目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1985年1月30日号
アニメでは
時系列とでき事
- 1985年1月 五代裕作、三友商事の面接に間に合わず
この頃のでき事
- 1月1日 - シェル石油と昭和石油が合併し、商号を昭和シェル石油に変更。石油業界再編の先駆けとなる。
- 1月1日 - 改正国籍法が施行され、それまでは基本的に夫婦別姓であった国際結婚の際に外国姓への改姓(同姓)が可能になる。
- 1月9日 - 北九州モノレールの小倉線(平和通駅 - 企救丘駅間)が開業。
- 1月9日 - 現在の両国国技館が完成。
- 1月15日 - 第55代横綱・北の湖が引退を表明。32回の大鵬に次ぐ(当時)幕内最高優勝24回の功績を称え、大鵬に続き2例目の一代年寄「北の湖」を襲名。
- 1月20日 - ロナルド・レーガンがアメリカ合衆国大統領の2期目の任期開始。
- 1月21日 - ソニーがビデオカメラ「CCD-V8」を発売。
- 1月31日 - 首相の中曽根康弘が防衛費GNP比1%枠突破の可能性を言及、衆議院予算委員会が混乱状態に。
あらすじ
三友商事の人事部長にコネができたと浮かれる五代君。一方八神部長は娘をだしにコネを作ろうとしたと激怒。そんな三友商事の面接日、五代君は道で倒れている妊婦を見付け救急車を呼ぶのですが、その妊婦の旦那と間違われ救急車に乗せられてしまいます。
みどころ
- 流される五代君
- 怒る八神部長
はじめに
今回は五代君がコネができたと思い、自信ありで望む三友商事面接の話です。また、それぞれが思うことが違う点でも興味深く、ある意味五代君、響子さん、八神、八神部長全てが少しずつ勘違いして言動がずれるめぞん一刻らしい話です。
コネが裏目に
前回、八神は父親の三友商事人事部長と五代君のコネを作ろうとしたのですが、八神部長が酔っ払っており、全く五代君のことを覚えていないことで失敗。それどころか、話だけ聞いた八神部長は、娘を利用してコネを作ろうとした卑怯な男と激怒。一方五代君はこのことを知らないので、コネ作りが上手く行ったと思い軽くウキウキ。八神はこの現実を知ってはいるものの五代君には言えず。そして響子さんは八神の態度から何か悪いことがあったことを察するも、こちらも五代君に言えず。
めぞん一刻は勘違い、すれ違いでできていると言うことは何回も書いてきたのですが、その勘違いすれ違いをわかりやすく滑稽に描くのが今までのパターンだったのですが、実は今回も地味でわかりづらいのですが、この勘違い、すれ違いのパターンです。八神編からは五代君の就職エピソードが絡んでくるので、話が重くなることもあります。その場合、今までのような明るいお馬鹿な勘違い、すれ違いと表現することは難しいのですが、このように表には見えにくい勘違い、すれ違いは健在です。
安産祈願
八神は学校をサボって五代君に会いに行くのですが、途中神社に寄り何故か安産祈願のお守りを購入。五代君に渡すように響子さんへ言伝するのですが…。
この辺りは面白く描かれてはいるのですが、学校をサボって五代君に会いに行く、心配しに行くと言うのは、やはり八神本気で五代君のこと好きなんですね。八神は優等生の委員長なので、いくら活発とは言え、中々学校をサボるような子ではないでしょう。また、ここは響子さんも察しが良く、八神の態度からどうも良い話ではないと理解し、八神から預かった物を翌日渡す気遣いを見せていました。
流されるにも程がある
こんな状況の五代君ですが、五代君は八神人事部長に気に入られたと内心は自信がある様子。三友商事の面接へ急ぐ五代君は、少しでも早く面接会場へ到着しようと、予定とは違う道をとっさに選んで裏通りへと入ってしまいます。ここが人生の重要な分岐点になろうとは…。
近道で裏通りを選んだ五代君は、産気付いている妊婦を見付け救急車を呼び、そのままあとは救急車に任せ立ち去ろうとするのですが、1人で不安な妊婦は、なんと救急隊員の前で五代君を「あなた」と呼び、わざと夫と勘違いさせ、そして夫と勘違いした救急隊員は五代君を無理矢理救急車に乗せてしまいます。
漫画なのはわかっているのですが、これは最低の気が…。この妊婦さん、人の人生を思い切り変えちゃいましたよ…。ただ、五代君も一言「違います!」と言えばいいだけなのに、それを言えなかったのもいけないんですよね…。それすらハッキリ言えない優柔不断な五代君の性格が良く表れています。これまでの五代君の優柔不断でモジモジした性格を見ている読者からすれば、この状況ではそうなるんだろうなと妙に納得してしまいます。つまり、それだけ五代君のキャラがこれまで良く作り上げられてきたとも言えます。そして、更にこれに対して誰にも怒らない五代君も良く性格が表れています。
面接に間に合わず
結局五代君はこのトラブルに巻き込まれ、三友商事の面接に間に合わずすっぽかすことになってしまいました。行ったところで八神部長は怒り心頭で、絶対に落とされたのですが、五代君視点で見ると、コネ作りが上手く行き、受かる可能性高しと思っていたので痛恨のミスです。
しかしなぜ間に合わなかったのかの根本を見ると、少しでも早く面接会場に着こうとして裏通りに入ったからなんですよね。ただ道を1本変えただけで人生が変わってしまいました。まさに分岐点です。実際の人生でもこのようなことはあるのでしょうね。近道をしようとしたから事故った。1本飛行機を遅らせたから助かった。私たちは神目線で見ることができないので気付きませんが、こんなことは至る所で今現在も起こっているのでしょう。
総評
今回は五代君の大本命、三友商事の面接へ行けない話でした。面接へ行って失敗ではなく、行くことすらできませんでした。もし行っていたらどうなっていたのでしょうか。八神部長は激怒しているので、面接時に「コネを作ってまで~」なんて言われることは間違いなく、そこで五代君は上手いこと言い訳できたかどうか…。できないでしょうね。この場では間違いなく落とされていたでしょう。ただ、めぞん一刻のパターンだと、その後誤解が解け、余計に見直されるはずなのでそこでどうなるか。早い段階で気付けば面接には出ているので採用となるか、はたまた子会社へ紹介するか。
この辺りのめぞん一刻ifのゲームがあったら本当にやってみたいです。五代君の人生を自分の思い通りに動かしたい…。
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