アニメ全話レビュー「寄生獣 セイの格率 第01話 「変身」」 評価はまだありません

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全体のあらすじ

平凡な高校生である泉新一は、ある日突然飛来してきた「パラサイト」の襲撃を受ける。間一髪で脳への寄生は免れるが、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活が始まることに―。周囲に真実を話すことができず悩んでいた新一だが、やがて新一とミギーは友情に近いものを感じるようになっていく。

 

しかし、新一とミギーの前には他のパラサイトが現れ始め、次々に人を殺し、また人がパラサイトを殺す事態に発展。新一の同級生・里美にも危険が迫る。その中で、高校教師として目の前に現れた田宮良子らパラサイトたちにもそれぞれの価値観が生まれ始める。 「われわれはなぜ生まれてきたのか?」

 

地球を壊し続ける人間たちを淘汰するために生まれてきたというパラサイトたち。そのパラサイトを殺し、生き延びようとする人間たち。「果たして生き残るべきはどちらなのか?」それでも、地球を、そして愛する人を守らなければいけない。ゆらぐ価値観の中で、新一とミギーはパラサイトとの戦いに身を投じていく。

 

今回のあらすじ

ある夜の事、人知れず世界が変わろうとしていた。寝静まった一軒の家、高校生の泉新一のもとに人間の脳を食べ、寄生するパラサイトの卵が降ってきた。パラサイトは寝ていた新一を襲うが抵抗され脳への侵入に失敗、拍子で右腕に宿ってしまう。右腕を食われた泉新一と右腕に寄生したパラサイトとの奇妙な生活が始まる。

 

原作漫画だと

  • 第01話「侵入」
  • 第02話「野獣」

 

サブタイトルの元ネタ

サブタイトルは書籍名から取っているのですが、今回はこちら。

 

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始まる前の不安

私は昔、寄生獣にガッツリはまりました。大ヒットした漫画なので知っている人も多いですよね。で、このアニメの発表を見て思ったことは不安ばかりでした。

 

まず新一のキャラデザイン。新一は漫画では無個性なキャラでした。勉強もスポーツも人付き合いも普通。普通だからこそ、その後に起こる変化や成長に目を見張るところがあったわけです。しかしアニメの新一は、眼鏡を掛けた細身でインテリというキャラが付いてしまいました。そのようなキャラ付けすらない無個性が新一だったのですが…。

 

おそらくこれは、ミギーと一部融合後の変化を顕著に見せるための方策なのでしょうが、元の特徴のないところが特徴の新一で良かったんですけどね。眼鏡を掛けたのもまず間違いなく、ミギーとの一部融合後に視力が上がり、眼鏡を外すための前振りでしょう。

 

また、もう一つの大きな不安材料としては、やはりミギーの声が平野綾ってことですね。最近の声優のことはよく知らないので、声優に関してはほとんど気にしないのですが、ミギーは理屈っぽく新一を説教するシーンが多いので、勝手に男性の声を想像していたのですが女性声優か…と。

 

アニメの第1話を見終わって

率直に言って、アリかナシかで言えばアリでした。

 

アニメとして普通に面白い。ただこのアニメとして「普通に面白い」との感想が、「物凄く面白い」漫画のアニメ化に対する評価として妥当なのかどうか…それは今後も見ないと分かりませんが微妙なところです。

 

オープニングとエンディング

オープニングは…どうなんでしょう。こういうものは馴れていくので拘りはないのですが、少しカイジのオープニングみたいですね。

 

エンディングは敢えてグロテスクで重い内容とのギャップを狙ったのかほのぼの系。さすがに違和感が。

 

キャラデザイン

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最初に新一の眼鏡キャラがどうなんだと書きましたが、やはり見ていて違和感はあるものの、1話を見終わってみてなんとか馴れたかなと。20年前の漫画なので、ある程度の改変は覚悟していましたし、事前情報で新一の絵柄を見ていたので、その辺の覚悟は自分にあったんでしょう。

 

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新一は眼鏡キャラに。

 

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村野は物凄く今風に。見ていませんが、けいおん!!でこんなキャラがいたような。

 

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美術部の立川裕子は何故か新一と仲良し設定になり、初回から登場。新一のお父さんとお母さんは若くなった感じですね。お母さんは若すぎるし、お父さんは威厳がなくなったかも。

 

ミギーの平野綾

また、ミギーの声優が女性声優の平野綾との要素も大きな不安材料の一つでした。これも1話を見終わった限りですが、意外と普通に聞けました。思ったより自分に拒否反応がなかったです。その辺はさすがにプロの声優なんですかね。

 

漫画を読むときは、人それぞれ頭の中で勝手にどのような声か想像しながら、漠然と脳内で声が再生されていると思いますが、そもそもミギーは現実にはいない生物なので、声がどうかなんて更に物凄くあやふやだったんですよね。感情の抑揚だったり、演技がまともならどんな声でも良かったのかも知れません。

 

話の順序がグチャグチャ

寄生獣の漫画が大好きでもう何回も読んでいるのですが、このアニメの第1話を見て少し混乱してしまいました。話の順序が細かく裁断され、グチャグチャに入れ替わっているんです。こういうのは漫画を知っていれば知っているほど混乱するかも知れません。

 

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具体的には、新一が真後ろからチョップしてくる村野の手を受け止めるシーンがのちにあるのですが、それがいきなり最初になっていたり、大分あとに出てくる美術部の立川裕子が最初から登場して、新一と仲が良い設定になっていたりです。

 

美術部の子なんて、漫画だと島田のエピソード(第21話)でやっと出てきた子ですからね。それがいきなり1話から出てきて新一と仲が良い設定。漫画では新一のと絡みもありませんでしたから、アニメを見終わるまで「誰?」とわかりませんでした。

 

改変部分

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改変部分で気になったのをいくつか挙げると、あの「寄生獣」なのにラッキースケベが…。いきなり新一が村野のオッパイを揉んだのには唖然としました。

 

このシーンの意味は、右手が新一の意に反して勝手に動くことを伝えることだったので、この意図からすると、漫画で言えば、名も無いモブキャラの女子生徒を新一(ミギー)が興味で触るシーンとの差し替えですね。村野のオッパイを触ったのは視聴者サービスなんでしょうか。寄生獣にそのような視聴者サービスいらないんですけどね。

 

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また、車に轢かれそうになった子供を助けた新一をミギーが守るシーン。このシーンの意味は、ミギーがいかに強力か、そしてミギーはミギー自身のために本体を守ることを伝えるものでした。これもアニメオリジナル。この意図からすると、漫画の不良に絡まれて撃退するシーンとの差し替えでしょう。

 

で、思ったのですが、まさか不良娘の加奈が出て来ないなんて展開あるのか?と不安になりました。この子の話は物凄く重要なのですが、この撃退された不良繋がりで加奈は出てきますらね。そこで調べたら、ちゃんとキャストに載っていました。ホッと一息。でもどうやって出すんでしょう。不良を撃退するシーンが2話以降にあるのでしょうか。

 

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あとは細かいところだと、新一がミギーに寄生されたことによる変化の描写で、今まで恐れおののいていたゴキブリを手で鷲掴みにして外に放逐するシーンが、単なる虫に変わっていました。まあゴキブリをアニメでリアルに動かされても気持ち悪いだけなのでこれはこれでOK。ちなみにこれは漫画の第5話のエピソードだったのですが、前倒しで初回にやっていました。

 

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そして初めて出会った寄生生物の犬ですが、これは漫画だと野良犬だったのですが、アニメは何故かペットの犬と思われる外観に変わっていました。

 

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あとは社会背景的な部分だと、新一がパソコンで検索したり、スマホを持っていたりですね。時代設定を現代にするにはパソコンやスマホがないと違和感ありますしね。

 

改変部分を挙げるとキリがないのですが、細かい改変が物凄く多かったですね。どんなアニメでもそうですが、改変に関しては仕方ないと思うものの、細かく話が前後するのは混乱する部分があります。

 

グロテスクな描写

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ちなみにどうなるか興味があったグロテスクな描写ですが、ジョジョのようにグロいシーンは黒塗りかななんて思っていたのですが、結構頑張っていましたね。最初のパックンチョに要注目だったのですが、ほぼ原作漫画通りにやっていました。

 

別に私はグロいの好きなわけではないですし、寧ろグロいのは大の苦手なのですが、この寄生獣はそのような描写が至る所にあるので、これが寄生ならぬ規制されてしまうと、いちいち鬱陶しいことになり、創作物を見てのめり込みたいのに、その度に「あーこれ制作大変だな」と、現実に引き戻されてしまうんですよね。犬の食事のシーンでは黒塗りが入っていましたが、今回は気になる規制はそれくらいだったので、話に集中して見られそうで良かったです。

 

ペース配分

アニメの第1話を終わった時点での原作漫画の消化ペースは丁度2話分。ページ数にして78ページでした。週間漫画の1話あたりのページ数はおおよそ20ページ前後なので、週間漫画に例えると3.5話ってところですね。これはかなり速いペースで進んでいると思います。

 

この寄生獣のアニメは、既に全24話とアナウンスされていますので、アニメ1話に漫画2話分だとすると、単純計算で漫画の48話分を消化できることになります。寄生獣の漫画は全64話なので、このペースだと16話分足りません。しかし今までの経験上、アニメの初回は漫画の消化話数は緩いことが多いです。おそらくこのあとは漫画の2.5話~3話分を消化して、アニメの全24話で漫画の最後までやると思います。もう20年前の漫画なので、今更第1期第2期と引っ張ることでもないでしょう。ただそうすると、この先更に展開が早くなるか、もしくは大幅にカットされる話があるかも知れません。

 

原作漫画との比較

と、まあ原作漫画との比較を書いてきたので、原作漫画信者と言われるかも知れませんが、原作漫画が物凄く面白く、高評価だった以上、原作漫画との比較は避けて通れないと思います。まただからと言って、完全に原作漫画通りに作れなんて事も思っていません。何せ20年前の漫画ですからね。社会や流行は大きく変わっているので、今のアニメにするには微調整しなければならないでしょうし、何より視聴率やディスクが売れないと作る意味が無いので、現在の状況で売れるように迎合するのも理解できます。単に好きなだけの私たちは好き勝手に言えますけどね。これを作っている人たちは、これでお金を儲けてご飯を食べなければならないわけで、売れ線に変更するのはわかります。

 

ただ一つの選択肢として、時代設定を当時のままの90年代として作ることも可能でした。実写映画なんかだと、昔の時代の映画は、その昔の時代のままリメイクをしたりしますからね。果たして現代風にアレンジしたことが吉と出るか凶と出るか。

 

めぞん一刻全話レビューでも時折触れていましたが、少しだけ都合良く改変したつもりが、いつのまにかその小さな改変をしたおかげで、原作漫画通りにこの先やると話がおかしくなる。だからもう一回改変。その改変の筋を通すためにもう一カ所改変。ここを変えるとこっちもおかしくなるからこっちも改変…なんて事態に陥ることがあるんです。結果的に、物凄く大幅に話が変わってしまったものの、原作漫画通りに収束させるために、最終的には無理矢理原作漫画の本筋に戻すなんて結果にもなり得ます。

 

寄生獣のアニメはかなり不安だったのですが、第1話を見た限りでは、アニメとして十分楽しめそうだったので、これからも楽しみに見られそうです。原作漫画の面白さが出ているかと言われれば、少し返答に窮しますけどね。

 

「セイの確率」の意味

最後に内容とは関係ありませんが、サブタイトルの「セイの確率」の意味について。

 

10月新番「寄生獣 セイの格率」の追加キャストに、沢城みゆきさん・田中敦子さん・吉野裕行さんらが決定! 副題に込められた「セイの格率」の意味も明らかに!

「格率」という言葉は、18世紀後半のドイツの哲学者であるカントの提唱した哲学用語です。「そうあるべき、と誰かに教えられたわけでもないのに、それぞれが自ずから理解・実践している行動規範」といった意味の言葉です。

「寄生獣」という作品では、生態系の頂点たる人間が、寄生生物の登場によりその座を引きずり下ろされたという世界観で物語が進行します。

人間も寄生生物もそれぞれのルール、すなわち「格率」に基づいて生きている中、その中庸の「まざっている」主人公・新一と寄生生物であるミギーが、それぞれの生存原理に基づき葛藤する様が描かれています。

すなわち「葛藤する格率」「揺れ動く格率」が大きなテーマになっていると考えております。

「善」とは何か「悪」とは何か。ひいては「愛」とは何か、「生きる」とは何かという重要なテーマを、彼らは作中で終始、問い続けているといえるのです。

また、「セイ」に関しては、「生」だけでなく「正」「性」「聖」などの「セイ」という音で連想される様々な言葉が、それぞれ、寄生獣という作品を紐解くうえで重要なキーワードになっているのではないかと考えました。

物語のテーマに関わる複数の意味の読み方である「セイ」の言葉を掲げることで、アニメーション作品としての寄生獣の大きなテーマ、アイデンティティとしています。

 

…だそうです。映画もやるので、それと区別するためにもサブタイトルを付けたのでしょう。

 

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