もなくポンポン飛ぶので戸惑っていました。このこずえちゃんのマイペースの会話術と言うか、相手との噛み合わない会話は五代君との間でも、これから繰り広げられていきます。
また、こずえちゃんの汚れた服を乾かす間、響子さんの服をこずえちゃんが着るのですが、ウエストがきついと思っていたので、スタイルでは響子さんの方が良い模様。
積極的な響子さん
今の響子さんからはあまり想像見できませんが、高校時代の響子さんはかなり積極的だった様子でした。なにせ惣一郎さんと一緒に帰りたいとの理由だけで、雨の中自分ぬ濡れた傘を背中に隠しますからね。
この頃は、まさか高校時代の回想が八神へと繋がり、シンクロするとは思いませんでした。最初から八神の話を考えていたとは思えないのですが、こうやって過去に出した自分の話と繋げた話を作るのが高橋留美子さんは上手いです。
このめぞん一刻で言うと、第5話「春遠からじ!?」で1コマだけ出てきた豆蔵を、第17話「ギンギラギンにさりげなく」で再登場させたのもそうでした。こういうものは読み返してやっとわかることが多く、何回も読んでみたくなる理由にもなります。
気付かないこずえちゃん
こずえちゃんは、結構響子さんと会話をしていて、五代君とも響子さんの話をするのですが、結局最後まで五代君の好きな人が響子さんであることに気付きませんでした。気付かないだけではなく、疑いもしませんでしたからね…。
天然もここまで行くと凄いのですが、今回の響子さんと交わした初めてのまともな会話を見ると、相手のことを考えて会話しているのではなく、あくまで自分が言いたいことをひたすら言っているだけなのので、最後まで気付かなかったのはわかる気がします。
惣一郎さん
こずえちゃんからの伝聞で、今では想像が付かないような積極性で、響子さんに迫った惣一郎さんのエピソードを知った五代君は、既にこの世にいない人に嫉妬をしていました。また、その後響子さんには五代君がこずえちゃんの初恋に似ている人だとの事実も聞かされました。
五代君が知らない響子さんのことをこずえちゃんから聞き、五代君が知らないこずえちゃんのことを響子さんから聞く不思議な日でした。
共同電話
第16話「桃色電話」で共同電話が設置されたため、住人…主に五代君ですが、これで自由にこずえちゃんなどに自由に連絡が取れるようになりました。
今回はこの共同電話でコソコソこずえちゃんと連絡を取っており、それを一の瀬さんと響子さんに聞かれていたのですが、この共同電話の場所は一の瀬さんの部屋の前です。今回は2人に聞かれていましたが、五代君の電話を一の瀬さんに聞かれ、相手の声が聞こえない一の瀬さんは、五代君の会話だけで勝手に早とちりし、それを響子さんに伝えてトラブル。こんな黄金リレーの装置がこの共同電話なんです。
おもしろいひと
今回、響子さんはこずえちゃんの初恋の人が五代君に似ていると聞き、「おもしろい人だったんですか?」と聞いていましたが、この時点で響子さんの中では「五代君=面白い人」だったみたいです。以前は「ダメな弟」との評価だったので、少し格は上がったのでしょうか?
確かにこれまで酒の上の不埒で告白し、それが冗談だと思ったらのちに否定し、海や大学祭のでき事で五代君の人となりを知れば、悪い意味ではなく、面白い人(変わった人)との評価になりますよね。
総評
今回は惣一郎さんが初めて響子さんの回想で出てきました。
めぞん一刻は、他の漫画でよくあるような、回想エピソードを丸々1話やることは結局最後までなく、あくまで響子さんの回想として、1話の中の数ページだけ出てくるだけのショートエピソードでしかありません。
また、こずえちゃんが「余りにも天然で、響子さんと五代君の特殊な関係に気付かない人」との設定は、この時点で結構ガッチリ固まっていたので、張り合う意味でのライバルにはこずえちゃんでは成り得なかったんですね。
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