目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1984年3月30日号
アニメでは
時系列とでき事
- 1984年3月 五代裕作、音無響子の実家へ初めて行く
この頃のでき事
- 3月4日 - 東京、大阪に続く国内3番目の国際女子マラソン大会、名古屋国際女子マラソンの第1回(厳密には前身の20kmロードレース時代から通算して第5回)が開催される。東海テレビによる全国ネット中継もこの時開始。
- 3月11日 - スタジオジブリのアニメ映画「風の谷のナウシカ」(宮崎駿監督)が公開。
- 3月12日 - 高松地方裁判所は財田川事件で再審無罪の判決。
- 3月14日 - 宇都宮病院事件発覚。
- 3月18日 - 江崎グリコ社長・江崎勝久が何者かに誘拐される。3日後の21日に無事発見(一連のグリコ・森永事件の発端、なお、一連の事件は2000年に未解決のまま時効に)。
- 3月23日 - 宝塚歌劇団によって「風と共に去りぬ」(第70期生の初舞台公演)が上演される。
- 3月28日 - 阪和自動車道の海南IC - 吉備IC間が開通。
- 3月28日 - 朝日麦酒の「三ツ矢サイダー」が発売100周年。
あらすじ
響子さんの母・律子さんが風邪を引いたので、渋々実家に看病に戻る響子さん。これを機に一刻館に戻してなるものかと、あの手この手で響子さんを引き留める両親ですが、帰りたい一心で響子さんは枕を変えると寝られないとこぼしたことにより、一刻館の五代君に枕を持ってくるように冗談で連絡が行くのですが…。
みどころ
- 初めて五代君が響子さんの実家に行く
はじめに
今回は五代君が初めて響子さんお家に行く回で、この響子さんに実家のマンションは、のちの劉備の三顧の礼のごとく、五代君が幾度も通うことになるので、めぞん一刻ファンにはお馴染みの場所ですね。
ちなみに、響子さんの実家は高嶺ハイツの504号室です。高嶺とは、おそらく「(響子さんは)高嶺の花」から取っています。
響子さんの両親は一刻館から遠ざけたいところまでは一致
響子さんの母・律子さんは今回本当に風邪を引いたので、響子さんを呼び寄せ看病して貰うように頼みます。響子さんと両親は特殊な関係なので、今まで響子さんは散々騙され、一刻館の管理人を引退させようとしたりと、親子間でのトラブルが多くあったので、響子さんは母親の風邪を信用していませんでした。
偶然とは言え、律子さんが風邪を引き、響子さんを実家に呼び寄せ、疎ましく思っている一刻館から引き離せたチャンスなので、両親ともになんとか帰らせまいとする試行錯誤が面白かったです。
以前も書いていますが、両親の響子さんに対するスタンスはある程度までは同じで、ある程度からは違います。簡単に説明すると、母親の律子さんは、「再婚して欲しい」ので、再婚の邪魔になる亡夫・惣一郎さんの家に関わる一刻館を辞めて欲しいのです。一方父親は、「再婚して欲しくない」から、娘に一人暮らしをして欲しくない、だから戻って欲しいのです。
響子さんの両親は、「一刻館の管理人を辞めて欲しい」とのところまでは一緒で、一刻館の管理人を辞めて欲しい理由、そしてその後はまるで逆です。母親は「再婚して欲しい」からで、父親は「再婚して欲しくない」からです。この、若干の響子さんに対するスタンスの違いが、母親と父親の違いや心情を表していて面白いです。
五代君はなんでも本気で取る
中々帰してもらえない響子さんは、苦し紛れで枕が変わると寝られないと言うのですが、母親の律子さんも響子さんの扱いには慣れたもので、響子さんのくだらない言い訳だとわかった上で、一刻館に枕を届けてくれと電話します。つまり、「枕があれば帰らないんでしょ?」と、響子さんの発言を逆手にとって逆に追い詰めようとしたんですね。これは、律子さんと響子さんの間だけで解決する話だったのですが、間が悪いのか良いのか、一刻館の電話に出たのは五代君。
五代君はもともと真面目な性格なのですが、響子さんに関することだと、それに一層拍車が掛かる傾向があり、事情をよく知らない五代君は、「響子さんに頼まれた!」と張り切ってしまい、両親に会うとのことで枕を届けるのにスーツを着ていく始末。
完全に響子さんは五代君を好き
響子さんの実家に初めて行った五代君は、両親との会話に緊張しながらも、自分の将来や好きな女性について話していましたが、これはどう聞いても響子さんのことなのですが、響子さんの両親は全く気付かず。これだけわかりやすいヒントが出ても、自分の娘のことだとは思わなかったんですね。これは、この時いかに五代君が響子さんの両親から、娘の結婚相手として眼中になかったかですね。実際随分後に響子さんの両親と再会するのですが、両親とも五代君の名前を一切覚えていませんでした。
ちなみに、この時五代君が出した好きな女性のヒントは以下の通り。
- 髪が長い
- 優しい
- 二つ年上
- なんだかかわいい
- 管理職
一方響子さんはこのわかりやすいヒントで当然自分のことだとわかっていて、嬉しそうに五代君が持ってきた枕を抱きしめていましたが、この頃は既に五代君のことを好きですね。これは完全に恋する女性の描写なので、やはりこれより前のわかりやすいターニングポイントの入院エピソードが、響子さんが五代君を好きだとハッキリ認識したエピソードなのかなと思います。
一方三鷹さんに対してはどうかと言えば、ハッキリ好きと言われてもここまで嬉しそうな感情表現は1度も無かったんです。
総評
入院エピソードが終わったばかりですが、それからすぐにまた響子さんが五代君を好きだとわかりやすく表現する話でした。このわかりやすい表現は、入院エピソードで響子さんが堕ちましたよと、補完するエピソードなのかなと。入院エピソードとこの枕エピソードを見ると、この頃既に響子さんは五代君を好きだったのは間違いないです。
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