人事じゃない映画「それでもボクはやってない」レビュー

この映画お薦めです。今夜これが地上波で初放送するそうなので、この機会に折角なのでレビューしておきます。

 

基本的に映画は洋画中心で、邦画はあまり見ないのですが、別にこれは洋画を崇拝していて、邦画を馬鹿にしていると言う訳ではありません。たまたま私が面白いと思う映画が洋画に多いだけで、興味があったり面白そうな邦画は見ています。そしてこの邦画は、私が興味を持って観て面白いと思った邦画です。

 

ストーリーの方は単純明快。電車での痴漢冤罪扱った話です。いかに痴漢冤罪を証明するのが難しいのか、司法制度の理不尽さや不備を見事に表現した映画です。

 

「この人、痴漢!」と言われたら―冤罪はある日突然あなたを襲う (中公新書ラクレ)

 

以下ネタバレが含まれますのでご注意ください。

 

主人公は結局痴漢をやっていなくて無実なのですが、主人公の曖昧な言動や素行から弁護士にまで有罪だと疑われる始末。そして結末は理不尽にも有罪判決を受けてしまうわけで、感動したり、見終わった後に爽快な気分になるような映画ではありません。判決を受けるまでも司法の理不尽な扱いを受けたり、裁判官の変更や納得のいかない途中経過にイライラしてしまいます。しかしこれだけ感情移入出来ると言うことは、それだけ秀逸な映画と言うことなんですよね。つまらない退屈な映画ならそもそも感情移入なんてしませんしね。

 

感情移入する理由にはもう一つ。誰にでも起こり得ることであり、どこにでもいる平凡な主人公だと言うことも上げられます。都会に住んでいれば、満員電車は誰でも経験しているでしょうし、通勤で毎朝満員電車に乗る人も珍しくありませんからね。この身近さがより感情移入出来る要素だと思います。まあ感情移入すればするほどイライラしてしまうんですけどね。

 

ちなみに私は満員電車で立って乗るときは、この映画を観るずっと前から両手を上に上げています。本当に痴漢に間違えられたらたまりませんからね。痴漢冤罪を証明する難しさはこの映画の前から知っていましたので。そして、一度だけ生で痴漢が捕まったところを見たことがあります。駅員に両脇を抱えられて連行されていました。私はそのとき「痴漢か」と思いましたが、冤罪の可能性もあるんですよね。私は何も見ていないわけですから。

 

痴漢冤罪で男性は大変と思いますが、女性も間違いなく被害者なんですよね。間違って決めつけて冤罪に追い込んでしまうと言う描写の映画ではありますが、究極的な話をすればこの世から痴漢が無くなれば、男性もこんな私のような滑稽な苦労しなくて済みますしね。痴漢をする男性が居なくなれば全て解決なのですが、世の中そうは行きませんからね…。今後も私は満員電車の乗るときは両手を上に上げて乗ることになるでしょう。

 

性癖の話になるのかも知れませんが、私は女性を無理矢理とか、嫌がってるのに強引にと言うシチュエーション全く駄目なんですよね。興奮なんてとんでもない。逆に思いっきり萎えます。下世話な話だと、AVでのSMだとかレイプも全く駄目です。なので、嫌がってる女性に触って興奮すると言うメカニズムが全く理解出来ません。

 

話が横道に逸れてしまいましたので話を映画に戻しますが、映画で単純に面白いと思うものにはいくつか法則があると思うのですが、これはその王道のひとつ。「先が気になる」。これに尽きます。派手なアクションやノンストップムービーと言われるわかりやすいものではありませんが、純粋に話の先が気になる映画です。「この後どうなるんだろう」「どうなってしまうんだろう」の連続。その連続が途切れないので、目が離せません。

 

この映画は純粋に「面白い」とは違う感覚を覚える映画かも知れませんが、少なくとも「目が離せない」映画だと思います。痴漢えん罪の現状を実に的確に捉えていて勉強にもなるので、本当にお薦めの映画です。是非見てみてください。

 

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