アニメ全話レビュー「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 第23話「風の吹く帝都」」

今回レビューするのは、この世の果てで恋を唄う少女YU-NOの第23話です。

 

それでは早速レビューを書いていきたいと思います。

 

ちなみに、YU-NOの解説・考察は別記事にまとめましたので、気になる方はご一読ください。

 

先の展開のネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。

 

あらすじ

アマンダとともに帝都にたどりつき、レジスタンスと合流するたくや。
神帝を倒すため、レジスタンスと協力し城に忍び込むことに。
そんな彼らの前に帝都の刺客・仮面の女が現れるが…

 

みどころ

  • ユーノ再登場

 

感想

クンクンを食べる理由がない

いやあ、クンクン周りも改変したおかげで話がちぐはぐになりましたね。ハッキリ言ってアニメではクンクンを食べる必然性皆無です。触れるのは後になる部分も列記していますが、クンクンをアニメでは食べる理由がなくて、原作ではあった理由を下記表にまとめました。

 

アニメでは… 原作では
2人を運んで飛ぶ状況
  • 収容所が崩壊していないので食料がある
  • 収容所が崩壊していないので移動手段のラクダがいる
  • 仲間が戦っているのにそのまま目もくれず飛んでいく
  • のちにこのときのレジスタンスメンバーと合流したので彼らは自力で砂漠を越えられた
  • 収容所は全滅したのでここにいたら餓死する
  • 少し飛んだだけでクンクンが疲弊している描写がある
  • 無理を承知でたくやがクンクンに頼む
疲労して倒れる状況
  • 再登場して1分ただ飛んでいるだけ
  • 砂漠を昼夜問わず飛んだ描写がある
  • 無茶なことだとわかって頼む前振りがあった
食べる状況
  • 目の前が帝都
  • 2人とも空腹の描写がない
  • 帝都も何も見えない砂漠のど真ん中
  • 歩いて軽く2,3日は掛かるとアマンダが言う
  • 2人とも空腹の描写がある
アマンダの言動
  • クンクンがまだ息があるうちにたくやに短剣を差し出して「食べてやろう」と言う
  • クンクンが死ぬのを待って「食べてやろう」と言う

 

まずなんと言っても帝都との距離感がおかしいです。前回は帝都が目視出来るくらいの位置に降りたのに、アマンダは帝都まで距離があると言いますし、今回はだいぶ歩いても辿り着いていない様子。前回の帝都との距離感だと遠くて1,2kmだったと思うのですが、今回は歩いても歩いても帝都が見えず…。この辺は描写が雑です。

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今回はOPで前回最後のおさらいと言うかそのまま再放送。OPを挟んだらもう既にクンクンを食べたようで、たくやがお墓を作っていました。しかし、ここも少し変で、森の中でクンクンのお墓を作っていたのですが、森があるなら食べられる野草や木の実もあるはず。砂漠の中のいわゆるオアシスです。ユーノとの砂漠越えの時もオアシスを見付けて助かったのに、ここでは水や食料のことに一切触れず。

 

アニメ的に砂漠にお墓を建てるのも変なので、しっかりした土に埋めるために森を出したのかと思うのですが、そのおかげでまたさらに辻褄が合わないことになっていました。

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原作であったアマンダとの言い争い、たくやが激高してアマンダを殴るシーンもありませんでした。人型の動物を食べる葛藤も薄かったです。少し悩んですぐ食べましたとなっていました。これまで信頼関係を築き、女性であるアマンダをグーで殴ってまで葛藤したシーンは全カットです。

 

そもそも、アニメだと同じようなことをユーノとの砂漠越えのラクダでやっています。これまで助けてくれた動物を食べるとの同じ主旨シーンです。これもやらなくて良かったのではないでしょうか。前に同じようなシーンが出ていて見ているだけに、視聴者としてはどうしてもその二番煎じ感が出てしまいます。『突然の展開』だから驚くのであって、前もって同じようなシーンをやっていたら驚きも半減です。

 

アニメの意図を考えると、人型をしていない動物のラクダの場合、たくやはさほど葛藤もなく、ユーノに食べてやろうと『勧める側』だったのに、人型となり愛着のあるペットだとそれを拒否して『勧められる側』になる。人間ってなんて勝手なのだろう…と言うことでしょうか。意図は分かるのですが、なればこそクンクンを食べるシーンでたくやが拒むシーンをしっかりとやるべきでした。

 

タブーに挑戦した作品だった

原作では人型のクンクンを食べるカニバリズムや娘との近親相●など、タブーとされることに挑戦した作品でもありました。作者がどこまで考えていたかは知るよしもありませんし、受け取り方はプレイヤーによって千差万別ですが、近親相●で言えば、『究極の愛とはなにか』もテーマであるように思います。愛は色々な形があります。男女間の愛もそうですし、時には同性間の愛、兄弟愛、親子愛。で、親子愛ってもしかしたら究極の愛の形なのでは…と。

 

カニバリズムでは、人は生死が掛かった状態で人を食べられるのか、食べても良いのか。これは私も大好きな映画の『生きてこそ』でも似たようなテーマでした。軽くストーリーを説明すると、飛行機事故で真冬の山中に放り出されたラグビーチーム一行が、食料もなく長期間救出されない間、死んでしまった仲間の人肉を食べてでも生き残ることを選択するべきなのか…。全くグロくはありませんし、メインテーマはカニバリズムではありません。タイトルの通り生き残るためのサバイバルですし、実話で面白いのでお勧めです。

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YU-NOはそれまでタブーとされていたことを描き、何が正しいのか何が間違っているのか。その時人はどう選択するのか。人間の身勝手さなどを描いていて面白かったです。

 

下ネタまだ入れるのね

今回もちょいちょい下ネタを入れてきましたね。原作だとこの頃には、胸や下着なんかをユーザーが任意にクリックしないと下ネタは出てこなかったと記憶しています。

 

アマンダで下ネタ。絵理子先生の講義でエマニュエル夫人だなんだで下ネタ。この辺りのYU-NOは世界の終末感が凄く、シリアス一辺倒で良いと思うんですけどね。成人ゲームが元ネタなのだから、無理にでも下ネタを入れなきゃと変な義務感が出ているように感じます。

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一方その頃収容所では

クンクンを食べて帝都に近付いたたくやとアマンダ。「あいつらは上手く脱出出来たかな…」と心配するたくや。ならガーゼルの塔からそのまま飛んでいず、一旦収容所に降りて一緒に戦えば良かったのにと思ってしまいます。しかも、アマンダはレジスタンスのリーダーです。レジスタンスの仲間であるデオとカーツが真下で今まさに戦っているのにそのまま飛んでいくなんておかしいですよね。

 

たくやが収容所のことを思い出しているその頃、デオやカーツたちの反乱が成功して看守達をふん縛って制圧。皆で仲良く砂漠を踏破して帝都に行くために出発。ラクダもいて収容所は倒壊していないので、食べ物も水も大量にあるでしょうし、そりゃそうだよね…と。普通に収容所で準備して行けばそりゃあ砂漠踏破出来ます。

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と、言うことは、たくやとアマンダを死ぬ思いで抱えて飛んだクンクンの努力ははどうなってしまうのでしょうか。一緒になりたいと言って死んだクンクンの犠牲はなんだったのでしょうか。

 

何故かたくやとアマンダは相談もせずにガーゼルの塔から帝都に向かって飛び始めましたが、その場に降りてデオとカーツたちと一緒に収容所から徒歩で帝都に行けば問題なかったのです。ストーリー構成や描写が雑すぎてビックリするくらい話がちぐはぐです。

 

原作だとクンクンを食べるしかなかった状況だったのですが、いたるところにクンクンを食べなくて良い選択肢があるので、クンクンを食べるシーンでも白けてしまいます。本来はこんなガバガバな話じゃなったんですけどね。

 

ところで、デオは「神帝が巫女の棺を取りに来る前にずらかる」と言っていましたし、神帝の側近は「巫女の棺を取りに行かせろ」と言っていました。このアニメの丁寧すぎるくらい、わかりやすすぎるくらい伏線を張る傾向を考えると、これはおそらくバズク再登場の伏線なのだと思います。前回、バズクは生きたまま巫女の棺に入ってしまい閉じ込められました。そして今回、しつこいくらい巫女の棺を取ってこい…ですからね。

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セーレスのことを久々に思い出したたくや

アマンダは帝都に行く途中、神帝は悪で儀式は神帝の狂言だと言っていました。そして、「お前の妻は神帝の狂言に利用されて殺されたんだ」と。ここで唇をかみしめるたくや。久々にたくやはセーレスのこと思い出しました。もう2度とセーレスの話は出てこないのかと思いました。覚えていたのですね。

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しかし、セーレスが殺された直後に神奈ちゃんのためにと決意して砂漠を越え、それ以来1度も思い出さなかったセーレスのことをアマンダに言われたからと言って突然思い出し、悔しそうにするたくやを見ても、正直「嘘くせえ」と思ってしまいます。ここまでのたくやの心の動きやなにかをする動機、その描写を見ているとセーレスのことは一切出てきませんでした。

 

神帝の自作自演だ。狂言だ。これもたくさん言及されていますね。原作ではアマンダからそれとなく聞いただけでそこまで強調されていませんでした。これもこのアニメ特有の『伏線強調』です。そこまであからさまにしなくて良いのに…。伏線ってそれとなく出すから伏線なのだと思います。ここまで神帝は悪だ、自作自演だ、狂言だと何回も言われると、このような物語を良く見たり読んだりしている方だと、経験から「ああ、じゃあこれ逆に神帝は悪じゃないし狂言でもないいんだなw」とわかってしまいます。この辺りがこれまで何回も書いてきた、伏線の張り方が下手だと思う理由です。

 

帝都に近付いたたくやとアマンダは近衛兵とすれ違い岩場に隠れてやり過ごすのですが、近辺にはボーダーにいた怪物の死骸がありました。これもアニオリなのですが、原作設定だとこれもおかしいです。ネタバレになるのでぼかしますが、怪物はボーダー付近にしか現れません。何故かと言うとそこに捨てられたからです。これは次回ででもわかると思います。なのに砂漠を越えて帝都近くにまで大量に来るのはおかしいです。

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この辺りはボーダーの怪物は数話前のことで、視聴者が忘れてしまっているかもしれないから、この辺で出して思い出させ、この先のネタばらしでもわかりやすいように…との配慮の気がします。これをこのアニメは本当に良くやります。

 

謎は謎のまま暫く寝かせておいて、視聴者が忘れた頃にいきなりネタばらし。「そんな伏線あったな!忘れてたー!」との驚き。このような突然点と点が繋がる伏線の回収が凄く下手です。これが上手かったのが私の大好きなシュタインズ・ゲートです。『全てのメールを取り消し世界線を元に戻したら、すっかり忘れてたけどあの人がとんでもないことに!」と。これは物凄く上手かったです。

 

最初の頃にしっかり伏線を提示し、その後ずっとその伏線は寝かせます。そして、その伏線を視聴者の意識の外へと追いやり忘れさせ、忘れた頃にドンッ!とその伏線をまた提示して回収しに来る。この展開は痺れるんです。これも本来YU-NOの魅力で、寧ろシュタゲよりもいっぱいあったんですけどね…。

 

ほぼ全部謎の解明を前倒しして少しずつやっているので、この意識の外へ伏線を追いやることが出来ていません。そのため、その後回収される伏線の『驚き』も半減どころか1/3、1/4になってしまいました。伏線の回収の上手さだとシュタゲは神懸かっているので、このようなお話が好きならお勧めします。最初の9話くらいまでは前振りなのでつまらなく感じる方もいると思いますが、そこまでは辛抱してください。

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前の記事にも書いているのですが、おそらくこのような謎を少しずつ説明していくスタイルは善意でやっているのだと思います。分かりづらい、難しい話を出来るだけ誰にでもわかるように、少しずつ謎をバラしていくとのやり方。この意図は分かりますし、善意なのもそうなのでしょう。良かれと思ってやっているのでしょう。しかし、このように伏線と回収をぬるくしてしまうと、後に襲ってくる『驚き』が本当になくなってしまうんです。これは後述する絵理子先生の正体、講義でもそうです。

 

良く言えば(誰にでもわかるので)視聴者に優しい造り。悪く言えば視聴者(の理解力)を馬鹿にした造りです。善意なのは分かるのですが、「君たちはこうしないとわからないよね?」と言う考えが根底に見て取れてしまいます。

 

神帝とユーノが動く

収容所陥落を知った神帝は近衛兵を派遣したり、レジスタンス弾圧に乗り出すのですが、その際に自らの志願してきたのがユーノでした。仮面をしていますがわかりますよね。取って付けた感はありますが、仮面を付けた改変は個人的にはアリです。何故かと言うと原作をやっていたときも、たくやがユーノに気付かないのはいくら成長して大人になったとは言えおかしいと違和感を覚えたからです。

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そんな中、帝都に到着したたくやとアマンダですが、ここで一旦分かれて後で落ち合うことに。この辺りは原作と同じです。1人で帝都を探索するたくや。原作での帝都でのたくやの目的は神帝に土下座させることだったので神帝探しです。しかし、アニメではこのとき何をしていたのかいまいち目的がハッキリしません。

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帝都は既に廃れていて食料も配給制になっているようです。原作ではもう帝都に人が二桁しかおらず、ここにも終末感が漂っていました。この帝都でたくやも食料を貰おうとするのですが、もう残りはないと断られてしまいます。しかし、カシラと呼ばれていた男の分を貰い、帝都にも良い人がいるなと。まあ、この辺りは悪者勢力にも良い人もいるってよくある描写ですね。

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たくやの手配書を見付け、近衛兵に見つかり追われるたくや。その時誰かに腕を引っ張られて匿われ…。匿ってくれたのは絵理子先生でした。アニメを見ている方は絵理子先生が異世界編に出てくるのは誰でも分かりますよね。現代編の早い段階で次元捜査官であることや、次元犯罪者を追っていることをネタばらししていましたから。

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絵理子先生再登場

本来、絵理子先生の異世界編での登場も、プレイヤーには予兆が全くなかったので飛び上がるくらいビックリした出来事でした。しかし、前述したように絵理子先生は特殊な人物であることが先にネタばらしされていたので、「やっぱりな」と言う感想になってしまいます。原作だと「えー!?お前かよ!」だったんです。この絵理子先生の登場は、原作とアニメで湧き上がる感情が全く違うことがおわかりいただけると思います。

 

このアニメはこのような驚きをとことん削ってしまいがちです。これはYU-NOのアニメで1番残念なことかもしれません。謎の前倒し、伏線の演出の下手さ、謎の解明をちょっとずつやることなどで、謎が解けた喜び、驚きが少なくなっています。

 

また、原作では現代編でやった絵理子先生の恋人アーベルのこと。アーベルが経験したこと。次元犯罪者のこと。それが龍造寺であること。ブリンダーの木のこと。これらはこの絵理子先生登場後の『講義』で一気にバババッとわかりました。しかし、これらのこと全てをこれまでちょっとずつ出してわかってしまっていたので、この講義でわかった新しいことはあまりありませんでした。

 

原作ではここで一気にわからなかった謎が解けて、「そういうことだったのかー!」とMMR的なリアクションになり、パズルのピースが急に填まりニヤニヤしました。しかし、アニメではそれまでの『おさらい』になっていました。ドラマで良くある「前回までのプリズンブレイクは~」から始まるあらすじ的なことに…。ここも随分テイストが変わりました。本来、絵理子先生の講義で謎が一気に氷解していく様は、このYU-NOと言う物語のある意味ハイライトだったと思います。

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さらに、現代編でアーベルのことや龍造寺のことなどほぼネタばらしは終わっていて、絵理子先生が知りすぎるとこの後良くない影響が出るからと、この記憶だけを消していた状態をこのとき戻していました。そのおかげで、ここでの畳み掛けるような講義はだいぶなりを潜めてしまいました。

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しかし、制作側としてはこれが狙いだったのでしょうね。『ここで一気にたたみかけるように情報を詰め込まれてもわからいでしょ?簡単に噛み砕いて表現してあげるよ』と。

 

難しいアニメがあっても良いじゃないですか。頭を悩ませるアニメがあっても良いじゃないですか。原作のゲームも誰にでもわかるような易しい話だったら多分売れていないですし、話題になっていないでしょうし、何よりも30年近く語り継がれていなかったと思います。難しいからこそ、一瞬でも見逃すまいと集中する類いのゲームでしたし、アニメもそうするべきだったと思います。話を易しくすれば良いのか、わかりやすくすれば皆が見るのかと思ったらそれは違うのではないでしょうか。

 

龍造寺は解放しないし神帝ともまだ会っていない

絵理子先生に講義を受け、龍造寺が次元犯罪者だと教えて貰っていましたが、龍造寺が拘束されていて、たくやが解放するシーンはありませんでした。また、絵理子先生の講義の前に神帝とも会うのですがこれもまだです。

 

原作だと龍造寺に会って話をし、解放してやるシーンと、神帝と対峙するシーンが絵理子先生に会う前にありました。絵理子先生に龍造寺が次元犯罪者だと聞く前だったので、そうとは知らずにたくやは解放してしまい、絵理子先生に真相を聞いて、「実はさっき…」となったのですが、龍造寺、神帝関連はどうするのでしょう。

 

400年周期説は正しかった

絵理子先生の講義によると、事象の流れを模したブリンダーの木を作ったところ、このデラ=グラントは400年ごとに同じ(ような)歴史を繰り返しているとか。たくやの父親である有馬広大の400年周期説は正しかったことがここで証明されました。学会ではこの異端な学説と、師匠の学説に異を唱えたことから学会を干されたのですが、正しかったのは父親でしたね。

 

この400年周期説…つまり、もうすぐ何かとんでもないことがこの世界に起こると言う『終末感』がまるでアニメでは表現出来ていません。その大きな理由は、やはり群発地震が起こっていないことが挙げられます。たくやがこのデラ=グラントに来た時からずっと小さい地震は起こっていました。セーレスが近衛兵に襲われたシーンでも、たくやが家に戻ったのは地震が起きて心配だからでした。収容所でもしょっちゅう小さな地震が起こっており、全壊した時なんて大地震でした。帝都に来ても地震が起こっていました。これらのことで、なにかこの世界に異変が起こっているのではないか…とたくやもプレイヤーも感じることが出来ました。しかし、アニメでは地震が1度も起こっていません。

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収容所の脱獄劇を描きたいから地震が邪魔だったのでしょうか。しかし、脱獄劇を描くにしても、たまに地震が起きた描写を入れることは出来たはず。何故地震を削ったのかいまいちわかりません。地震がないおかげで、デラ=グラントはこれまでの様子となんら変わらない普通の世界になってしまっています。この辺り、デラ=グラントの深刻な状況が描けていないのも致命的だと思います。いたるところの描写が下手だったり薄味だったり淡泊になっています。

 

最後に絵理子先生にたくやが「君はやるべきことがあるだろう」と言っていましたが、アニメのたくやの『今やるべきこと』ってなんなのでしょう。原作だとここはユーノの手掛かりがないので、セーレスを殺した神帝を土下座させることでした。しかし、アニメは帝都に行く目的は神奈のためにリフレクターデバイスを取り戻しに行くことだったので、それなのでしょうか。この辺り動機がブレていてよくわからないのでモヤモヤします。

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レジスタンスと合流

絵理子先生の講義を受けた後、たくやはレジスタンスと合流するため酒場へ入り、合い言葉の「ノガルドの涙をショットで3杯くれ」と言って地下室へ案内してもらいます。しかし、神帝のスパイだと疑われたたくやは羽交い締めにあい…。そこで現れたのがデオとカーツです。

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デオとカーツはピンピンしており、やはり砂漠を余裕で越えられたのね…と。たくやが帝都に入ってから酒場へ行くまで日数がそれほどたっていた様子もなかったので、下手をしたらクンクンに飛んで貰うより、収容所からラクダを使い、食料や水を用意していったデオとカーツの方が早くて簡単に砂漠を踏破したことになります。ますますクンクンに無理して飛んでもらい、あまつさえクンクンを食べた理由がなくなってしまいました。

 

この辺は作っていておかしいと思わないのでしょうか。監督1人の構想だとしても、周りで「ここはおかしくないですか?」と言える人はいないのでしょうか。遊びで作っているわけではなく、数千万円から数億円が動くプロジェクトなのに不思議です。

 

ここではすぐにアマンダとも再会。皆でレジスタンスのポーズをやっていたのですが…やはりダサいです。これをシリアスなシーンで決めポーズのようにやられてもちょっと笑ってしまいます。

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このシリアス感のなさは異世界編になってから特に気になります。絵柄がシリアスに向いていないのか、表情が抜けているのか、そういう描写が得意ではないのか…。シュタゲはこういうシリアスだったり陰鬱な描写上手かったです。このアニメはシリアスな描写でもちょっと笑っちゃうくらいシリアス感がありません。

 

新たな巫女が決まったとの情報

レジスタンスと合流したたくやですが、アマンダから巫女の後継者が決まったとの情報を聞きます。前巫女の血縁とのことで、すぐにユーノだとピンときます。そのユーノはレジスタンス粛正に動いているようで、レジスタンスの別アジトはユーノの指揮によって全滅させられたとか。仮面をしているので仮面の女と呼ばれており、レジスタンスの仲間も震え上がっていました。

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そんな中、レジスタンスは明日城に乗り込むとか。そこで前夜、たくやは首輪をヤスリで外すことに成功。何故か首輪の中に超念石がありポロッとこぼれ、「これであとはリフレクターデバイスを手に入れれば神奈ちゃんを助けられる!」と。やはり神奈を救う目的が1番大きいようです。

 

まん丸のリフレクターデバイスに填めるのにちょうど良い超念石が首輪の中にあったことに理由は、おそらくあの首輪に超念石が入っているので、収容所を脱走するとガーゼルの塔から雷が落ちるシステムだってことなのだと思います。

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現代編の三角山は砂浜から超念石を運びだそうとすると雷に打たれました。異世界編の収容所では巫女の棺(超念石入り)を運び出す時にはガーゼルの塔を止めていました。つまり、三角山(=ガーゼルの塔)は超念石を運び出そうとすると雷に打たれるシステムなので、囚人に付けた首輪に超念石が入っていると言うことは、脱走しようとしたら雷に打たれるとのシステムですね。

 

アマンダと…

作戦前夜にたくやの部屋にアマンダが訪ねてきて、ベッドシーンに突入。実際の最中のシーンは当然カットですが、アニメではたくやと寝たとハッキリ描写があったのはこのアマンダだけとなりました。正妻のセーレスでも直接的描写はなく、現代編でも誰一人とそのようなシーンはなかったのに…です。

 

原作を忘れてYU-NOのアニメを見ると、ベッドシーンがアマンダだけですし、アマンダがヒロインに見えます。少なくとも異世界編ではアマンダがヒロインで、現代編では神奈がヒロインにしか見えません。タイトルはYU-NOなのに…。

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原作ではアマンダはこんなに存在感はありませんでした。収容所に突然放り込まれ、たくやと苦楽をともにして砂漠を越え、その途中に男女の仲になり帝都に一緒に行く。この程度でした。それほど重要とは思えなかったキャラが、実は現代編でたくやとあんな繋がり方をしていたと言う、ある種ミスリードのような物も感心した記憶があります。超重要な人物でありながら、それを敢えて感じさせない異世界編での描き方です。

 

原作ではハッキリとあの子の母親と言う描写もありませんでした。それまでの話や状況、積み上げられてきた『状況証拠』を考えると、「そういうことか」とプレイヤーが分かったんです。これはこれで、プレイヤーがしっかり話を追っていればわかることで、明確には描写されていない答えをプレイヤーが導き出した達成感がありました。しかし、このアニメの謎を易しくする傾向からすると、ハッキリこの辺り描写されるのでしょうね。

 

レジスタンスとして城に潜入

作戦当日、たくやたちレジスタンスは近衛兵の格好をして城に忍び込みます。アマンダは地上から、たくや、デオ、カーツは地下通路から。この地下通路は原作で迷ったあの地下通路でしょうか。だとすると、このあと開かない扉を開けたら龍造寺に会うのでしょうか。

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たくやたちは地下通路の扉が開かずに苦労していましたが、たくやが懐からダイナマイトのような物を取り出していました。レジスタンスが持っていたのでしょうか。わざわざダイナマイトを描写したと言うことは、この後何かしらで使うのでしょう。

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そこに現れたのは仮面の女、もといユーノです。ここでたくやとユーノはチャンバラしており、そこで仮面が取れた際にすぐにユーノだと気付いていました。ユーノだと気付く改変は前述もしましたがアリです。原作では親なのに娘に全く気付かないのは変だと思いましたからね。ただ、原作だとここではユーノに気付かずたくやは逃走。その後、龍造寺が拘束しているところを見付け、神帝の情報と引き換えに龍造寺を解放。そして神帝、ユーノに会う流れだったのですが、このアニメの展開だとこの辺り思い切り話が変わりそうです。

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ユーノはたくやの呼びかけに反応していましたが、反応した理由はクンクンのバンダナでした、クンクンのバンダナを腕に巻いていて、それを見たユーノがなにかを思い出しそうに…との流れ。これは大事な物から記憶を呼び起こさせるとのよくあるネタなのですが悪くないです。

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総評

そうだろうとは思っていたのですが、今回の話でやはりクンクンを食べる理由が全くないことがわかりました。もっと言えば、クンクンに無理して飛んで貰う状況ですらなかったことが補強されてしまいました。すぐに降りて収容所の仲間と一緒にラクダを使って食料も水も用意して脱出すれば良かっただけです。

 

本来、原作だとクンクンを食べるのは状況から見て仕方がなく、『食べて生きるか』、『食べずに死ぬか』の究極の選択でした。ところが、アニメでは至る所にクンクンを食べなくて良いよねという話があり、クンクンが食べられた理由がなくなってしまいました。そのため、クンクンが犠牲になったことがまるで無駄に…。話がおかしすぎてなんの感慨もないシーンへと変貌してしまいました。

 

絵理子先生の講義も、原作に比べてだいぶ薄味になってしまいました。まあ、確かにここは物凄い情報量なので、アニメでそのまま描写するのを躊躇う気持ちはわかります。ただ、もう少し上手くやって欲しかったと言うのが本音です。具体的にはこのアニメの病気みたいなものなのですが、謎の解明を早い段階からちょっとずつやるのはもう少し抑えて欲しかったです。全くするなとは言いません。ゲームの文章を自由な速さで読める状況と、アニメのどんどん情報が流れていく状況では違うのですから。ただ、逆にアニメはアニメでゲームで出来なかったような、それこそ動きながらアニメーションで説明することも出来るはず。

 

今回の絵理子先生の講義はそれこそ1話丸々使っても良かったのではないでしょうか。それくらい原作では濃いシーンでした。それをゲームと同じように、絵理子先生の喋りだけ数分で収めようと思ったら無理が出るに決まっています。

 

次回気になる点としては、たくやは龍造寺と会っていない、解放しておらず、神帝とも会っていないので、この辺りどう改編して整合性保つのかなと言うこと。龍造寺の語りも絵理子先生の講義と同じくらい重要で、ラスボスに主人公との対話で自分のことを語らせると言うユニークなシーンです。

 

龍造寺目線からのこの世界や多次元世界の解説も面白いんです。ただ、今回の話を見る限り、たくやが拘束されている龍造寺を見付けても解放する理由はないわけで…どうするのでしょうか。

 

こんな人にお勧め

  • タイムトラベル、タイムリープものが好きな人
  • 異世界ものが好きな人
  • 壮大な話が好きな人

 

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