目次
全体のあらすじ
平凡な高校生である泉新一は、ある日突然飛来してきた「パラサイト」の襲撃を受ける。間一髪で脳への寄生は免れるが、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活が始まることに―。周囲に真実を話すことができず悩んでいた新一だが、やがて新一とミギーは友情に近いものを感じるようになっていく。
しかし、新一とミギーの前には他のパラサイトが現れ始め、次々に人を殺し、また人がパラサイトを殺す事態に発展。新一の同級生・里美にも危険が迫る。その中で、高校教師として目の前に現れた田宮良子らパラサイトたちにもそれぞれの価値観が生まれ始める。 「われわれはなぜ生まれてきたのか?」
地球を壊し続ける人間たちを淘汰するために生まれてきたというパラサイトたち。そのパラサイトを殺し、生き延びようとする人間たち。「果たして生き残るべきはどちらなのか?」それでも、地球を、そして愛する人を守らなければいけない。ゆらぐ価値観の中で、新一とミギーはパラサイトとの戦いに身を投じていく。
今回のあらすじ
警察と特殊部隊の共闘による広川率いるパラサイト掃討作戦がついに幕を開けた!山岸率いる特殊部隊は、特殊なセンサーを使用し、混乱が起きつつも確実にパラサイト達を追い詰めていく。だが人間側の勝利に終わるかに見えた戦況は、ある1匹のパラサイトの手によって覆ろうとしていた・・・。
原作漫画だと
- 第53話 「口火」
- 第54話 「制圧」
- 第55話 「寄生獣」途中まで
サブタイトルの元ネタ
サブタイトルは書籍名から取っているのですが、今回はこちら。
原作漫画との違い
後藤を取り囲む人数が10人から5人に変更されていた。
これ以外は特に目立った変更点は無かったように思います。最近は原作に忠実です。
気になるところ
やはりどうしてもこのアニメは手抜き感、適当感が透けて見えてしまいます…。一つは何回かこの寄生獣の全話レビューでも書いたように時間経過、季節の矛盾。
新一が寄生されたのが秋から冬にかけてで、おそらく10月~11月です。そして田村亮子が赴任し、解任され、妊娠し出産。これだけのでき事が10月か11月から、年明けまでの間に起こっています。更に言えば、殺人鬼Aが学校に侵入し大量殺人を犯し、その後島田秀夫が転校してきて殺人鬼と化した事件。広川市長が立候補し当選。そして田宮玲子の死。これらが全てたったの3、4ヶ月の間に起こっているんです。しかもそのことについて整合性を取る気もさらさらなく開き直っているように見えます。
また、BGMも合っていないことも多く、今回もありましたが、シリアスなシーンやバトルシーンですら、軽妙アナアップテンポで踊り出したくなるようなBGMとのミスマッチ。いつもここでずっこけてしまいます。
更に、今回後藤を取り囲む人数が原作漫画の10人から5人に変更になっていましたし、市役所を制圧する特殊部隊の隊員はほぼ全員フルフェイスのマスクを被っていました。時間経過やBGMの適当さを見ているので、どうもこれも手抜きに見えてしまいます。アニメ制作が時間との闘いで大変だとは知っているのですが、どうにもこうにも…。
最初は伝説的な漫画のアニメ化なので、アニメはアニメで別個な物で楽しもうと思っていましたし、実際にアニメは別物としてそこそこ楽しめると思っていたのですが、手抜き感がもの凄く目に付くようになってきて残念です。
人間と化け物の違いとは?
愚痴が多くなってしまいましたが、今回の話についてですが、人間を殺して食べるパラサイトと言う化け物、連続殺人犯の浦上、特殊部隊の隊長の山岸。この3人の立ち位置が面白い話でした。
人間を殺して食べるパラサイトは勿論人間から見たら化け物なわけですが、果たして躊躇無く誤射で人間を殺して平然としている山岸は「人間」なんでしょうか。また、パラサイトと殺人鬼の浦上の差は。殺人鬼浦上と職務だと正当化して平然と人を殺す山岸の差は。この辺の「化け物とは」とのテーマが盛り込まれた回でした。どの立場から見るか、理由はなんなのか。見方によっては正義の味方にもなり、殺人鬼にもなり、化け物にもなるんですね。
寄生獣はパラサイトに同情的な見方をする描写も多く、逆に浦上や山岸のように人間を化け物のように描くことも多く、この辺の「化け物とは何か?」、「人間の立場から見たエゴでは?」とのテーマを一貫して投げかけています。
新一の出番はなし
今回の話では、新一はほぼ出て来ず、物語にも全くと言っていいほど絡んできませんでした。
この寄生獣のテーマは、人間の存在意義や、立場によって変わる正義などなので、主人公だけが戦えば良いって話でもありませんからね。こうやって、人間社会vsパラサイトの状況がどうなっているのかやるのも重要なんです。
関連リンク
この記事と関係のある商品