ジョジョの奇妙な日常「ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない/荒木飛呂彦」レビュー 評価はまだありません

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目次

第17戦「東方仗助(クレイジ・ダイヤモンド)&空条承太郎(スタープラチナ)&広瀬康一(エコーズ ACT3)&虹村億泰(ザ・ハンド)○-×吉良吉廣(アトム・ハート・ファーザー)」

前回のバトルで連続殺人鬼が吉良吉影だと判明。別人になられて逃亡されてしまったものの、吉良吉影の痕跡は残っているので吉良の住んでいた家を捜索します。そこで出会ったのが吉良吉影の父…の幽霊…の写真…のスタンド。物凄くユニークです。

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ここは承太郎の機転で父親を閉じ込める事に成功したものの、上手いこと億泰を騙して逃亡されてしまいました。また、ここでは回収したはずの弓と矢を発見。弓と矢は1組ではありませんでした。

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【吉良吉廣(アトム・ハート・ファーザー)】

破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E

 

写真の中で本体が取った行動を現実世界に与える能力。現実世界側では本体の吉廣の姿は見えない。写真自体にダメージを与えると、攻撃した人物にそっくりそのまま返ってくる。

 

第18戦「岸部露伴(ヘブンズ・ドアー)○-×大柳賢(ボーイ・Ⅱ・マン)」

たかがジャンケン、されどジャンケン。このスタンドバトルも実にユニークで、やっていることはただのジャンケンです。しかしそこにスタンド能力が加わると、ジャンケン1勝につき相手のスタンド1/3を奪い取ることが可能に。

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このボーイ・Ⅱ・マンがヘブンズ・ドアーと戦ったのには理由があって、ジャンケンで勝てば相手のスタンドを吸い取れるのですから、このヘブンズ・ドアーの相手の行動を制御できる能力を手に入れたら無敵になるんです。

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【大柳賢(ボーイ・Ⅱ・マン)】

破壊力:C / スピード:B / 射程距離:C / 持続力:A / 精密動作性:C / 成長性:C

 

中世の戦士のような甲冑を身に着けたスタンド。5本先取じゃんけんで賢が勝った場合に相手のスタンドを一回勝つごとに3分の1取り込むことができる。

 

第19戦「東方仗助(クレイジーダ・イヤモンド)&支倉未起隆(アース・ウインド・アンド・ファイヤー)○-×岸部露伴(ヘブンズドアー)」

仗助が先日出会った自称宇宙人のスタンド使い(後の設定集でそう思わせる記述あり)、支倉未起隆の能力を利用して、売れっ子漫画家なのでお金を持っている岸部露伴からお金を巻き上げてやろうとする話です。一方で吉良吉影を追う本筋の話が進みながら、またもう一方で全く関係のない日常を描く。この第四部は本当にユニークです。

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ここは第三部でダービー兄弟と戦ったようなギャンブル対決で、さらにはイカサマができないように心に錠前を掛けるスタンドの小林玉美が再登場。このとき既にゲームはチンチロリン勝負ではなく、イカサマを岸部露伴が見抜けるかどうかになっていて、仗助が『きちんと』今まで通りイカサマをするかどうか。その良心に錠前を掛けてこれでイカサマせざるを得ない状況に。

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【支倉未起隆(アース・ウインド・アンド・ファイヤー)】

破壊力:C / スピード:C / 射程距離:なし / 持続力:A / 精密動作性:C / 成長性:C

 

未起隆のスタンド。隕石を自分の元へ引き寄せる人間や機械などの物へ変身する能力。自分より物理的に大きなものや大きなエネルギー(パワー)を発揮するものには変身できない。しかし上記以外のものであれば靴や双眼鏡など、何にでも変身できる。またサイコロに変身するときはチンチロリンに必要な数たる3つに分裂しているため、複数に分かれる事も可能である。もっとも人間に変身しようとすると、「地球人の顔はみんな同じに見える」という未起隆自身の事情から似つかわない顔になってしまうようだ。

 

第20戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)&○-×噴上裕也(ハイウェイ・スター)」

今回は今まで仲が良くなかった東方仗助と岸辺露伴が助け合うエピソードです。仲が良くなかったどころか、つい昨日サイコロのイカサマで揉めた二人ですからね。この二人が理由はどうあれ助け合う展開にグッときました。

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この手の『時速○km以下になると○○』なんて話は映画やドラマで良くありますね。洋画だと『スピード』。邦画だと『新幹線大爆破』あたりです。今回はこのコンセプトでスタンドバトルが繰り広げられました。

 

このようにスピードを落とせない話では、スピードを維持したまま色々なことをすることが面白みの一つになっています。スピードを維持したまま必要な道具を調達したり、スピードを維持したまま仲間と連絡を取ったり、スピードを維持したまま犯人を突き止めたり。今回のスタンドバトルでもこのようなテンプレに沿った話で、携帯電話を調達したり康一に連絡をしていました。このような細い糸から突破口を開くのがポイントの話です。

 

【噴上裕也(ハイウェイ・スター)】

破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C

 

遠隔自動操縦型のスタンドで、相手の匂いを覚えて標的をどこまでも追跡し、体内に侵入して養分を吸い取る。 追跡対象にある程度引き離されると、大体の位置を臭いから予測して(スタンドだけ)テレポートすることができる。

 

第21戦「吉良吉影(キラー・クイーン)△-△猫草(ストレイキャット)」

以前、吉良吉影が逃亡しましたが、その吉良吉影が別人として成り済ましているその名前が川尻浩作です。その川尻浩作のスタンドバトル…と言って良いのか、その初戦は実にユニークな物でした。

 

これまでも動物のスタンド使いは出てきたので、猫がスタンド使いだったとしてもそれほど驚かないのですが、この猫草はその死体から生えた草、通称猫草です。動物でも植物でもない不思議な生物がスタンド使いになりました。この猫草は本能だけで生きているため、敵味方の認識も乏しく、手当たり次第に攻撃したり、その場で敵と認識した者を突然攻撃する厄介な生物なのですが、これをのちに吉良吉影のキラー・クイーンがお腹に仕込むと言う…。

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このキラー・クイーンは、左手だけが独立した遠隔操作型のスタンドになっていて、1体のスタンドに一つの能力との法則からすると反則スレスレです。そして今回更にストレイキャットをキラー・クイーンの腹に仕込んだことでスタンド能力が三つに…。スタンドに実体の猫草を仕込めるんですかね…。更に後のことを書くと、第三の爆弾まで出てきて、キラー・クイーンには実質4つのスタンド能力があることになります。ルールや特徴の限定されているバトルだからこそ、ジョジョのバトルは魅力的なのですが、キラー・クイーンは色々反則な気がします。

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【猫草(ストレイキャット)】

破壊力:B / スピード:E / 射程距離:なし(見える範囲?) / 持続力:A / 精密動作性:E / 成長性:C

 

空気を自在に操る能力を持ち、圧縮した空気を弾丸のように撃ち出して攻撃する事が可能。また周辺の空気を真空状態とする事で炎や爆発を起こさせない事もでき、さらには生物の血管に空気を注入すれば空気塞栓を起こさせ死に至らせる事もできる。

 

第22戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)&虹村億泰(ザ・ハンド)&支倉未起隆(アース・ウインド・アンド・ファイヤー)○-×鋼田一豊大(スーパーフライ)」

今回もユニークなスタンド使いです。鉄塔の中で生活する鋼田一豊大は、好きで生活すると語るのですが、その実スタンドを制御しきれず、自分のスタンドである鉄塔に囚われの身となってしまい、代わりに鉄塔の中に入ってくれる者を誘い込むのが目的。このような話もドラマや映画でたまに見ますね。そして今回は自称宇宙人のスタンド使い支倉未起隆が仲間として本格的にバトルに参戦しました。

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【鋼田一豊大(スーパーフライ)】

破壊力:E/スピード:E/射程距離:なし/持続力:A/精密動作性:E/成長性:E

 

廃棄された送電鉄塔と同化しているスタンド。つまり鉄塔そのもの。能力は「鉄塔内に1人の人間を閉じ込める。無理に鉄塔から出ようとすると身体が鉄塔の一部となってしまう」(鉄塔内に戻れば元に戻る)。 鉄塔内に新たな人間が入り込むと、今まで中に居た人間は外に出られるようになり、新たに入ってきた人間が鉄塔内に閉じ込められる。つまり最終的に残った誰か一人が出られなくなる。 また、鉄塔に対する攻撃エネルギーは全て反撃エネルギーとなって反射される。

 

第23戦「東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)&噴上裕也(ハイウェイ・スター)&広瀬康一(エコーズ ACT3)○-×宮本輝之輔(エニグマ)」

つい先日噴上裕也と敵対して戦ったのですが、その噴上裕也との共闘となりました。第四部ではつい先日まで敵だった者が利害の一致を見て一時的な共闘をすることが多く、これもなんとも言えない面白さになっていました。ちょっとしたオールスター感でしょうか。敵として強力だったあいつとまさか仲間になるとはと言う感覚。野球でもサッカーでもあるあのオールスター感です。

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【宮本輝之輔(エニグマ)】

破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 – C

 

対象を紙にして封印する能力を持っている。物質なら無条件で封印できるが、生物を封印したい場合、その生物特有の「恐怖した時に思わずしてしまう行動」を見抜かなければ封印できない。 単純な殴り合いの戦闘力は低く、人を殺すことさえも不可能らしい。 が、一度能力が発動してしまえばもうどんな攻撃や妨害も通用しなくなり、封印から逃れることはできない。

 

第24戦「岸部露伴(ヘブンズ・ドアー)&広瀬康一(エコーズ ACT3)○-×乙雅三(チープ・トリック)」

またしても物凄く変な話で物凄く変なキャラです。ぶっ飛んだキャラとスタンドは第四部が突出しています。ここも私が第四部が一番好きな理由です。

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今回は背中を絶対に見られたくない乙(きのと)雅三と、ならば絶対に見てやるとの岸部露伴の攻防。なんと岸部露伴の捻くれた性格か…。これが岸部露伴が良いキャラの所以でもあるのですが…。そして乙雅三の背中を見てしまった露伴には乙雅三のスタンドが取り憑いてしまい、あれだけ奇妙に感じていた背中を見られたくない乙雅三の行動を今度は自分がすることに。洒落が効いていると言うか皮肉と言うか、このエピソードも面白いです。

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ここで出てきたのが杉本鈴美のいる『少女の幽霊に会える小道』。本来、この杉本鈴美も小道もスタンドバトルには関係ないのですが、ここも利用してスタンドをやっつけるんです。こんなところまでスタンドバトルに組み入れて利用するのには感心しました。

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以前、仗助が露伴とチンチロリン対決をしていましたが、結局これは露伴の家が火事になったことで仗助が勝った格好になりました。このチンチロリン対決はストーリーに一切関係なく見えるのですが、実はこのリフォーム会社の乙雅三が来る切っ掛けになっているのでしっかり意味がありました。また、この乙雅三を倒した勝因は、振り向くと何者だろうとどこかへ連れ去ってしまうあの小道。この方法は吉良の最後にも繋がっているので、あのチンチロリン対決まで最後の吉良戦に繋がっているんです。このような繋がり方をするのもジョジョでは第四部だけです。

 

【乙雅三(チープ・トリック)】

破壊力:E/スピード:E/射程距離:E/持続力:A/精密動作性:E/成長性:E

 

常に相手の背中におんぶする形でとり付いている。スタンドそのものにパワーなどろくにないのだが、チープ・トリックにとり付かれている状態で誰かに背中を見られた場合、その背中を見られた人物は死んでしまう。そしてチープ・トリックはその背中を見た人物に新たにとり移ってしまうのだ。このときの乗り移るパワーは元のおんぶしていた相手のパワーを使って移動するので、殺された人物は精気を失い、干からびて小さくなってしまう。また乗り移られた人物はチープ・トリックを攻撃するとその攻撃が返ってきてしまう(チープ・トリックの本体がその人物に変更されている為)。

 

第25戦「岸部露伴(ヘブンズ・ドアー)&東方仗助(クレイジー・ダイヤモンド)&虹村億泰(ザ・ハンド)&空条承太郎(スタープラチナ)&広瀬康一(エコーズ ACT3)&川尻早人&杉本鈴美(幽霊)&アーノルド(幽霊)○-×吉良吉影(キラークイーン&バイツァ・ダスト)&吉良吉廣(シアーハートアタック)」

遂に第四部のラストバトルです。数多くのスタンド使いが今まで登場してきましたが、それらから少しずつヒントを得ていき、最終的に杜王町に潜む殺人鬼、川尻浩作こと吉良吉影に辿り着きました。最初は何が目的なのかさえ明かされず、ラスボスの存在すら無かったのですが、最終的にこの吉良吉影がラスボスです。

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ここでは単純にスタンドvsスタンドだけではなく、本来の父親の川尻浩作を殺された息子の早人が奮闘。スタンド使いではない普通の人間である早人の頑張りと知恵が無ければ、仗助たちは全滅していたところです。ここも第四部のみのユニークさです。

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第三部でのディオのザ・ワールド、承太郎のスタープラチナ、そして今回ラスボスの吉良吉影のキラー・クイーン。全て時間を操る能力でした。時間を操る能力はどんな超能力物でも最強に位置しますね。ただ、この取り扱い間違うと、とんでもない強力な能力になりすぎてしまい、作中での扱いに困り矛盾がいっぱいなんてことも…。海外ドラマの『HEROES』もこのような感じで、時間を操れるヒロことマシ・オカが強力になりすぎて、他の時代へ飛ばして隔離との苦肉の策を取っていました。

 

今回出てきたキラー・クイーン第三の爆弾バイツァ・ダストも、時間を操る能力だけに複雑で理解するのに一苦労です。それだけにおよそ約2巻に渡ってじっくりとラストバトルが描かれました。

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【吉良吉影(キラークイーン・バイツァ・ダスト)】

吉良吉影の正体を知る、「スタンド使いでない人間」に憑依して発動する。その間キラークイーンは憑依した人間を完璧にガードし、敵からの攻撃や自殺を防ぐ。 その人物から吉良の正体の情報を得ようとする(憑依された人間から教えようとしたかどうかは問わない)ことで発動、吉良の正体を知った人物を何人でも全て確実に爆殺する。抵抗は不可能。同時に時を1時間ほど戻す(時間そのものを『爆破』し、無かった事にする)。

 

時間が戻る前に起きたでき事は『運命』として残り、バイツァ・ダストを発動している限り時間が戻った後でも再現される。例えば『爆死すること(吉良の正体を知って爆殺される→時間が戻る→吉良の正体を知っても知らなくても、同時刻にはひとりでに爆死する)』などは作中で主に描かれている『運命』の例である。 時間が戻った事はキラークイーンに憑依されている人間以外は感知する事ができない。これは吉良本人も例外ではない。ただ、発動と同時に時を戻した初回については吉良も記憶を持ち越せるようである。ただし、バイツァ・ダストの存在を知っている人間ならば、不自然なでき事(何もしていないのに突然割れるカップ、路上でいきなり爆死する人間など)を見ることによってそれが『バイツァ・ダストによる運命』だと推察し、何度時が戻ったのかを推測する事は可能。

 

バイツァ・ダストによるループは吉良が能力を解除するまでは条件を満たす者が現れ続ける限り、何度でも発動し時を戻し続ける。 憑依されている人間に対する攻撃は、吉良本人のものであってもキラークイーンが自動防御を行うため、能力を解除するには吉良自身による任意解除しかない。 吉良が能力を解除した時点で全てのバイツァ・ダストに関する現象は消えるが、『既に起こった事実』は消える事は無い。そのため、戻すタイミングによっては無敵の能力で一方的に敵を葬ってしまう事もできれば、苦労した挙句に全くの無駄に終わってしまう事もある(時が戻った直後に能力を解除してしまうと、解除しなければ爆死していたはずの『敵』が爆死しなくなる等)。

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