漫画全話レビュー「めぞん一刻 第018話「キャンパス・ドール」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1981年11月15日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1981年晩秋 五代裕作の通う大学大学祭に音無響子が行く

 

この頃の出来事
  • 11月1日 – アンティグア・バーブーダがイギリスから独立。
  • 11月1日 – 新潟市に新潟県立自然科学館が開館。
  • 11月2日 – 永谷園が「麻婆春雨」を発売。
  • 11月5日 – ロッキード事件の裁判で国際興業創業者の小佐野賢治に懲役1年の実刑判決。
  • 11月11日 – 本田技研工業が「シティ」を発売。
  • 11月13日 – 沖縄本島の与那覇岳でヤンバルクイナが発見される。
  • 11月26日 – 池袋駅西口再開発のため、池袋ターミナルホテルが設立される。
  • 11月29日 – 映画「ブレインストーム」の撮影中のボートの転覆事故により、ナタリー・ウッドが43歳で水死。
  • 11月30日 – 鈴木改造内閣発足。

 

あらすじ

五代君の通う大学の大学祭に響子さんがやってきます。五代君の所属する人形劇部の演劇を見る響子さん。帰ろうとしたところで、用事で抜けてしまう人形劇部員の代わりに、響子さんが参加することになります。五代君は密着する響子さんに気を取られ、人形劇もそぞろになってしまい…。

 

 

みどころ

  • 坂本の名前初登場

 

はじめに

今回のお話も第16話「桃色電話」と同じく初期ではお気に入りの回です。また、この話はめぞん一刻のBlu-ray化の歳に、BOXのパッケージデザインになった話でもあります。それくらい人気でいい話だってことです。

 

 

 

坂本の名前初出

これまでちょくちょく坂本は出ていたのですが、今回坂本との名前がハッキリと初めて出ていました。しかもそれは五代君との絡みの最中ではなく、響子さんに自己紹介するときでした。

 

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響子さん1人で大学祭へ

アニメでは響子さんだけではなく、四谷さん、朱美さん、一の瀬さんと、一刻館住人も大学祭に遊びに来ていたのですが、漫画では響子さん1人でした。

 

アニメの方はおそらく単純な理由で時間稼ぎです。この話は、単純に漫画1話22ページをアニメ30分にしたので、なにかしら足さないと時間が埋まらなかったんです。実際、アニメではストーリーと全く関係ないチンドン屋のような大学祭の様子を暫く見せるような演出もあり、時間を使うことに苦労していたことが窺えます。

 

このエピソードは実にシンプルで、響子さんが大学祭へ行く、人形劇を見る、参加する、終わりですからね。引き延ばす要素があまりないんです。そこで一刻館の面々を連れて行ったんでしょう。

 

五代君は響子さんが好き

五代君は響子さんが好きです。…こんなことは当たり前なのですが、今回の場合、五代君が作った人形が響子さんに似ていたりと、こういう細かいところで響子さんのことが好きだとの思いが響子さんにじわじわ伝わっていくんです。このボディーブローのようなアピールが最終的に効いたんじゃないかなと…。

 

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響子さんは惣一郎さんのような野暮ったい男性に惹かれるような女性なので、三鷹さんのストレートなアタックより、こう言ったじれったいアプローチの方がおそらく好きです。それにこれだけ日常の至る所に響子さん好きのメッセージを入れてこられたら、どんな人でも悪い気はしないのかなと。一歩間違うとストーカーと言われそうではありますが…。

 

響子さんは真面目

響子さんは根が真面目なので、今回も人形劇の役割を任されたら、その役割を全力でこなそうとしていました。そして周りが見えず、五代君と密着。五代君は気もそぞろで人形劇は無茶苦茶に…。しかし結局そのカオスぶりが子供に受けていました。

 

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またしても最後はお洒落

桃色電話の話と同じく、またしても今回のオチはお洒落でした。

 

結果的にウケたとは言え、人形劇が本来の姿とは変わり、台無しにしてしまったことを響子さんに謝るシーンでは、五代君が作った王子様(願望で五代君に似せたもの)とお姫様(願望で響子さんに似せたもの)を、五代君と響子さんが一刻館の側で取り出して、その人形を介してお互いがやり取り。この発想がたまりません。

 

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おわりに

桃色電話、そしてこのキャンパス・ドールと、もの凄く「上手い話」が続きます。初めて読んだときは、この辺りで完全にめぞん一刻の虜になっていました。

 

お祭りが毎日続くようなドタバタコメディ、勘違い、すれ違い、響子さんと接近してはリセットされるテンプレ、お洒落なオチ、いい話。この辺りでめぞん一刻の作風は完成したと思います。話の展開的にはこれで完成だと思うのですが、登場人物や作風が固定したことにより、今後は会話の面白さにどんどん磨きが掛かっていきます。

 

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