ストーリー
動物(競走馬)と人間が普通に会話できるという世界観、ストーリーがオリジナリティあって非常に面白かったです。
絵柄
素っ裸の客ばかりだったり、何かというと鼻水が出ていたりと、絵柄は馬鹿なギャグ漫画の典型です。
絵や表情の表現にはかなり独特の物があって、拒否感を示す人がいると思いますが、下手というのとは違うと思います。
笑える
ギャグがベースにあるので笑わそうとしています。まあ基本ジャンプコミックの子供向けですから、声を出して笑うような所はほとんどありませんが。
泣ける
所々に泣けるエピソードがあって、ギャグの絵柄や世界観と違って結構「来ます」
迫力
馬の絵柄や、競ってる絵には迫力ありますよね。画力は結構あるかと。
感動
感動エピソードはポイントポイントに散りばめられています。もうちょっと脇役を掘り下げて欲しかった気はしますが。
やみつき
第一部は一気に読んじゃいました。二部は…ちょっとクオリティ落ちたかなと。繰り返し読む気になったかというと、ちょっと難しいかも。
総評
暇だったのでたまたま読んだのですが、予想に反して非常に面白かったです。
アニメは昔TVでやっていたのを少し見た記憶はあるのですが、一生懸命見ていたわけでも、毎回見逃さずに見ていたわけでも無いので、マキバオーに関しては、実質この漫画が初めてちゃんと接した機会になるのかなと。
アニメでたまに見ていたときも、変な絵とは裏腹にシリアスなストーリーや感動ストーリーがあって、結構面白いなとは思っていました。だからこそたまたまとは言え読んでみようと思ったんですけどね。
ちなみに私は競馬なんてさっぱり分かりません。もっとハッキリ言えば興味すらありません。そんなスタンスの私が読んでも面白かったので、競馬を知っているかどうか、興味があるかどうかは、この漫画を読む際には全く関係ないと思います。
さて内容の方ですが、第一部の国内編までは本当に面白かったのですが、第二部の海外編はちょっと蛇足だったかなあと…。
第一部は純粋にカスケードというライバルとの争い、国内での切磋琢磨、実在のレースに沿ってステップアップしていく様がわかりやすかったのですが、第二部の海外編では、本漫画オリジナルの複雑怪奇なレースというか大会というか…まあ要はサッカーのW杯をモチーフにした国別対抗戦をやるのですが、目標はなんなのか、ライバルは誰なのかがぼやけてしまっていますし、一レースごとの重要性がかなり下がってしまって、「これは負けられない」という緊張感がなくなってしまいました。
以下ネタバレが含まれるので、未読な人は気をつけて下さい。
最終回もなんか…ねえ。
マキバオー骨折。三年間時間が飛んで、七歳になっての三年ぶり意地の復帰戦。マキバオーのこういう悲惨な姿、年を取った姿は見たくなかったです。しかも最終回に…。最終回なので、マキバオーが辛い姿だけが強く印象に残ってしまいました。
この手の何かと戦う漫画は、ジャンプの王道で笑いのネタにされがちですが、「俺たちの戦いはこれからも続く!」でも良かったんじゃないでしょうか。第一部完の段階では、正にこのパターンだったので、ここで終わっても良かったと思うんですよね。
と、まあ第二部に関しては注文も多くなってしまいましたが、これも第一部が非常に面白かったからその裏返しです。ちなみに第二部は、14巻から16巻までの3巻のみですのでご安心を。
その面白かった第一部は、絶対的ライバルのカスケード、その前に立ちはだかる数々のライバル、そのライバルが友人へ。次々と襲ってくる苦悩と挫折。それを乗り越える努力。漫画で面白いと思える要素やエピソードが、非常にバランス良く散りばめられ、テンポ良く話が進むので、読みやすくわかりやすい漫画でした。
競馬に興味が無い、全く知らない私でも、マキバオーが実在のレースを順に追ってステップアップしていくので、国内のレースに関しては少しばかり知識がつきました。
私はこれを読み終わって競馬をやってみよう、知ってみようとは思わなかったのですが、それって競馬という題材云々ではなく、純粋に漫画が面白かったってことですよね。そう言う意味で、純粋に漫画として楽しめる作品だと思います。
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