世界が無茶苦茶になる「ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン/荒木飛呂彦」レビュー 5/5 (1)

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長所と短所

  • ○頭脳戦
  • △宇宙規模の壮大な話
  • ×スタンド能力に無理がある物が多い

 

はじめに

今回はシリーズ初の女性主人公です。本来、バトル物で女性が主人公と言うのは単純に身体能力に男女で差があるため無理が生じるのですが、ジョジョの奇妙な冒険では精神力の発現であるスタンドバトルであるためその辺りの無理が生じず、バトル物としてきちんと成立していました。肉体的な殴り合いになってしまうと、どうしても女性が男性に対抗するのは難しく、読んでいても違和感が出てしまいますからね。

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この第六部は後述しますが色々とぶっ飛んでいます。それが特徴でもあり、また若干受け入れられないところでもあるかと思います。そして、この第六部のストーンオーシャンでジョジョの奇妙な冒険は一旦終了です。区切りと言った方が正確かも知れません。この後も第七部のスティール・ボール・ラン、第八部のジョジョリオンへと続くのですが、それは比喩ではなく本当に『別の話』なんです。それは後ほど。

 

あらすじ

舞台は2011年のアメリカ。空条承太郎の娘・空条徐倫(くうじょう ジョリーン〈ジョジョ〉)は、冤罪で「州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」(略称「G.D.st刑務所」、通称「水族館」)に収監されてしまう。後日、娘が捕まったことを知った承太郎は、この事件を仕組んだのがかつて自分が倒したDIOの部下だったことを知る。娘を救うためにG.D.St刑務所へ面会に向かった承太郎は徐倫を連れ出そうとするが、そこへ徐倫を罠にはめた張本人であるDIOの元部下ジョンガリ・Aがスタンドを操って2人を襲撃する。承太郎は娘を守ろうと立ち向かうが、その最中に彼女を庇ってジョンガリ・Aの攻撃で負傷したうえ、そこに何者かによる謎の人型スタンド「ホワイトスネイク」が出現し、その記憶とスタンドをディスクにして奪う能力の攻撃を受けた承太郎は「記憶ディスク」と「スタンドディスク」を奪われ、仮死状態になってしまう。

 

その後、徐倫は承太郎が自分に託した「矢の欠片」によって「肉体を糸に変える能力」を持つスタンド「ストーン・フリー」を会得し、仮死状態となった承太郎の命を救うために刑務所内でホワイトスネイクを捜し出し、承太郎のディスクを取り戻すことを決意する。やがて、徐倫は自分と同じスタンド使いであるエルメェス・コステロ、エンポリオ・アルニーニョ、フー・ファイターズ(F・F)、ウェザー・リポート、ナルシソ・アナスイと力を合わせ、ホワイトスネイクが放つ刺客たちと戦う。やがて、一連の事件を仕組んだ黒幕が(読者には既に明かされていたが)G.D.St刑務所の教戒師であり、かつてDIOと親友関係にあった神父エンリコ・プッチであることを徐倫たちは知る。プッチはDIOが遺した天国へ行く方法(後述)を探し求めるため、その内容を知る承太郎から記憶ディスクを奪ったのだった。激闘の末、徐倫たちは承太郎の記憶ディスクを取り戻すが、その代償としてF・Fが命を落とす。天国へ行く方法を実行に移すために緑色の赤ん坊(後述)を取り込んだプッチはG.D.St刑務所を後にした。承太郎のディスクからプッチの目的を知った徐倫は、プッチを止めるためにエンポリオ、エルメェスを伴って脱獄する。

 

脱獄が目的

今回の主人公空条徐倫の目的はなんと脱獄です。第四部以外は大きなラスボスがいて、そこに向かって行く冒険譚だったのですが、今回は自分が脱獄するためにスタンドで奮闘するため、若干第四部と似た作風になっています。主人公が犯罪を犯して刑務所に入るスタートには驚きました。

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第四部も承太郎が留置所にいたものの、あれは制御しきれないスタンド能力を危険に感じての自らの行動でした。この収監された原因になった轢き逃げは正確には冤罪だったのですが、徐倫は昔から素行が悪かったのは間違いなく、ここにもちょっと第六部が不人気の理由があるかも知れません。

 

今回も二部構成

前半の徐倫は刑務所から脱獄することが目的なのですが、後半は父親の空条承太郎を助けるためにプッチ神父を追い掛けて倒すことが目的に追加されます。これは前回の第五部がマフィアのボスのミッションをこなす事から、マフィアのボスを倒すことになったことと似ています。ただ、今回は脱獄の目的が変わるわけではなく目的が追加されることが多少違うところでしょうか。

 

またしてもディオが関わる

今回もディオが物語に大きく関わってきました。当然第三部でディオ自身は死んでいるので直接的ではないのですが、全てのパートにディオの影響があります。この第六部ではなんとディオの遺骨が影響を与えると言う…。ここまで来るともはやキリストですね。

 

最初から仕組まれていた

実は徐倫が刑務所に収監されたのは偶然ではなくプッチ神父の策略でした。承太郎の記憶をディスクとして取り出し、ディオの残した言葉にあった『天国』へ行くための情報が欲しかったんです。

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このプッチ神父の言う天国ってのも曖昧なんですよね。正確にはディオがその天国を目指していて、それを若き日のプッチ神父に語り聞かせていたようですが…。最終的にプッチ神父が到達する天国も、それって天国と言えるんだろうかと少しモヤモヤします。

 

承太郎に娘がいたことの驚き

承太郎に娘がいたことには驚きました。舞台は2011年で徐倫は19歳なので1992年生まれ。第四部に承太郎が登場したときは1999年なので、このとき既に7歳の徐倫がいたんですね。世界を股に掛ける海洋学者だったためろくに家に寄りつかなかった(その実、ディオ残党のスタンド使いに襲われていたため家族を危険に巻き込めないとの思い)そうですが、第四部時点でアメリカに家庭を気付いていたのか…。承太郎22歳か21歳の時の子供ですね。

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ジョジョの奇妙な冒険ではパートを跨いでキャラクターが出るのですが、今回も徐倫の父親として承太郎が登場。第三部、第四部、第五部に続いてこの第六部でも登場したことにより、スタンドバトル開始から全てのパートに登場したことになります。ただ、この後のパラレルワールド(以前とは少し違った世界)では出てこないので寂しいのですが、そこは作者も承太郎を絡めるのは単純に飽きたのかも知れません。

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