ジョジョの奇妙な日常「ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない/荒木飛呂彦」レビュー 評価はまだありません

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スタンドバトル詳細

さて、今回も前回の第三部の記事に続いてスタンドバトルを全て順を追って書いていきます。

 

第1戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)△-△空条承太郎(スタープラチナ)」

第四部の記念すべきスタンドバトル初戦は仗助を訪ねてきた承太郎と仗助のバトル。これは、第三部の承太郎とアブドゥルの味方同士のバトルと同じく模擬戦のような形です。承太郎が仗助の髪型を馬鹿にしてしまい、それに激怒した仗助が承太郎を攻撃。10年ぶりに0.5秒時を止めた承太郎が仗助を拳で殴って正気に戻して終了。勝敗は出ずに引き分けです。

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今回も主人公の仗助は第三部の承太郎と同じく、自分の能力がなんなのか分からない始まりで、今後徐々に自分のスタンドについて学んでいきます。また、相棒とも言える広瀬康一も登場。この広瀬康一のスタンドは実に役に立たないスタンドだったのですが、成長が凄まじくどんどん使える能力になっていく様がたまりませんでした。

 

【東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)】

破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - D / 持続力 - B / 精密動作性 - B / 成長性 - C

 

殴って攻撃をする他に、手で触れたあらゆる物を直す・治す能力を持つ。致命傷を負った人物や修復不能なところまで破損した物体も元通りに修復することができる。
ただし、「自分の傷は修復できない」「病気は治せない」「死亡した人物は蘇生できない」「修復対象の元から足りない部品などは修復できない」など制限もある。しかし、生物の場合は絶命さえしていなければ、死の直前に能力を発動する事で傷跡や痛み(痕跡)を残すこともなく完璧に修復できる。

 

第2戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)&空条承太郎(スタープラチナ)○-×片桐安十郎(アクア・ネックレス)」

本格的なスタンドバトルはこの第2戦から。偶然コンビニ強盗を目撃した仗助は、犯人に髪型を馬鹿にされてまたしてもぶち切れ。スタンドを出して人質を救うのですが、実はその強盗犯に取り憑いていたのが片桐安十郎ことアンジェロのアクア・ネックレス。仗助に目を付けたアンジェロはこれから監視すると言い残し消えてしまいます。

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仗助はアンジェロを警戒するも家に入り込まれ祖父を殺害されてしまい…。とは言え、承太郎と仗助に挑むのは無謀でしょう。アンジェロは当然敗北するのですが負け方が恐ろしいです。ただ再起不能や死亡の方がまだましで、物を治す能力のクレイジー・ダイヤモンドにより岩と融合させられ半生物、半鉱物に…。永遠にこのままです。

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今回はまさに日常系であることがよく分かります。ここで「あれ?いつものジョジョと違うぞ」と違和感を感じた人も多いはず。今回のバトルはどうやって勃発したかと言えば、仗助や承太郎を初めから狙った敵だったわけではなく、仗助が下校中にたまたま出会ってしまったコンビニ強盗でした。そこに明確な敵意はなかったですし、誰かに組織された一員でもなく、仗助を狙ったものでもなく、『日常生活の中で偶然に出会ってしまったスタンド使いと戦う』との流れで、これが第四部でのほとんどのバトル勃発の流れであり、また他のジョジョのパートとは決定的に違うことです。本当に第四部のジョジョは異質であり日常系です。

 

このような偶然のスタンド使いとのバトルからほんの少しずつ、杜王町に増えたスタンド使いの原因を探り出し、それらをパズルのピースのように当て嵌めていきます。するとスタンド使いが増えた原因、実行犯、最後に倒すべき杜王町の殺人鬼の話が実体化していきます。ここも第四部の特徴で、前述もしましたが最初から明確なラスボスが分かっていた今までとは違い、徐々に敵の姿が露わになっていく推理物の様相もあります。

 

仗助が偶然出会ったアンジェロを倒したことにより、ジョセフが遠隔透視した杜王町に潜む危険なスタンド使いをこれで排除できてめでたしめでたしなのですが、アンジェロの口から弓と矢のことが告げられ、今度の目的は『弓と矢を使ってスタンド使いを増やす何者かを探すこと』に変わります。このように仗助たちの目的は少しずつ変わっていき、最初から最終目標であるゴールが見えていないことが第四部のユニークな事のひとつです。

 

【片桐安十郎(アクア・ネックレス)】

破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - E

 

水分に混ざり相手の体内に進入して攻撃するスタンド。雨や水蒸気にも同化することが可能。簡単なものになら姿を変えることもできる。大きさは同化した水の容量に比例する。

 

第3戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)○-×虹村億泰(ザ・ハンド)」

今回のスタンドバトルは、射貫くとスタンド使いになる可能性のある弓と矢を持っている虹村兄弟の弟・億泰とのバトル。空間を削り取る能力は恐ろしいのですが、億泰が間抜けだったのでスタンド云々ではなく仗助がが勝利。億泰は登場時点では兄・形兆にまで無能と評されるのですが、物語を通じて成長していきます。

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このバトルは第三部で言うところの花京院やポルナレフとのバトルで、のちに仲間になるキャラに必要な通過儀礼(バトル)です。この後仲間になり、最後まで主要キャラとして仗助たちと行動を供にします。やはりこのような物語では敵が仲間になる熱い展開がないとね!ちなみに、射貫いた者をスタンド使いにする弓と矢の出所は第三部のエンヤ婆。結局全てのパートに何らかの形でディオの存在が絡んできます。

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【虹村億泰(ザ・ハンド)】

破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - C / 成長性 – C

 

右手で触れた物を何でもガオンっと削り取る事ができる。 射程距離やスピードは大したものではないが、作中でも「恐るべき能力」と称されるのが、「右手でつかんだ空間を削りとる」というもの。

 

第4戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)○-×虹村形兆(バッド・カンパニー)」

億泰とのバトルに続いて兄・形兆とのバトル。形兆のスタンドはミニチュアの軍隊で、銃弾を撃ったり砲撃したりとまさに小さい軍隊。ここで痺れるのは、先ほどまで戦っていた敵である億泰が、仗助に傷を治して貰った代わりに、空間を削り取る能力で康康一を助けるところ。

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また、康一が矢で射貫かれても生きていたことでスタンド使いになりました。この時点では音を相手の体に染み込ませるとのわけのわからない使えない(と思われる)能力なのですが、この使えない能力をいかにバトルで活用するか。これもジョジョのスタンドバトルの面白いところでもあり、第四部はこのように極端すぎる能力のスタンドが多いので、工夫したバトルの楽しみは第三部よりも上でしょう。

 

ちなみに、形兆が何故弓と矢でスタンド使いをこの杜王町で増やしていたかと言うと、不死の病気となり化け物になってしまった父を楽にするため、その父を殺せるスタンド使いを探すためでした。そして形兆は矢と弓を奪いに来たスタンド『レッド・ホット・チリ・ペッパー』から弟の億泰をかばって死亡。形兆の親父をなんとかしたいとの意思は億泰が継ぐことになります。

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ここからは基本的に仗助たちの目的は、アンジェロから聞き出した『弓と矢を使ってスタンド使いを増やしている何者かを探す』ことから、『レッド・ホット・チリペッパーに奪われた弓と矢の回収』となります。そのため、スタンド使いを街中で見付け、手当たり次第モグラ叩きのように叩いていくことに。

 

【虹村形兆(バッド・カンパニー)】

破壊力:B スピード:B 射程距離:C 持続力:B 精密動作性:C 成長性:C

 

主な構成は歩兵60体、戦車7台、戦闘ヘリ「アパッチ」4機のようだが、それ以外に作中ではグリーンベレーが1体登場する。 遠隔操作型であり射程距離は長く、使用している本人は隠れている例が大半。

 

第5戦「広瀬康一(エコーズ ACT1)○-×小林玉美(ザ・ロック)」

虹村兄弟とのバトルでスタンド使いとして覚醒した康一の初バトルです。前回のバトルでは卵型のスタンドが出ただけで終わりましたが、今回はチンピラの小林玉美とのスタンドバトルで、その卵から生物の形をしたスタンドが産まれ、相手の体に音を染み込ませるとのわけのわからない能力が発動。こんな使えない能力でバトルが成り立つのか、相手に勝てるのかと思っていたら、きちんとこの特性を生かして勝ってしまいました。第四部に引き込まれたのはこのバトルからです。良い意味で予想を裏切られる展開だとニヤッとして嬉しくなっちゃいます。この「ほ~そう来たか~(ニヤッ)」との感覚はこの第四部が一番ありました。

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また、この小林玉美のスタンドも実にユニークで、罪悪感を持つと相手の心(心臓部分)に錠前のスタンドが出現し、小林玉美の言うことを何でも聞いてしまうと言う物。小林玉美はチンピラですし、キャラ的にはどう考えてもモブなのですが、今後もたまに出てきては話に絡んできます。また、関係性も不思議で、敵では無いものの味方かと言えば微妙で、密に協力体勢が取られるわけでもない不思議な立ち位置。このように、仗助たちと微妙な関係性のスタンド使いが今後も沢山出てくるのですが、敵とも味方とも区別できないスタンド使いが出てくることも、この第四部の特徴です。

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【広瀬康一(エコーズ ACT1)】

破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 – A

 

相手の身体に音を染み込ませる。 同じ音がコダマのように反響し続け精神的なダメージを与える。 射程はおよそ50メートル。

 

【小林玉美(ザ・ロック)】

破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 – E

 

錠前の形をしたスタンド。相手の心に錠前を取り付ける。多人数同時に取り付けることも可能。 錠前は心臓の辺りに取り付けられ、まるで胸から錠前が生えているように見える。

 

第6戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)&広瀬康一(エコーズ ACT1)○-×間田敏和(サーフィス)」

小林玉美から仗助たちが通う『ぶどうヶ丘高校』にスタンド使いがいるとの情報が飛び込んできて、もしかしてこいつが弓と矢を奪ったレッド・ホット・チリ・ペッパーかと疑い調べることに。前回登場したどう考えてもヒーロー像とはほど遠い小林玉美が再登場。スタンドバトルで負けた康一に心酔し仗助一行と協力関係になりました。このよう感じで、出会ったスタンド使いと微妙な距離の協力関係だったり、必要なときに情報をくれたり共闘するキャラが沢山出てきます。

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この間田のスタンド能力は簡単に言うとパーマンのコピーロボット。人形に触った人間をそのままコピーします。コピーロボットは誰しも一度はあったらいいな、こういう使い方したいなあなんて想像したことがありますよね。あれをもし悪い方向に本気で使ったらどうなるのかなって話でもあります。

 

【間田敏和(サーフィス)】

破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 – C

 

等身大の木製ポーズ人形をベースに、触れられた人間の姿、仕草、声紋など全てをコピーするスタンド。 コピーされた相手はサーフィスと向き合うと同じ動作しか取れなくなる。スタンド曰く「操る人形」。

 

第7戦「広瀬康一(エコーズ ACT1)○-×山岸由花子(ラブ・デラックス)」

小林玉美話と並び、これぞジョジョの奇妙な日常と言った話です。康一を好きになった山岸由花子がどんな手を使ってでも自分のことを好きになって貰おうとする話で、第四部は他のジョジョに比べて異質だと書いてきましたが、その中でも特に異質な話です。なにせ敵意は全く無くいどころか逆に好意なのにスタンドバトルになってしまいますからね。なんとしても自分のことを好きになって貰おう、自分に相応しい男になって貰おうと監禁する山岸由花子。そしてその山岸由花子から逃げようとする康一。実に変な話です。また、山岸由花子のスタンドラブ・デラックスは一般的なスタンドのような人型ではなく、ただ長髪を自在に操るという物。

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今回で康一のスタンドエコーズはACT2へと成長。スタンドは精神力の発現なので、本人の精神力が大きく成長すると、このようにスタンド自身も成長して能力が強力になっていきます。とは言っても、目に見えて成長するのは康一くらいで、康一の魅力の一つにこの成長力があります。

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【山岸由花子(ラブ・デラックス)】

破壊力:B / スピード:B / 射程距離:C(数10m?) / 持続力:A / 精密動作性:E / 成長性:B

 

髪の毛を自在に伸縮したり操ることができる。髪の毛は最長で10m程まで伸ばす事が可能なようで、窓ガラスや床板・天井板を突き破ったり住居そのものを髪の毛で覆い尽くし圧壊させる事も可能らしい。一方、康一の部屋へ侵入したときのように「窓の隙間から髪の毛を進入させ、内側から鍵を開けて部屋へ入る」という器用な芸当もできるようだ。

 

【広瀬康一(エコーズ ACT2)】

破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 – A

 

貼り付けた擬音に触れるとその擬音の効果が実体化して現れる。 例を挙げると、「ドジュウウ」という焼けるような擬音に触れれば火傷を負う程の熱さを感じる。尻尾の先端を擬音文字に変換しているため、擬音攻撃が使えるのは一度に一回まで。 また当然のように、尻尾文字そのものを破壊されてしまうと使えなくなる。

 

第8戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)&虹村億泰(ザ・ハンド)△-△トニオ・トラサルディー(パール・ジャム)」

今回も実に日常な話で、仗助と億泰が学校帰りに行ったイタリア料理のレストランでスタンド使いと遭遇。しかも今回はバトルに発展せず、ひたすらトニオの体に良くなる料理を食べると言う物。

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この第四部には数多くのスタンド使いが登場し、そしてそれぞれがほんの少しずつラスボスの吉良吉影の道を指し示すのですが、このトニオは全く吉良に繋がらないキャラです。正直何のために出したのか…。別にこのキャラやスタンド能力、話が嫌いなわけではないんですけどね。ストーリーから完全に断絶された話でありキャラです。また、全く戦闘向きではない能力も珍しいです。

 

【トニオ・トラサルディー(パール・ジャム)】

破壊力:E / スピード:C / 射程距離:B / 持続力:A / 精密動作性:E / 成長性:C

 

パール・ジャムが入った料理を食べると身体に様々な事が起こり、症状にもよるが作品中では「ミネラルウォーターを飲んだら涙が滝のように流れ続け止まらなくなり、その後睡眠不足・眼精疲労が解消された」「チーズとトマトのサラダを食べたらソフトボール大の垢が出て、肩凝りが解消した」「スパゲッティーを食べたら虫歯が銃弾の如く飛び出し、その後物凄い勢いで新しく歯が生え変わった」「肉料理を食べたら不調の内臓が体内から飛び出し、その後腹痛が治った」「鮑のリゾットを食べたら両眼の眼球がドロドロに溶けて流れ落ち、その後疲れ眼がスッキリした」などといった現象が確認されている。

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