目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1987年1月22日号
アニメでは
時系列とでき事
- 1986年10月6日 五代裕作、朱美さんとの仲をこずえちゃんに疑われる
この頃のでき事
- 1月1日 - 中国・北京の天安門広場で学生数百人がデモ。
- 1月5日 - 日産自動車がパイクカーの「Be-1」を期間限定で発売。
- 1月17日 - 日本初の女性エイズ患者を神戸市内で確認、同女性は確認3日後に死亡するも、100人以上の男性と性交渉していたことが明らかになり、同市を中心に「エイズ・パニック」が広がる。
- 1月21日 - 『タイガーマスク』、『あしたのジョー』などで知られる、漫画原作者の梶原一騎が死去。
- 1月27日 - 関西国際空港着工。
あらすじ
一刻館に新しい管理人が就任したと聞き、心配して様子を見に行く響子さん。管理人業務に追われ、響子さんをなかなか迎えに行けない五代君ですが、キャバレーでのバイト中、朱美さんにお金が足りなくなったからと呼び出され迎えに行くのですが…。
みどころ
- 五代君が朱美さんとの仲をこずえちゃんに疑われる
はじめに
今回はこずえちゃんに決定的瞬間を目撃され、実質五代君がこずえちゃんに振られてしまう原因の話です。五代君とこずえちゃんの関係も、五代君と響子さんの関係に負けず劣らず特殊な関係のため、どちらが振ったとか振られたでは語れないんですけどね。そしてここから朱美さんが引っ掻き回します…。
朱美さんの冗談
お父さんが勝手に音無老人に管理人引退の意向を伝えてしまったため、一刻館に新しい管理人が就任し、自分の居場所が無くなると焦る響子さん。当然その原因を作ったお父さんには厳しく当たります。お父さんは一瞥されただけで震え上がっていました。
響子さんは一刻館の様子を伺いに行くのですが、その途中寄った茶々丸で一刻館住人に遭遇。この茶々丸は一刻館の次に重要な場所になっていますね。一刻館がめぞん一刻主な舞台であるのは当然なのですが、その次に良く出てくる舞台が茶々丸です。誤解を誘発させたり、増大させたり、はたまた逆に解決の場になったり。
その茶々丸で、その後起きる重大なでき事の伏線がありました。朱美さんは、いつまでたってもくっつかない五代君と響子さんの関係、そしてあくまで五代君とこずえちゃんとの関係に平気な振りをする響子さんに苛つき…。
普通、これは冗談だとわかるのですが、朱美さんの性格もあって冗談に聞こえません。この朱美さんの性格とは、こういう悪い冗談を平気で言ってしまう部分と、その悪い冗談を冗談として実行してしまうことです。これは読んでいて、「まさかな…でも朱美さんならやりかねない」と読者は思ったはず。めぞん一刻の場合、こういった一言のセリフが、のちの話の展開で重要な意味を持ってくることも多いので、ここまで読んだ読者なら、この一言がこの場面だけで終わるとは思えないんですよね。
管理人は五代君
新しい管理人が就任してしまうと、自分の帰る場所が無くなると青ざめる響子さんですが、一刻館の様子をそっと隠れて見ると、わかりやすい管理人風スタイルで玄関を掃除している五代君が。いやあ…五代君のスタイルわかりやすいです。ザ・管理人って感じです。このわかりやすさ、そして二階堂に管理人形をせっつかれる様子。一瞬で響子さんは、管理人が五代君だったこと理解し、安心して帰ってしまいました。
朱美さんは五代君のことが好き?
これはめぞん一刻ファンの間ではまことしやかに囁かれる話ではありますが、朱美さんは五代君のことを好きだったのではとの疑問。めぞん一刻開始当初から、五代君を(見方を変えると)可愛がっていたり、憎まれ口の中にもどこか優しさがあったりと、五代君にもしかしたら好意を持っていたのではと思わせるシーンがちらほらありました。とは言っても、本気で愛しているとか、そういった感情とはまた違う気がしますけどね。駄目な弟と過去に表現していましたが、ずっとそんな感じなんですかね。
こずえちゃんに目撃される
そして最後に…こずえちゃんに五代君と朱美さんの決定的瞬間を見られてしまいました。更に悪いことに、五代君が知り合いに会うとまずいからと渋っている会話まで聞かれてしまい、これが更にこずえちゃん側から見ると、五代君と朱美さんはやっちゃった、だからこそあんなに知り合いに会うのを嫌がっていたんだととなってしまったのでしょう。
今まで5年ほどこずえちゃんと仲良くし、五代君が何をやっても、何を言っても別れられなかったのに、たまたま朱美さんに呼び出されたところを目撃されて別れることになるミラクル。いやあ…別れるって簡単なんですね。
別れるので一番手っ取り早いのは嫌われることだと言われますが、それを地でやってしまいました。こずえちゃんんは天然、ねんね、、鈍いと三拍子揃ったキャラなので、「何を言っても伝わらない、別れられない」事が、五代君とこずえちゃんの面白さのひとつにもなっていたので、ここまでわかりやすいシチュエーションを作らないと別れられなかったのでしょう。これだけ散々鈍くて何を言っても別れられない話をこずえちゃんで作ってきたので、いざとなってじゃあどうやって別れる話を作るかでは結構悩んだでしょうね。
しかし朱美さんは五代君とこずえちゃんが親密なのを知っていて、それでもこの状況で普通に挨拶できるメンタルは…。
総評
今回、終盤までずっと響子さんが新管理人を心配する話だったのですが、突然最後にこずえちゃんが出てきて、五代君と朱美さんの決定的瞬間を目撃する話になったのにはビックリしました。ここまでしばらくこずえちゃんの話は出てこず、忘れた頃にいきなりこれですからね。
朱美さんの発言は響子さんだけに関係する話かと思いきや、まさかこずえちゃんにまで関係するとは…。この、響子さん→朱美さん→こずえちゃんと全てが緩やかに繋がっている感じが面白いです。
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