目次
あらすじ
避難民の一部が、地上に降りたいと願い出た。それを理由に、ブライトはジオン公国軍へ休戦を申し出る。避難民を乗せたガンペリーは、密かにアムロのガンダムを地上へと降ろす。続いてカイのガンキャノンが地上へ降下し、敵を引きつける。湖の背後からガンダムが挟撃するという、ブライトの巧妙な作戦がスタートした。
見どころ
- 民間人にとって戦争とは
- ガンキャノン初出撃
初登場人物
連邦軍
- ジョブ・ジョン
ジオン軍
- コム(ビッグ・ジョン)
民間人
- ペルシア
- コーリー
初登場メカ
連邦軍
- ガンペリー
はじめに
今回は民間人にとって戦争とは?って話ですね。戦争に翻弄される避難民の話、ペルシア、コーリー親子の話。
そしてホワイトベースとガルマの激しい戦闘があり、ガルマは惨敗を喫し、シャアとの関係性が徐々に変わっていく話でもあります。
放送内容
グレート・キャニオン
今回、地球に降下してから初めて具体的な地名が出てきました。「グレート・キャニオン」です。これは架空名なのですが、大気圏から北米大陸に降下したことを考えると、当然アメリカのアリゾナ州「グランド・キャニオン」のことでしょう。絵的にも砂漠地帯が広がっていましたからね。この辺りでホワイトベース部隊とガルマの部隊は戦っていたみたいです。
厄介な避難民達
このグレート・キャニオンでの戦闘中、ホワイトベースに収容されたサイド7の避難民達は、ここで降ろしてくれとブライトに頼みに来るのですが…戦闘真っ只中なんですよね。いくらなんでも我が儘すぎます。また、避難民で動ける者の多くがホワイトベースクルーになっているため、残っている避難民はほとんどが老人と若い女性のみ。若い女性もコーリーの母ペルシアしか見受けられませんでしたけどね。
しかしここでブライトの上手い作戦です。ジオンに一時休戦を申し入れ、避難民を降ろそうとします。これは三者三得で、ホワイトベースは密かに別の場所にガンダムを配置することで後方から奇襲が掛けられ、ジオンは足の遅い陸上兵器を運ぶ時間稼ぎに使えます。そして避難民は勿論終始戦闘中のホワイトベースから降り戦闘から逃げられるんです。表向きは避難民を降ろすためと言っても三者三様の思惑が入り交じっていました。
故郷
戦争物でよくあるエピソードなのですが、久しぶりに故郷に帰ったら焼け野原だったなんて話が今回ありました。ペルシア親子がグレート・キャニオンに降り、故郷を探して歩いて行くも、そこには何もなく愕然としていました。この辺の故郷が焼け野原になって愕然とするエピソードは戦争映画あるあるで、富野さんもこの辺から着想を得たんでしょう。
そしてまたしても「ジオン兵は良い奴」との描写がありました。ガンペリーが避難民を降ろすところを見張るドップでしたが、見張りを追えた後コミリー親子が気になり、ペルシア親子に食料や物資が入ったカプセルを投下していました。本当富野監督はジオン好きですねえ。
ジョブ・ジョン
実は今回、非常に分かりづらいのですが、ガンペリーのパイロットとしてジョブ・ジョンが登場しました。ジョブ・ジョンは知る人ぞ知る1stガンダムの名物キャラクターです。便利屋的な扱いのキャラで、時には予備パイロット、時には整備塀、時には砲撃手、時にはガンタンクやガンペリーのパイロットとして地味に活躍しています。
ジョブ・ジョンは、この激しい1年戦争の中でも最も過酷だったホワイトベース部隊を生き残り、のちに「機動戦士ガンダムF90 」で登場し、重要な役割を担ったのには驚きました。
ガンキャノン初出撃
ガンキャノンの姿自体は以前に登場していたのですが、今回初めて出撃しました。パイロットは勿論カイ。このガンキャノンは個人的な思い出がありまして…。
小学校低学年の頃、周りでガンプラが流行ったのですが、そのおかげでどこのおもちゃ屋に行っても売っておらず、定期的におもちゃ屋に行き、あったらラッキーなので買うという感じでした。そしてこのガンキャノンもそのような時期に見付け、ラッキーと思い買ったのですが…。
当時、抱き合わせ商法というのが横行しており、このような人気商品と不人気商品をセットにして、セットじゃ無きゃ売らないよ、値段は2つ合わせた値段(もしくはもっと上乗せされることも)ね。これが抱き合わせ商法です。のちにこの抱き合わせ商法は不法(いわゆる独禁法)と認定され禁止されたのですが、当時は欲しければ買うしかなく…。
そしてこのガンキャノンを私は安土城と抱き合わせで買わされました。これは別にネタとか受け狙いではなく本当の話で、安土城なんてこれっぽっちもいらないのですが、ガンキャノンが欲しければ泣く泣く買うしかなく、悔しい思いをした事を鮮明に覚えています。別に当時のことを今でも恨んでいるということはないのですが、大人になっても鮮明に覚えているということは、子供の自分は相当ショックで心に刻み込まれたって事なんでしょうね。小学生の頃のお小遣いなんてたかが知れていますからね。その中からいらない物を買わされる。相当にキツかったんだと思います。
安土城はどうしたかというと勿論作りましたよ。抱き合わせでいらないとは言え、小学生のなけなしのお小遣いで買った物ですからね。作らなきゃ損した気持ちになるで取り敢えず作りましたが、元々全く欲しくもなく興味もないものなので、雑に作って放置です。その後どうなったのかはさっぱり覚えていませんが、飾ると嫌な思い出が蘇るので、さっさと押し入れにしまって、そのうち捨てたんだと思います。
子供の頃ショックな事って、いつまでも心に刻み込まれてしまう事がありますからね。子供を騙して傷付けるのはやめましょうと言うことで…。
ガルマ惨敗
今回のホワイトベース部隊とガルマ部隊の戦いではガルマが惨敗でした。一時はドップとザクでホワイトベースに勝利寸前まで行ったんですけどね。結局避難民を降ろす時に後方に配置したガンダムの奇襲により形成は一挙に逆転。ガルマの大失態となってしまい、姉キシリアにどう報告すれば良いんだと頭を抱えていました。
今回の大失態で、ガルマだけではどうにもならず、シャアが助っ人として今まで以上に出撃して力を貸すのですが、余裕のガルマ、来賓のシャアとの関係性から、シャアにお願いするガルマへと関係性、力関係が変わっていきます。今回の大失態がターニングポイントですね。
総評
ホワイトベースとガルマの激しい戦闘はあった物の、全体としては戦闘に翻弄される民間人だったり、若者が必死で戦っているのを邪魔する老人達だったりと、戦争に翻弄される民間人の話が主題でした。
子供の頃見ていたときは、このガンダムの世界に入ってアムロになりたいと思ったものですが、いつのまにかアムロの年齢もブライトの年齢も超え、今ガンダムの世界に入るとしたら、どちらかと言うと無能の連邦上官だったり、避難民の年寄りの立場にしかなれないんだろうなあと思ったりします。35年前のアニメですからねえ。
こんな人にお勧め
- ロボットアニメが好きな人
- 戦争アニメが好きな人
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