目次
あらすじ
1987年04月08日放送。
教育実習の願書を出し遅れた五代君は、音無老人に相談して、響子さんが通っていた、そして惣一郎さんが講師をしていた女子高にねじ込んで貰い、教育実習を開始するのでした。
新オープニングと新エンディング
今回からオープニング、エンディング共に新しくなりました。
第3期の特徴
さて、暗黒期とも言える第2期がやっと終わりまして、遂に第3期に突入です。
第3期は、非常にわかりやすく一言で片付きます。そうです八神の話です。
終盤まで原作漫画2話でアニメ1話という構成で基本的に進んでいきます。こういったバランスの良い構成なので、話の詰め込みすぎもなく、またすかすかな間をアニメオリジナルで埋めるという引き延ばしもなく、非常にテンポが良く、見ていて楽しいシーズンとなっています。
また、これまでのドタバタコメディを踏襲しつつ、八神が引っ掻き回すことにより、響子さんが自分自身で気付いていなかった、五代君への気持ちに気付いたり、響子さんと五代君の距離が近付いたりするので、動きがほとんどなかった、響子さんと五代君の関係性が動くパートでもあります。結果的に八神は良いアシスト役となったわけです。
八神が五代君と響子さんの距離や気持ちを動かし、話が「前進」するので、初期の「お祭りのような楽しい毎日が永遠に続くような日常」は、ここで完全に消失します。1話1話確実に話が動き、そして前進していきます。これはストーリーアニメ、恋愛アニメでは正しいことなのですが、どこが悲しいような気もしますね。あの楽しい毎日をずっと見ていたい気持ちもありました。
ただ逆にこの第3期からは、「お祭りのような楽しい毎日が永遠に続くような日常」が消失した代わりに、「続きが気になる」と言う新しい要素が加わることになります。
これまでは日常ドタバタコメディだったので、ストーリーの続きが気になると言うよりは、その話単発で面白かったわけです。しかしこれからはストーリーアニメとして変貌を遂げるので、次はどうなるんだろうかと、続きが楽しみになるんですね。
音無老人のコネと惣一郎さんの顔
音無老人が五代君をコネで、自分が理事をやっている女子高に、教育実習生としてねじ込んでいましたが、やっぱり世の中はコネですよ…。不正や犯罪は勿論駄目ですが、常識の範囲内であれば、利用できるコネがあるなら利用すれば良いんです。
この教育実習生のエピソードでは、ちょくちょく女子高生時代の響子さんが、響子さんの思い出として出てくるので、女子高生の時の響子さんがどんなだったのか、惣一郎さんとどうやって近付いていったかがわかるんです。
また恒例ですが、惣一郎さんの写真は破れていたので、五代君と視聴者はまたしても惣一郎さんの顔を見ることができませんでした。視聴者が惣一郎さんに余り嫉妬しないと言うのも、実は顔が分からないと言う点も大きいですね。顔が分かってその人物が具体的になってしまうと、もしかしたら惣一郎さんとの関係を具体的に想像してしまって、少し嫌になってしまうかも知れません。結果的には、最後まで惣一郎さんの顔を視聴者が見られなくて正解でした。
ああ八神の勘違い
八神が五代君を好きになる切っ掛けは、結局壮大な勘違いだったんです。最後まで八神はその勘違いに気付きませんでしたが。…いやもしかしたら気付いていたのかも?同じ高校に響子さんが通っていたのを知っている訳ですし、案外気付いていても、もう後戻りできないくらい五代君を好きになってしまっていたのかも知れません。
五代君は前日一刻館住人のどんちゃん騒ぎに付き合わされ徹夜で寝不足。惣一郎さんの顔を見ようと思ったらまた見られず。欠伸をして涙が出てしまう。こっそり 見ようと思ったので八神に秘密にしてくれと頼む。これらの偶然が重なり、八神の中では、「恋人がここの卒業生で、それを未だに引きずっているから影があるんだ!私が支えてあげないと!」との勘違いで五代君を好きになってしまいました。更に加えて、響子さんというライバルがいることも八神の心に火を付けてしまいましたね。
残念なカット部分
この第3期からは基本的に原作漫画に忠実なのですが、少しはカットや改変があります。今回も原作漫画好きからすると、「これを見たいのに!」と言うカットがいくつかありました。私が見たかったのは以下の二つ。
原作漫画だと、最初に五代君に惚れたのが、友人のマリ子だったのですが、そこはアニメで改変されていました。八神が五代君を好きになったので、そのマリ子に「好きじゃないなら私が取るよ」と言おうと思った矢先に、そのマリ子は他の教生に惚れてしまいました。単なるほれっぽい子だったと言う。
この心変わり、五代君を好きになるスイッチ入るわかりやすい所好きでしたし、八神のこの「…いいわけね」の表情や目が何とも言えなく好きでした。アニメでも見たかった。
いつもの一刻館住人
五代君の家を訪ねてきた女子高生4人組みでしたが、四谷さんはじめ、一刻館住人はいつもと全く変わりませんでした。
四谷さんは初対面の女子高生4人を目の前にして、穴の中から出てきて、双眼鏡で覗くと言う、いつも通りの変態行動。
一の瀬さん、朱美さんもお酒を持って歓待すると言う全くいつも通りの行動。凄すぎです。一刻館。
まだまだ余裕の響子さん
この頃の響子さんは、八神に対して余裕綽々でした。この余裕の態度はのちにムキになる響子さんと対比すると実に面白く、感情の変化を良く表すことになります。作者の高橋留美子さんは、のちの響子さんが際立つように考えていたんでしょうね。
八神の大胆さと純粋さ
もうこの1話で、八神の大胆さと純粋さが表現されています。そしてめぞん一刻特有の勘違いぶりもですが…。
五代君のシャツにハートマークを付ける伝統。五代君の家に押し掛ける積極性。そしてライバルの存在に逆に燃えたりもして、実に行動的で大胆で積極的です。
また、一度思い込んだら突っ走る猪突猛進なところも、裏を返せば純粋なんです。このあと色々八神の話は出てきますが、八神は五代君以外に目もくれないんです。あの男の子一寸良いかななんてことも一切ありませんし、女子高という舞台のせいもありますが、男の影すら見えません。
本来、ヒロインのライバルキャラとは、邪魔で鬱陶しく嫌われる運命にあるのですが、この八神は特異な存在で、ライバルキャラ、お邪魔キャラでありながら嫌う要素が無いんです。
それは先ほども書いた通り、他の男に目もくれない純粋さも一因ですが、八神の行動原理は100%五代君のためなんです。だからこそ五代君と響子さんも結局いつも嫌えない、邪険にできなかったんです。そしてそれを見ている視聴者もそうなんです。
原作漫画では
テンポが素晴らしく良い
原作漫画2話をTVアニメ1話にしているとは言え、物凄くテンポが良く、30分たつのがあっと言う間でした。前々回のアニメオリジナル、三越さんの話とはまるで別のアニメのようです。
八神編は本当に見ていてただただ楽しいです。話がどんどん転がり、テンポ良く進むので、本当に時間が短く感じられるんです。めぞん一刻の真骨頂はここからと言っても過言では無いでしょう。
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