目次
あらすじ
1988年02月10日放送。
やっとのことで響子さんに告白した五代君。響子さんは一刻館に戻り、五代君は卒業試験に合格し、全てが順調にいくのですが、就職だけが中々上手く行かず、紹介で面接を受けた保育園から不合格の電話を貰います。
そんな中、遂に五代君と響子さんは、一刻館の管理人室で結ばれます。また、バイトをしていた保育園の園長がぎっくり腰になり、人手が必要になったとのこで、就職も突然決まり、あとはプロポーズをするだけとなります。
契り
原作漫画では、五代君が響子さんに告白をし、ホテルで行為を失敗してからキャバレーにバイトへ行き、その日のうちに響子さんと二度目のチャレンジをするのですが、アニメでは五代君が告白した日と、結ばれた日が別の日になっていました。その影響で、少し話が前後してしまいましたね。しかしそれより何より影響が大きいのが…そう。
響子さん「ずっと前から五代さんのこと好きだったの。」
五代君「ずっと前って…いつから?」
響子さん「忘れちゃった!」
これがなかったんですよねえ…。これは残念と言うか、是非とも入れるべきだったと思うのですが…。
この一言がないと、めぞん一刻への探究心と言うか、響子さんの心の内を探る楽しみがなくなっちゃうんですよね。そこに勿論正解なんて提示されていないのでわからないのですが、それを想像したり、同好の士と語り合ったりするのが楽しかったりするんです。
読み直すときに、「ここかな」、「いやここか?」なんて想像するのも楽しみの一つになるんです。明らかに事後で、ピロートーク丸出しなのが不味かったんですかね。しかしそんな事を言ったら、今までも「オ●ペット」や「やりて~」なんてダイレクトな発言もあったわけですし、ついこの間も朱美さんのラブホテルの話なんかもやったので、少し絵をオブラートに包めば、なんとかできた気がするんですけどね。しかしまあなかったものは致し方ありません。
ちなみに個人的には、響子さんの「忘れちゃった!」は、照れ隠しではなく本心だと思っています。一目惚れや、衝撃的なでき事があったならともかく、ここから好きになった境目なんて普通わかりませんからね。響子さん自身でもいつから好きになったかわかっていなかったんでしょう。そうでなくても響子さんには、「惣一郎さんを好きでなければならない」とのリミッターを自分に掛けていましたからね。
「惣一郎さんを好きでなければならない」との心情は、八神と先生の話や、茶々丸での話で出てきましたので、そんな事言われなくても知ってるよと言われるでしょうが、記憶が曖昧だった場合確認してみてください。
そんなわけで、五代君に惹かれていたとしても、一時の気の迷いだとかなんだで、自分の心を誤魔化していた期間が大分長かったように思います。意見の相違はあるかと思いますが、あえて個人的な感想を書くと、五代君が骨折して入院したエピソードがありましたが、あそこだと思っています。またアニメと原作漫画の比較になって申し訳ないのですが、この話はアニメより原作漫画の方が、心情描写が丁寧で、より五代君と響子さんが密着し、心も接近するので、その辺はわかりやすいかと思います。
一刻館住人には愛がある
一刻館住人…主に一の瀬さん、四谷さん、朱美さんのことですが、やはり五代君に対する愛があるんです。…キャバレーの集り以外は…。
と言うのも、今回残念パーティーと称して、五代君が試験に落ちることを前提に、宴会の準備が進められていましたが、不合格の横断幕以外にも、きちんと合格した場合の横断幕も用意してあったんです。これはアニメオリジナルですが、原作漫画の場合もお祝い用のクラッカーをきちんと用意していました。なんだかんだで五代君を愛しているんです。まあこの前提がないとただの虐め、嫌がらせですからね。
今夜 待ってる
アニメでは、原作漫画のこの「今夜 待ってる」は、ほぼまるまるカットでした。前回のラブホテルの話に続いてですから、ここに来て全編カットが続きますね。この話は、前回の「好きなのに…」とは違い、カットしてもストーリー上だったり、人物の描写に影響はほとんどないのですが、実は作中唯一響子さんが五代君にデレると言うか、五代君と響子さんがイチャイチャする話だったんです。こんなにデレデレする響子さんは、ここだけと言ってもいいので、できればやって欲しかったんですけどね。
五代君と響子さんは、最後まで敬語で話すので、いまいち仲の良さと言うか、イチャイチャしている様子が想像できなかったのですが、この話のお陰で、この二人も普通の恋人のようにイチャイチャするんだなってわかりました。
腰のあたりが充実してる
これも個人的には物凄く好きな表現、フレーズでした。やっとの事で結ばれた五代君と響子さん。その響子さんの機嫌の良さや、スッキリした感じを見て、朱美さんが言う一言。「腰のあたりが充実してる」。これは下品ではありますが、実に的確な表現であり、朱美さんが言いそうな言葉なんです。アニメではカットされてしまい残念。
季節が合致
アニメは放送時期に合わせて季節を変え、その事により無理が生じて、話や登場人物にも変更を余儀なくされたと、過去の記事にも何回か書いてきましたが、わざとなのか偶然なのか、この頃の話は作中の季節と放送時期が驚くほどピタリと一致しています。
五代君と響子さんが結ばれたのは、原作漫画の作中では一月下旬なのですが、最初に書いてある放送日を見て貰えれば分かるように、この回の放送日は2月10日です。アニメは契り、試験合格、就職内定が少し前後しているので、正確な日付まではんなんとも言えないのですが、ほぼ一致しているのがおわかり頂けると思います。
原作漫画では
初期とはまるで別の作品
この辺りの話を観てやはり驚くのは、初期の作風とまるで違うなと言うことです。
初期は典型的なドタバタコメディで、更に言えばギャグ漫画に近い、笑いを重視した話だったのに、気付いてみれば終盤はしっとりとしたラブストーリーになっていました。観ている者からしても、ここまで作風が変われば、違和感が出るはずなのですが、全くそれがないんです。それは何故かと考えると、徐々に作風がシフトしていったからではなかなと思っています。
初期のギャグに近いドタバタコメディから、今やっているようなラブストーリーに作風がいきなり変われば、さすがに観ている者も違和感を感じるはずなのですが、途中に八神を登場させて、コテコテのラブコメをやっているんですね。そりゃあもう脂っこいくらいのコテコテで、ラブコメの要素を全部詰めたような話で、ドタバタコメディからラブコメへ。そしてラブコメからラブストーリーへ。こうやって間に八神のラブコメを挟んでいることで、初期からこれだけ作風が変わっても違和感なくめぞん一刻として楽しめているんだと思います。
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