今回レビューするのは、めぞん一刻の第14話です。
思うところがあり、今回アニメ全話レビューの大幅な加筆修正に着手します。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
先の展開のネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。
目次
あらすじ
響子さんが管理人に就任して1年。一刻館住人は歓迎パーティーを開催しようとするのですが、それを知らない五代君は自分が響子さんを誘おうと意気込みます。先に誘った五代君はOKを貰ったのですが、待ち合わせ場所のま・めぞんと豆蔵で勘違いが起きてしまい…。
みどころ
- いつまでも待つ五代君
- 調子に乗る五代君
- 流されなかった響子さん
初登場人物
- なし
感想
月謝をくれと言い出せない五代君
サブタイトル前にはアニオリで郁子ちゃんの家庭教師をしている様子がありました。郁子ちゃんは初期こそ出番が多かったのですが、その後あまり出てこなくなります。この辺りで郁子ちゃんを出し、きちんと家庭教師のバイトをしている様子を描くのは良かったです。
今回は初めて郁子ちゃんがまともに勉強していました。しかし、五代君は『今日は月謝がもらえる日』と頭がいっぱい。帰りぎわに郁子ちゃんの母が月謝をくれることを期待して暫く待つのですが、すっかり忘れているようで、「あら、まだいらんですか?」と言われる始末。あきらめて五代君は帰宅の途へ…。一言言えば良いだけなのに、お金のことなのでなかなか言い出せない五代君。性格が良く現れていて良かったです。
しょんぼりしながら帰宅しているところに現れたのは郁子ちゃん。走って月謝を持って来てくれました。郁子ちゃんは以前出てきたよりだいぶ大人っぽく描かれていました。今回の作画監督は、可愛く幼い絵でわかりやすい音無竜之介さんなのですが、それでも郁子ちゃんは成長していたことが分かりました。響子さんなんかは凄く幼く見えるんですけどね。
管理人就任一周年
今回で響子さんが管理人に就任して1年たちました。アニメだと放送開始から3ヶ月とちょっとしかたっていませんが、以前も書いたように、原作の漫画では現実の時間と同じように作中の時間を進めており、さらに連載誌のビックコミックスピリッツは連載当初月刊誌だったので、このような時間の進み方になりました。この話を連載中のときは隔週誌になっており、このあと週刊誌になるので、段々作中の時間の刻み方も細かくなっていきます。
管理人1周年を祝おうとする勢力は2つありました。1つは最初に誘った五代君。もう1つはあとに誘った五代君以外の一刻館住人です。
五代君は庭で洗濯物をする響子さんを喫茶店の『ま・めぞん』に誘います。しかし、響子さんはそれを聞き間違え、居酒屋の『豆蔵』と受け取ってしまいます。ちなみに、この豆蔵は五代君が本命の大学受験で、試験が難しすぎてこりゃアカンと思って途中退席して逃げ出し、昼飯を食べていたところ、響子さんとバッタリ会ったあのお店です。
五代君は響子さんを誘うとき、縁側で横になっている響子さんを見て、つい足を触りそうになっていました。胸を揉んでビンタされたりしているのに、この頃の五代君は凝りません。逆に言うとこの頃の五代君は、このようなちょっとゲスな性格で一貫していました。響子さんは起きていたので、もしこのとき触っていたらまたとんでもないことになっていたはず。
あっさりOKが出た
ドキドキしながら響子さんをデートに誘う五代君。しかし、響子さんはなんの迷いもなくすぐOKしていました。このときはまだ住人にパーティーに誘われて折らず、今夜の予定がなにもなかったからです。
五代君は響子さんにOKされたあと、姿が見えなくなってから「やった、やった」と喜んでいましたが、響子さんには丸聞こえでした。笑いながら響子さんは「聞こえてるんだけどな」と言っていましたが、これはアニオリで、漫画では響子さんには聞こえていませんでした。
このときのこれをデートとカウントして良いのか迷います。漫画でもアニメでも実質デートしていませんからね…。このあと五代君と響子さんがデートをするのは、響子さんがお婆ちゃんに頼まれた回だけです。これをデートにカウントしなければ、作中五代君と響子さんがデートをしたのはその時の1回だけとなり、これを含めたとしても2回だけです。
一刻館の住人もパーティーは開催
響子さんにOKをもらって喜ぶ五代君ですが、そのすぐあと玄関先で一の瀬さんに呼び止められ、今夜飲もうと誘われます。しかし、ついさっき響子さんとデートの約束をした五代君は、一の瀬さんの話も聞かずにダメですの一点張り。
このとき一の瀬さんは、『皆で管理人就任1周年パーティーを開くからあんたもおいで』と言おうとしていたのですが言わせてもらえず。五代君はこんなことがあるとはわからずじまいいでしたし、一の瀬さんは五代君が管理人さんの就任1周年記念パーティーを断る冷たい奴と思ってしまいました。
6時から豆蔵
テニスクラブに出ている響子さんと一の瀬さん。一の瀬さんは管理人就任1周年パーティーに響子さんを誘うのですが、既に五代君との予定が入っていた響子さんは行けないと断ることに…。しかし、主役が響子さんなので、なんとか5時半からでも豆蔵に出られないかと説得。
響子さんは五代君との待ち合わせは6時に豆蔵だと思っているので、それなら同じ場所と時間だし…とのことで5時半から出ることを了承。一応五代君とのデートなので、言ったからかわれると思ったのか、五代君に気を使ってか、五代君と待ち合わせしていることを伏せていました。
響子さんは5時30分から30分間豆蔵で一刻館住人のパーティーに出て、その後五代君が来たら他の店へ行くつもりだったようです。ただ、仮に豆蔵で待ち合わせだったとして、一刻館住人が五代君と響子さんを解放してくれるとは思えませんが…。オモチャにされてからかわれて、拘束されるに決まっています。
一の瀬さんとの一連の会話はテニスクラブでのことだったので、これを聞いていた三鷹さんも強引に参加することになりました。しかし、『今夜あんた主役のパーティー開くからおいで』と言うのも急な話です。五代君も一の瀬さんもせめて2,3日前に誘えばこんなことにならなかったのに…。
初登場の時と同じ服
管理人室で服を選ぶ響子さんですが、管理人1周年とのことで、1年前に初めて会ったときと同じ服を選んでいました。このことに気付いたのは五代君だけでした。豆蔵に入ったときは一の瀬さんたちも気付かず。
服を選んでいるとき、五代君との待ち合わせ場所が居酒屋だったことにちょっと不満を漏らしていました。店がどうこうではなく、このように住人のパーティーとバッティングしてしまうのだから、もっと気の利いた場所にすれば良いのに…と。
豆蔵でパーティー開催
取り敢えず5時30分から住人の開催する豆蔵でのパーティーへ出る響子さん。一の瀬さんなどに、響子さんを振るなんて酷い男だねと言われ、アニメでは「酷いわ五代さん!」と怒りをあらわにしていました。漫画だと「五代さんは絶対来ます!」と五代君を信頼しているセリフでした。アニメでは響子さんの性格は漫画に比べてマイルドになっているのですが、ここは珍しくアニメの方がキツイ響子さんでした。
つい口に五代君の名前を出たしまったため、待ち合わせしている人が住人や三鷹さんにバレてしまいました。漫画だとこの前に三鷹さんがデートなのに居酒屋で待ち合わせとは珍しいと言われるのですが、アニメではこのあとに言っていました。これでは三鷹さんが五代君をアシストしたことになってしまい、ちょっと三鷹さんの立ち位置がおかしなことに…。ちなみに、間違いを推理してま・めぞんじゃないかと言い当てたのは朱美さんでした。
五代君の性格を良く表した言葉
1人待ちぼうけを食らう五代君ですが、そのセリフが実に五代君の性格を良く表しているなあと感心しました。
五代「7時まで待ってこなかったら…8時まで待とう…」
この一言だけで五代君が優しいことや気の長いこと、そして響子さんをいかに好きかがわかります。
五代君は響子さんが出席する5時30分からの住人のパーティーに行くさらに前に、ま・めぞんに「少し早いけど…」と言ってに入っていました。5時20分にま・めぞんに到着したとして、響子さんが来た7時過ぎまで、約2時間待っていたことになります。しかし、2時間くらい待ったのは漫画での話で、アニメではさらに長い時間待ったことに…。これは後述します。
アニオリで複雑なことに…
漫画では豆蔵から急いで来た響子さんがそのまま五代君と会えるのですが、アニオリで坂本とこずえちゃんを出して尺稼ぎしていました。
- パチンコで勝って機嫌良く歩いている坂本は喫茶店に1人でいるこずえちゃんを目撃
- 響子さんがま・めぞんに到着するも、五代君はたまたまトイレに行っていてすれ違いで会えず
- その隙に坂本がま・めぞんで五代君を発見して、彼女(こずえちゃん)が別の喫茶店にいると教える
- 五代君が坂本の言う喫茶店へ飛び出していく
- 響子さんが五代君が居た場所へ戻ってきて坂本に会う
- 坂本は響子さんに五代君はこずえちゃんとデートだと教える
- 響子さんは私が遅れたから乗り換えたのねと怒る
- 響子さんはやけっぱちで坂本を元いた豆蔵へ飲みに誘う
- 響子さんは豆蔵に戻って怒っている
- こずえちゃんが女友達と偶然豆蔵に来る
- こずえちゃんと話して坂本の言っていたことは間違いだと気付く
- 響子さんはまた豆蔵を飛び出してま・めぞんへ行く
- ま・めぞんで五代君と会える
1から12までアニオリです。今回の話は漫画の第17話だけなので、それだけでは尺が余ってしまったのでしょう。苦肉の策で豆蔵とま・めぞんを行ったり来たりして尺を稼いでいました。
このあたりアニメでは複雑になってしまったので、シンプルな会話やすれ違いが魅力のめぞん一刻とは少し離れてしまい、正直どうかなとは思うのですが、結果として主要登場人物が全員1周年のこの回に登場したのは良かったところです。漫画だと坂本とこずえちゃんに出番はありませんでした。また、最初に郁子ちゃんが出たことにより、本当に主要キャラを全部この回で出しました。
今回の林原めぐみ
今回も林原めぐみさんが登場。こずえちゃんが女友達と偶然豆蔵に来たのですが、その時いた先頭の髪の長い子です。
響子さんの時計
豆蔵でこずえちゃんと出会い、坂本の言っていることが間違いだと気付いた響子さんは、慌ててま・めぞんへ向かうのですが、このとき見ていた響子さんの時計は9時20分頃を指していました。
漫画だと「7時まで待ってこなかったら…8時まで待とう…」と言った途端に響子さんが来たので、おそらく8時に近い7時台に来たと思われます。漫画だと2時間ちょっと待ったのでしょう。
アニメでは前述したように、アニオリのすれ違いがだいぶ入り、なおかつ響子さんの時計が9時20分頃を指していました。そのことから考えると、アニメで響子さんがま・めぞんに来て五代君と会えたのは9時30分くらいだと思われます。つまり、五代君はアニメだと4時間ほど待っていたことになります。漫画でも2時間くらい待ったので十分気が長いと思ったのですが、アニメではそれ以上でした。
響子さんは3時間も待たせてしまって…と泣くのですが、五代君は6時よりもっと前から来ていたので、待っていたのは4時間くらいなんです。
仕方なく肩を抱かれることを許す響子さん
外では雨が降っていたので相合い傘になる五代君と響子さん。五代君は思いきって響子さんの肩を抱き、それがなぜか許されてしまい…。響子さんの心の中で、「あれだけ遅れてしまったんだから仕方がない」とのこと。五代君はそんな響子さんの心の声を知るよしもないので喜ぶのですが、『仕方がない』と思われているのは少し悲しいです。
アニメでは豆蔵で会ったあとそのまま一刻館に帰宅していました。その途中、これも帰宅途中だった一刻館住人と出会い、相合い傘を横取りされた五代君はムスッとし…。漫画だと雨は降っていませんでしたし、ま・めぞんのあとに響子さんが忘れたバッグを取りに豆蔵に戻っていました。
今回に関しては響子さんに否があるので、なんとか五代君の怒りを収めようとしたところ、調子に乗った五代君が響子さんにキスをしようとし、さすがにそこまでは…と怒った響子さんがビンタ。初期にありがちな、調子に乗った五代君が痛い目を見て終わりというオチでした。ドラえもんの道具で調子に乗り、最後に痛い目を見るのび太みたいです。
原作漫画では
総評
今回は響子さんと初デート…言って良いのか微妙ですが、そんなことになりかけた話でした。めぞん一刻はすれ違いと会話の妙が魅力なのですが、そのすれ違いが待ち合わせで出会えないとのダイレクトなわかりやすい話…だったのですが、アニオリで豆蔵とま・めぞんを行ったり来たりしたことにより複雑になってしまい、わかりやすい漫画の魅力が損なわれてしまった部分もあります。
響子さんは流されやすいと以前自省していましたが、今回はさすがに流されませんでした。雰囲気だけで流されるような人ではないようです。しかし、初期の五代君はビンタされまくりますね。
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