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漫画全話レビュー「めぞん一刻 第092話「ロング♡グッドバイ」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1984年12月15日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事

 

 

この頃の出来事
  • 12月3日 – インド・ボパールにあるユニオン・カーバイドの殺虫剤工場から有毒ガスが流出、2万人近くが死亡したボパール化学工場事故が発生。
  • 12月6日 – 財団法人証券保管振替機構、発足。
  • 12月7日 – 俳優、大川橋蔵が死去。長谷川一夫に続く「平次親分」の訃報は全国の時代劇ファンへの悲報に。
  • 12月7日 – マハラジャ麻布十番店がオープン。その後全国展開して高級ディスコブームとなる。
  • 12月19日 – イギリス(サッチャー首相)と中国(趙紫陽国務院総理)が香港返還合意文書に調印。これにより1997年7月1日に香港が中国に返還されることに。
  • 12月19日 – トルコ人留学生からの訴えが発端となり、トルコ風呂がソープランドに改称。
  • 12月20日 – 電電公社民営化法案成立。
  • 12月24日 – 多摩川で解体中の旧六郷橋橋桁が落下、4名死亡。
  • 12月31日 – 第35回NHK紅白歌合戦が放送。総合司会の生方恵一(当時NHKアナウンサー)が都はるみを「ミソラ」と間違えたことが話題となった。

 

あらすじ

一刻館に泊まり五代君と一緒に登校する八神。それを見た同級生はざわつき、冷やかし、からかうのですが、そんな周りの反応に冷めてしまい、教育実習期間の終わりと重なり、一過性の恋愛だったと自分でも諦めようとするのですが…。

 

みどころ

  • 諦めきれない八神
  • 八神の一旦退場

 

はじめに

今回は、教育実習期間の終わりで八神はどうするのかに焦点が当てられた回です。教育実習期間はどうしてもあっという間の2週間で終わります。そこで五代君と八神の関係はどうするのか、八神の気持ちは続くのか、もっと言うと八神はこれで完全退場なのか、それともレギュラーとして出続けるのかのターニングポイントです。

 

一緒に登校

一刻館に泊まった八神は、五代君と一緒に腕を組んで登校するのですが、当然これを見た友人は五代君の部屋に泊まった、つまりハッキリ言うとセッ○スしちゃったと勘違いして騒ぎます。響子さんの部屋に泊まっただけなのですけどね。こうやって勘違いされて騒がれるのは八神もわかっていたはずで、それでも五代君と腕を組んで見せ付けるように登校すると言うことは、周りにも騒いで欲しいんでしょう。この後の話でもどんどん顕著になるのですが、典型的な「恋に恋する自分」です。

 

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冷める八神

これだけわかりやすく周りに見せ付け、騒がれるのはわかっているのに、実際に五代君との関係を囃し立てられると、気持ちが一気に冷めてしまうところがまた八神の不思議なところ。冷静にこの状況を考えてふと客観的になり、空しくなったのでしょうか。

 

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提示されている理由は、五代君の教育実習期間が終わるので、これからは八神が一刻館に通わなければならず、忍ぶ恋を想像して自分で盛り上がっていたようなのですが、そこにやんやと囃し立てられ気分が盛り下がってしまったとの事。やはり自分をヒロインとして見て自分の健気さに酔っている感じですね。ただ人を好きになるなり方はどれが正しいとかは無いので、これはこれでアリなんだろうなと思います。

 

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物語では、この八神のような「恋に恋する自分」的描かれ方は、あくまで間違った恋愛で、それに気付いて立ち直る、要は「恋に恋する自分」型の恋愛は間違いだと描写されることがほとんどなのですが、めぞん一刻の八神の場合、この「恋に恋する自分」で最後まで一途に突き進むので、ある意味これを肯定している珍しい物語です。良い意味で八神のエピソードは裏切られました。読んでいても、絶対八神はいつか自分の滑稽さに気付き、一歩大人になって五代君から離れるんだろうな、それはいつかな、次かな、そろそろかな、なんて思って読んでいたのですが、最後まで貫き通しましたからね。このような意味でも八神はユニークで面白いキャラクターです。

 

寂しそうな五代君

五代君は、八神の後先考えない猛アタックに困っており、響子さんにも知られることになったので、早く縁を切りたいと思っていたのですが、いざ八神に「さようなら」との意思表示をされると寂しそうでした。八神は悪い子ではなく、アプローチの仕方が強引なだけで寧ろ良い子ですからね。

 

諦められない八神

五代君の教育実習期間の終わりと共に、五代君への気持ちを諦めよう、一過性の物だと納得しようと思った八神ですが、五代君が去る姿を見て涙が流れ、結局自分の気持ちに嘘が付けず、諦めることは出来ませんでした。この「何故諦められなかったか」の描写も実にめぞん一刻です。

 

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めぞん一刻は、響子さんは自分では五代君を好きでも、惣一郎さんへの気持ちが嘘になってしまうので、それを認められない、しかしやがて五代君を好きとの自分の気持ちに「気付いていく」物語なのですが、この八神も一旦は五代君を諦めるものの、五代君の立ち去る姿を見て、やはり自分の気持ちに「気付き」ます。響子さん、八神の両者とも、ハッキリ自分から行動を起こして積極的に気持ちを表明したわけではなく、寧ろ逆に気持ちを抑えようとしても抑えきれなくなってしまったわけです。実は両者とも、五代君を好きな気持ちを抑えようとしても抑えられなかったとの部分で同じなんです。

 

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おわりに

今回は五代君、八神、響子さんの三者三様の気持ちの動きが丁寧に描かれていました。漫画はこのように心の内をモノローグで細かく描写出来るのが強みであり、また素晴らしいところです。漫画独特の長所だと思います。これが実写だと、このように自然に心の内を言葉として表現出来ません。

 

この教育実習期間だけは、現実と同じく時間が進むめぞん一刻の中で、現実と漫画の時間がリンクしないエピソードだったのですが、それも今回で終わりです。

 

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