漫画全話レビュー「めぞん一刻 第121話「陽だまりの告白」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1986年2月28日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1986年2-3月 五代裕作、仕事に行く振りをする

 

この頃の出来事
  • 2月1日 – 東京都中野区の中学生がいじめを原因に自殺、教師も葬式ごっこに加わっていた(中野富士見中学いじめ自殺事件)。
  • 2月6日 – トヨタ自動車が「スープラ」を発売。
  • 2月13日 – 大阪府藤井寺市で日本最古と見られる旧石器時代の竪穴式住居跡が発見される(発見現場がプロ野球選手・梨田昌孝の自宅建設予定地であり、3月19日に「はさみ山遺跡梨田地点」と命名)。
  • 2月21日 – 泉重千代が120歳で死去。これにより、江戸時代以前に生まれた人物がいなくなる。なお、泉は105歳没の明治生まれとの異論があり、2012年版ギネス世界記録は公認を取り消した。
  • 2月24日 – 三洋電機の井植薫社長が前年12月の石油ファンヒーター事故の責任を取り辞任し、後任に井植敏副社長が昇格。
  • 2月24日 – 日産自動車が「RZ-1」を発売。
  • 2月25日 – フィリピンのマルコス大統領が国外脱出、アキノ大統領が就任。(エドサ革命)

 

あらすじ

先日、しいの実保育園をクビになった五代君。響子さんに本当のことを言おうと思っても中々言い出せません。真実を知らない響子さんは、五代君のお婆ちゃんからの電話で思い立ち、お弁当を持たせるのですが…。

 

 

みどころ

  • クビになったことを言い出せない五代君

 

はじめに

前回に引き続き辛さマックスのお話ですね…。しいの実保育園をクビになった五代君は、響子さんにそのことを言おうとするのですが、中々言い出せません。響子さんは響子さんで、保育園で頑張る五代君を応援しようと、お弁当を作って持たせてくれるので余計に…ね。しかしこの辺りは辛い話が続きますね。

 

言い出せない五代君

しいの実保育園をクビになった五代君は、当然朝早くいつものように出掛ける必要も無いのですが、いつまでも起きてこない五代君を心配し、起こしに来てくれる響子さんに本当のことが言えません。

 

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しかしよく考えればこれって凄いことで、本来管理人の響子さんと店子の五代君の関係のはずなのですが、五代君の起きる時間を把握し、その時間を過ぎても起きてこない状況を把握し、そして心配してわざわざ起こしに来ると言うね…。お互い好きと言ったわけでも、付き合っているわけでもないのに、本当に不思議な関係です。

 

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仕事に行く振りをする五代君

保育園をクビになったことを言い出せない五代君は、響子さんの勘違いも手伝い、仕事に行く振りをしてしまいます。そして1度これをやってしまうとね…。次もその次もしなければならなくなり…。仕事をクビになったことを言い出せず行く振りをし、公園でお昼を食べるとの描写は、漫画やドラマでも定番で、定番過ぎてもはや陳腐化してしまいましたね。

 

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バブル景気は、このあと同年1986年12月から始まるのですが、実際に一般の人が好景気を実感したのは、1988年頃からだと言われています。また、バブルが始まる前は、今程では無いにしても不景気だったようで、このバブル直前の不景気の煽りを受けたのが、しいの実保育園であり五代君だったのでしょう。今思えば、五代君は正式に保育園に就職した直後にバブル景気が始まったわけですが、五代君もバブル景気の恩恵受けたんでしょうかね。三鷹、九条家は…バブルがはじけたあとほんの少し嫌な予感がしますが…。

 

 

就職活動再び

しいの実保育園をクビになった五代君は、再び就職活動を始めるのですが、やはり無資格の五代君では中々厳しい様子。そんな中、音無老人が響子さん経由で中学の非常勤講師のバイトの話を持ってきたのですが、保育園のバイトをしていて、保父を目指していると思っている響子さんは消極的な返事をしてしまい、五代君が知った頃には時既に遅し。他の人に決まっていました。この様子を見ていた響子さんは、保父の仕事に五代君が迷っていると思い、五代君を励ますのですが、これが余計にプレッシャーになり、言い出せないことに…。

 

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そして最後は公園で涙を流しながらのお弁当です…。いやあ…きついです…。身につまされます。

 

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ちなみに、今回のサブタイトル「陽だまりの告白」ですが、響子さんにクビになったことを告白したのではなく、公園の陽だまりで、見知らぬお婆ちゃんにクビになりましたと告白した事から来ていました。サブタイトルから考え、響子さんにクビになったことを告白するのかな~と予想させておいて肩透かしのパターン。このパターンもめぞん一刻はたまにやります。

 

おわりに

前回の本採用になるかも知れないとの話から、一転してクビになり、そして期待してくれている響子さんにそのことを言い出せず、お弁当を公園で食べると言う…。前回とは打って変わり、不幸のどん底になってしまいました。めぞん一刻はこうやって天国から地獄に落とすの好きですね。

 

この頃は本当に辛い話ばかりで、読んでいても笑えることは少なくなってしまったのですが、逆に「次はどうなるんだろう」、「早く五代君復活してくれ!」と思い、ページをめくる手が止まりませんでした。文字だけで五代君の状況を書くと辛さがマックスで、この状況を読んでいて何が面白いんだと思われるかも知れませんが、この頃も面白かったんですよねえ。

 

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