アニメ全話レビュー「寄生獣 セイの格率 第12話 「こころ」」 評価はまだありません

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全体のあらすじ

平凡な高校生である泉新一は、ある日突然飛来してきた「パラサイト」の襲撃を受ける。間一髪で脳への寄生は免れるが、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活が始まることに―。周囲に真実を話すことができず悩んでいた新一だが、やがて新一とミギーは友情に近いものを感じるようになっていく。

 

しかし、新一とミギーの前には他のパラサイトが現れ始め、次々に人を殺し、また人がパラサイトを殺す事態に発展。新一の同級生・里美にも危険が迫る。その中で、高校教師として目の前に現れた田宮良子らパラサイトたちにもそれぞれの価値観が生まれ始める。 「われわれはなぜ生まれてきたのか?」

 

地球を壊し続ける人間たちを淘汰するために生まれてきたというパラサイトたち。そのパラサイトを殺し、生き延びようとする人間たち。「果たして生き残るべきはどちらなのか?」それでも、地球を、そして愛する人を守らなければいけない。ゆらぐ価値観の中で、新一とミギーはパラサイトとの戦いに身を投じていく。

 

今回のあらすじ

加奈の特殊な能力は日に日にその力を増していく。これ以上ほうっておくことは彼女自身の身に危険が及ぶかもしれないと考えた新一は、加奈にパラサイトのことを全て打ち明ける。加奈を助けたい新一・・・。嘘をつき、はぐらかされていると思い込む加奈・・・二人の気持ちはすれ違う。

 

原作漫画だと

  • 第29話「加奈」
  • 第30話「超能力」
  • 第31話「赤い涙」

 

サブタイトルの元ネタ

サブタイトルは書籍名から取っているのですが、今回はこちら。

 

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原作漫画との違い

ちょっと今回は気になる原作漫画からの改変がありました。

 

  • 新一が王子様の夢を再度見るシーン
  • 加奈が「私のこと嫌いならそう言えば良いのに」と思って、それを言われそうになって言葉を遮るシーン
  • 新一と会うため家を出るとき、以前引っこ抜いた新一の髪の毛を指に巻くシーン

 

 

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物凄く細かいですし、個人的な好みなのですが、この加奈の「自分を嫌いと言わないで」と焦るシーン好きだったんですよね。不良娘で気が強く積極的な加奈なのですが、いざ新一から自分を離れさせるために、もしかしたら「嫌いだからこれ以上近付くな」と言われるかもしれない。それに焦りまくって言葉を遮る。この加奈のギャップが好きだったのですが、カットされてしまって残念です。

 

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それともう一つ。加奈が以前新一の髪の毛を引っこ抜いて、それを大事に取っておいて、これにも違和感があったのですが、今回はそれを指に巻いていました。う~ん…。加奈はあくまで少女趣味のキャラじゃないんですけどね。少女チックな夢を見て、それに赤面する訳ですから、本来加奈は少女趣味とは逆なんです。壁に「新一  加奈」と書きかけて、こんな事バカみたいと、途中でやめるのもそう言う意図だと思いますし、アニメでは髪の毛を大事に取っておいたり、指に巻いたりってのには違和感を感じました。

 

アニメ制作には制作の事情があるは理解できるのですが、アニメを作る側が「自分の色」を出したがるのはもう古今東西お約束なんですよね。これはアニメに限らず実写のドラマや映画でもそうです。ただ原作漫画をトレースするだけではつまらないって事も大きいと思います。サッカーの監督でも、これまでの積み上げを無視して、自分の色を前面に出しすぎて失敗なんてのも、何回も見てきました。

 

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それと今回、原作漫画では携帯電話が無いからこその連絡が取れないすれ違いの話だったのですが、携帯電話を家に置いてくるって事で、すれ違いを再現していました。携帯電話を置いてくる理由は、「私は新一をテレパシーで見付けられるのだから、携帯電話なんていらない」ってことでしょう。筋は通ります。

 

作画崩壊?

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今回のアニメは所々作画崩壊していたかも…。顔がおかしいところがありました。

 

広川市長当選

前回、パラサイトが市長に立候補していましたが、今回当選の様子をやっていました。

 

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今回、主要キャラだった加奈が死に、パラサイトが政治に介入できるようになり、警察もまた色々動いていることを示唆していましたし、話しの構成的にはこれで第一部完ってところですね。だからこその特殊エンディングでした。

 

耳を貸さない加奈

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アニメだけ見ていると、加奈は新一の忠告に全く聞く耳を持たず、ある意味馬鹿な自滅に見えてしまいます。前段でも書きましたが、原作漫画だと、ちゃんと自分を振ろうとしてる(かもしれない)新一が言うデマだと思い込んで、それに反発している描写が丁寧にあったんです。これがなくなってしまったので、加奈の自業自得や自滅に見えてしまい、少し加奈が不憫です。

 

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それにしても加奈は今までビンビン死亡フラグ連発していました。パラサイトが発する信号に不用意に何回も近付き、新一の忠告を無視し、信号まで発し…。これで死ななかったら驚きってほど死亡フラグを連発していました。ところでこの寄生獣の連載当時は、死亡フラグなんて言葉は無かったです。元々フラグが立つって言葉は、プログラムで分岐判定に数値の「1」を入れることから、棒が立っているように見えることから「フラグが立つ」って比喩ですからね。昔はそんなにコンピューターが普及していなかったので、フラグとの言葉自体一般に知られておらず、そこに死亡を足す言葉なんてありませんでした。

 

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しかし今回地上波アニメでは珍しく、ハッキリえぐり出した心臓を描いていましたね。こんな規制云々に注目しなきゃいけない見方も、なんか変だなと違和感を感じますが。

 

ミギーは加奈に秘密を明かすことを了承していましたが、どう言う腹づもりだったんでしょうね。余り役に立つとは思えませんが、宇田さんみたいに味方にするつもりだったんでしょうか。ミギーのあの冷徹な口調を見ると、もしかしたら新一に納得したと思わせて、いざその場になったら殺していたかも知れません。

 

以前、ミギーは新一が母親のパラサイトに胸を貫かれたとき、自分の細胞で補って砂糖水を飲ませたりしながら救助したので、今回の加奈も何とか…と思われるかも知れませんが、ミギーが「駄目だ出血が多すぎる」と言っているので、仮にミギーの細胞を犠牲にしても(ミギーの得にならないのでしないでしょうが)助けることはできなかったんでしょう。仮に新一の血を輸血するにしても、血液型が分からない。そして止血する方法もないとなれば、いくら新一の胸を塞いだミギーでも救命は無理でした。

 

ちなみにミギーは加奈が死んでくれてラッキーですよね。唯一正体ばれそうな人間が偶然にも消えてくれた訳ですから。この辺の新一とミギーの思惑の違いも興味深いです。

 

折り返し

今回で全24話中12話終わりました。丁度半分の折り返し地点ですね。今回のアニメで原作漫画の全64話中、31話が終わりました。厳密には原作漫画の半分に若干届いていませんが、原作漫画でもほぼ半分消化しました、まあ何とかこのペースで全部終わるでしょう。のちの「後藤」との戦闘は、会話も少なかったり、逃走シーンだったりで、かなり尺を節約できると思うので、おそらくこの辺で原作漫画を一気に消化しに掛かるんじゃないかなと思います。

 

作中の時間経過

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ところでこのアニメの作中の時間経過はどうなっているのでしょうか。始まりからずっと冬(服)のままなのですが…。田村亮子の妊娠の進み具合だったり、加奈の変化などがあって、本来はきちんと時間が経過していないとおかしいはずなのですが、一向に季節が冬から変わる気配がありません。このアニメ内の時間は、早く見積もっても11月開始で、どんなに時間がたっているとしてもまだ2月ですよね。そろそろ季節を進めないと、田宮良子の妊娠や子供の話でおかしくなってしまいます。

 

新一は最強か

今回、新一は加奈が殺されたことに激高して、ミギーの力をほとんど借りずパラサイトを瞬殺してしまいました。実はこの戦闘にも意味があって面白いんです。

 

最初に出てきた犬のパラサイトやチンピラのパラサイトとの戦闘では、ミギーに完全に頼り切りで、新一には戦闘の意思がなく、ただ立っているだけの状態で倒していました。次の母親のパラサイトでは、前回の戦いでは見せなかった戦う意思を見せました。そして学校を強襲してきた「殺人鬼A」との戦闘では、ミギーが主に戦闘をしつつも、新一が止めを刺す(人を殺す)と言う一線を越えました。更に前回の島田秀雄では、新一とミギーの完全な共同作業で、つまり新一の力を半分使ってパラサイトを倒しました。で、今回の加奈を殺したパラサイトに対しては、ほぼ新一のみの力で化け物を倒してしまったんですね。

 

こうやって新一が徐々に強くなり、人(の形をしている者)を殺すことも厭わない意思の変化を描いているんです。最初はあれだけパラサイトと言えど人間の形をあいた物を殺すことに抵抗を感じていた新一が、気付いてみたら何の躊躇いもなくパラサイトを殺すようになっているとの変化を上手く描いています。

 

犬、チンピラのパラサイト ミギーに任せっきり
母親のパラサイト 自分で戦う意思を見せる
殺人鬼「A」のパラサイト ミギーが戦うも止めは新一
島田秀雄 ミギーとの完全共同作業
加奈を殺したパラサイト ほぼ新一のみで瞬殺

 

新一の戦闘力が最初と比べると飛躍的に上がっているのですが、本当にその過程を上手く描いていますね。

 

特殊エンディング

加奈が死ぬ重要な話だったので、今回は通常のエンディングではなく特殊エンディングでしたね。シュタインズ・ゲートの時も特殊エンディングの使い方が上手くて鳥肌が立ったのですが、近年のアニメ何で何が良くなったかと言えば、この特殊エンディングだと思います。

 

昔のアニメはどんな大事件が起ころうと、それこそ感動の最終回、涙涙のフィナーレだとしても、アニメ本編が終わったら、プツッと話が途切れCMに行き、現実に引き戻され、そして通常と何も変わらないエンディングだったんです。

 

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当時はこれが普通でしたし、特殊エンディングなんて思いつきもしなかったので、別段疑問もなく「こんなもんだ」と思っていました。初めてアニメで特殊エンディングを見たのは何だったのか、そしていつだったのか思い出せませんが、衝撃を受けたことは覚えています。連続テレビアニメが一瞬で映画になってしまうんです。こういうそれまでの常識を覆す発想を始めにした人って凄いなと感心します。

 

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