漫画全話レビュー「めぞん一刻 第137話「迎えうち」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1986年8月18日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1986年7月 五代裕作、三鷹さんと決闘未遂

 

この頃の出来事
  • 8月15日 – 新自由クラブが解散。田川誠一を除く衆参議員は自民党に合流。
  • 8月25日 – 日産自動車が「テラノ」を発売。
  • 8月27日 – 梅田事件で、釧路地方裁判所は再審無罪の判決。

 

あらすじ

三鷹さんと決闘をすることになった五代君。決闘場所を探すもなかなか適当な場所が見つかりません。そうこうしているうちに警官に目を付けられ、なし崩しで決闘は流れてしまい、五代君が明日保母試験だと知って三鷹さんは呆れるのですが…。

 

みどころ

  • 五代君と三鷹さんの決闘
  • 響子さんのビンタ

 

はじめに

今回は五代君と三鷹さんの決闘回ですね。結局決闘は未遂に終わりそのまま解散しましたが、初めて五代君と三鷹さんがここまで敵意を持って相対した話でした。

 

決闘なので、真剣な話になるかと思いきや、そのほとんどは滑稽な笑いを随所に入れたコメディ回でもありました。ここで真面目に2人が殴り合って…なんて話はめぞん一刻ではありませんからね。めぞん一刻の枠内で2人の対決をどう描くのか、決着を付けさせるのか、そしてオチを付けるのか、結構難問だと思うのですが、こう言ったシリアスな話になるはずの回でも、きちんとめぞん一刻なんです。その辺は読み返して注目すると、バランスの良さやめぞん一刻の世界を逸脱しない話になっているのは感心します。

 

めぞん一刻であること

前述もしましたが、ここは決闘がテーマであり、長年響子さんを取り合ってきた男二人の決着を付ける話なので、真面目1本笑い無しでもアリだったんです。ところが、決闘場所を探してもカップルがいちゃつく公園だったり、人の良い警官に見つかって追い掛けられたり、気付けば初期のめぞん一刻のような滑稽な話が展開されていました。めぞん一刻ってこれなんですよね。どんな真面目な話でもクスッと笑える要素が入っている。この絶妙のバランスがたまらないのですが、まさか長年のライバルが直接対決をする話でも、ここまで崩してくるとは思いませんでした。

 

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もうちょっと笑いを少なくしても良い気がするのですが、テーマが長年のライバルの決闘とシリアスに振り切っているので、余計に笑いを入れたのでしょう。この辺り作者がバランスを取ろうとしているのが見て取れます。このような意味でも、シリアス一辺倒で笑いが一切無い「桜迷路」は異質でしたね。この後出てくるプロポーズやお婆ちゃんの指輪回でも、所々に笑いがあるのですが、桜迷路だけは別作品のようでした。

 

 

呆れる三鷹さん

決闘する場所が無いこと、人の良い警官に目を付けられ追い掛け回されたこと。これらのことですっかり決闘の雰囲気では無くなった2人は、道端で自販機の酒を飲むのですが、ここで五代君の保母試験が明日だと知った三鷹さんは呆れ返り解散となりました。この切っ掛けが人の良い警官です。屋台に忘れてきた保母試験の参考書を五代君に届けたことで三鷹さんは知りました。警官は決闘を止めるだけではなく、もうひとつこんな役割もしていたんですね。

 

響子さんと三鷹さんのお見合いの時も、太郎は五代君を見合い会場へ呼び寄せるだけの役割かと思ったら、庭に出て行ったことを知らせる役割もありました。ひとつの役割だけで、それが終わったらもうお役御免かと思いきや、実はもう1個役割がありましたなんてのもめぞん一刻ではたまにありますね。

 

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お酒から話が変わる

このとき五代君も三鷹さんもお酒を飲んでしまったのですが、これがのちの話に影響を及ぼしてしまいました。

 

五代君は明日保母試験なので、食事を用意して待っていた響子さんに、大事な試験日前にお酒を飲んでふらふらしていると思われビンタ。三鷹さんは五代君が帰った後も、前後不覚まで飲んでしまって明日菜さんと…ね。いやあお酒は怖いですね。

 

おわりに

今回、最後に響子さんが時計坂駅まで五代君を迎えに来ていましたが、もはや誰がどう見ても管理人と店子の関係では無いですよね。五代君の試験前に一刻館住人に静かにするように怒鳴りつけ、頑張ってもらうために豪華な食事を用意し、そして雨が降ったら迎えに来る。それだけに試験前日にお酒を飲んでふらふらしている五代君に腹が立ったのでしょう。

 

少しここで注目したいのは、響子さんが迎えに来たと前述しましたが、絵を見ると五代君の傘を持っていないんですよ。普通、雨で人を迎えに行くときは、自分は傘を差しながら、その人の分の傘も別に持って行くのですが、この響子さんは自分の傘だけを差しており、五代君の傘は持っていません。五代君とひとつの傘に入って帰ることを考えていたとは、このときのイライラしていた響子さんの心理状況からは考えづらく…。恐らく待ちくたびれてイライラ、なにやってんのと怒ることを前提に駅へ向かったんでしょうね。

 

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