漫画全話レビュー「めぞん一刻 第063話「しわのあるキューピッド」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1983年9月30日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1983年9月 五代勇作、音無響子と初デート

 

この頃の出来事
  • 9月1日 – 大韓航空機撃墜事件。ソ連の領空を侵犯し、乗員・乗客269人全員死亡の惨事に。
  • 9月1日 – ロッテが「チョコパイ」を発売。「半生ケーキ」という新ジャンルを確立。
  • 9月1日 – テレビ東京で2番目の地方系列局、テレビ愛知が開局。日本の民放テレビ局100局目。前年開局したテレビ大阪を含めてメガTONネットワークの東名阪ネットが形成される。
  • 9月4日 – 新薬開発で2億円を不正に受領した岐阜薬科大学学長を逮捕。
  • 9月7日 – 日本社会党の飛鳥田一雄委員長がこの年の参議院選挙での敗北を理由に委員長を辞任。同日、後任の委員長に石橋政嗣衆議院議員が就任。
  • 9月13日 – 新薬スパイ事件に絡み、藤沢薬品工業の社員ら3人逮捕。
  • 9月15日 – 国立能楽堂開場。
  • 9月23日 – アラブ首長国連邦アブダビでガルフエア771便爆破事件。
  • 9月25日 – 日本テレビ系のオーディション番組「スター誕生!」終了。
  • 9月25日 – 毎日放送系『アップダウンクイズ』司会の小池清が降板(後任は西郷輝彦)。
  • 9月29日 – ロンドン市長に初めて女性が就任。

 

あらすじ

実家からいい加減帰ってきてと言われたお婆ちゃん。最後の思い出にと、孫の勇作とデートをしてくれるように響子さんにお願いします。五代君と響子さんのデートの最中、その先々に一刻館住人の監視の目が光り…。

 

 

みどころ

 

はじめに

今回は五代君と響子さんの初デートの話です。そして、実は作中二人がきちんとデートをしたのはこれっきりです。一応、以前に「ま・めぞん」で待ち合わせをしましたが、結局「豆蔵」で一刻館のパーティーに合流してしまったため、あれはノーカウントです。五代君と響子さんは、そもそも一つ屋根の下に暮らしているので、わざわざデートに出掛ける理由が無いんですよね。こういうところも「特殊な関係」です。

 

お婆ちゃんは帰りたくない

冒頭で実家からいい加減帰ってくるように電話で言われていましたが、お婆ちゃんはボケたふりをして誤魔化そうとしていました。余程一刻館が肌に合ったのか、五代君の世話をまだしないとと思ったのか、帰りたくないんですね。ちなみに、この時点でお婆ちゃんが上京してから7話なので、7話×2週で14週。3ヶ月以上お婆ちゃんは一刻館にいたことになります。随分長いこといますね。

 

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頼まれてデート

響子さんはお婆ちゃんに頼まれてデートを引き受けるのですが、五代君はこのお膳立てが気に食わず、最初は断ろうとするのですが、響子さんが乗り気(に見えた)だったことで態度をころっと一変。一気に機嫌が良くなってしまいます。

 

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実際、こんな状況だと相手が嫌々デートを引き受けている可能性があるので、やはり引っ掛かりますよね。響子さんはお世辞と言うか表面上「楽しみにしてますわ」と言っていたと思うのですが、これをそのままストレートに受け取る五代君の性格は羨ましいです。ここで勘繰って、「本当はいやなんじゃないですか?」とか聞いても、鬱陶しいだけになってしまう可能性がありますからね。少なくとも嫌がっていないのなら素直に受け取っておいた方が良いんでしょう。

 

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綿密な予定

響子さんとデートをすることになった五代君に、お婆ちゃんは綿密に練られたデートの予定表を渡します。デートはどこに行くか決めたり、どこに行こうか相手と相談するのも楽しいもんなんですけどね。これではデートと言うか、小学校の遠足に近いです。しかしこのデート代は全てお婆ちゃんが出すそうで、渋々五代君は了解するしかありませんでした。スポンサーは強いです。

 

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一刻館住人の見張り

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デートの行く先々に一刻館住人が「偶然」いることを疑問に思った五代君は、お婆ちゃんの予定表を無視して逃げ出すのですが、その逃避行が五代君も響子さんも一番楽しそうでした。やはり人に決められた自主性のないデートより、自分たちのやりたいことをやるのが一番です。

 

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デートは大成功

お婆ちゃんと見張りを頼まれた一刻館住人側から見ると、五代君と響子さんのデートは、途中までは周りを警戒していたり、訝しげに思ってのデートだったので楽しそうに見えず、「失敗」と判断。ところが五代君と響子さん側から見ると、周りの監視の目をくぐり抜けた逃避行で楽しい時間を過ごし、手まで自然と繋いで響子さんもご機嫌との大成功。

 

このように本当はデートは大成功だったのですが、デートが成功したことはこの世で五代君と響子さんしか知りません。お婆ちゃんと一刻館住人は失敗したと思っているんです。この部分がこの話はお洒落で好きです。そしてそれらを全て知っているのは、神様目線で全体像を唯一見られる存在である私たち読者だけなんです。このなんとも言えない自分(読者)は知っているぞ感と言うか、見守っている感は凄く好きです。

 

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おわりに

今回はひょんなことから五代君と響子さんのどうにもおかしなデートが始まり、行く先々にお婆ちゃんの手先が監視、そしてそこから逃亡して結果的には何故かデートが成功してしまうと言う、ドタバタコメディの教科書のような回でした。恋愛要素もあり、笑いの要素もあり、最後は綺麗に落ちる。見ていて楽しく、そして幸せにな気持ちになれるめぞん一刻らしいお話です。

 

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