「BLACK LAGOON/広江礼威」(第1~11巻)レビュー ~洋画のようなセリフ回しが独特のガンアクション漫画~

今回レビューするのは、広江礼威さんの漫画『ブラック・ラグーン』です。

 

それでは早速レビューを書いていきたいと思います。

 

未読の人が知らない方が良いネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。

 

あらすじ

ごく普通の日本人サラリーマン岡島緑郎は、東南アジアで海賊「ラグーン商会」に遭遇して拉致される。「ホテル・モスクワ」こと元ソ連軍の精鋭部隊から構成されるロシアン・マフィアの女ボスバラライカから依頼され、緑郎の勤める旭日重工の密輸に関わるディスクを奪ったラグーン商会は、チンケな報酬のタシにしようと彼を身代金目的で掠ったはいいが、交渉の手筈もない。それは、頭は悪いが銃の腕は超一流で“二丁拳銃”(トゥーハンド)の異名を持つ中国系アメリカ人のレヴィが先走ったためだった。緑郎はマッチョでタフで博識だが変人というラグーン商会の黒人ボスダッチにより、娼婦・ヤク中・傭兵・殺し屋・マフィアが集う背徳の都ロアナプラに案内される。ラグーン商会には、FBIとマフィアに追い回されてレヴィに拾われたインテリ白人ベニーもいた。「ホテル・モスクワ」は旭日重工と”交渉”するが、上司たちは緑郎を簡単に切り捨てると、ディスク奪還に傭兵部隊を送り込む。こうして世界の現実を知った緑郎は、ネクタイを絞めた海賊ロックを名乗る。撃ち合いも争い事も大嫌いだが交渉能力に長けたロックはラグーン商会の一員としてロアナプラの住人となり、育ちも性格も正反対のレヴィとは次第に互いにない部分を補い合う「相棒」に就く。

 

長所と短所

  • ◎洋画のような独特の台詞回しが癖になる
  • ◎丁寧な描写で世界に入り込める
  • ○国際色豊か
  • ◎実際に動きが見えるような躍動感のあるアクションシーン
  • △漫画ならではの最強女戦士がたくさん出てくる
  • △話が複雑で難解なときがある
  • ×発刊ペースが激遅

 

感想

◎洋画のような独特の台詞回しが癖になる

この漫画のなにが独特かというと、それはズバリ『洋画のような台詞回し』です。更に言えば洋画で出てくる字幕や吹き替えの台詞回しです。捻った洒落、独特の例え話、「~さ」や「おいおい、それは~ってもんだぜダッチ」などの実際には言わないような言い回し。洋画好きなら1話読んですぐにピンと来ます。本当に『会話が洋画の字幕』なのです。

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正直なところ、この独特の洋画の字幕セリフに最初は違和感を感じました。これは読んでいて慣れるのかと思いました。しかし1巻を読み終わった頃にはすっかり慣れてしまい、頭の中は漫画と洋画がミックスされたなんともいえない得も言われぬ感覚に陥っていました。

 

この独特の洋画字幕のセリフから来る世界観や空気ははまる人にはガッツリはまると思います。洋画はほぼ全ての人が何回かは見ていると思うので、ある程度は皆この世界観に浸れると思いますが、特に洋画が好きな人はたまらないと思います。

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この独特な台詞回しも含めた『雰囲気』はユニークで素晴らしいです。漫画が出始めてもう歴史が長く、色々な話やジャンルのものが出てやり尽くされたと思っていましたが、このオリジナリティはかなり独特かも。こんな雰囲気や空気感の漫画は他にないかもしれません。

 

◎丁寧な描写で世界に入り込める

世界観、今起こっている揉め事、人物描写等々、描写が物凄く丁寧です。

 

例えば主人公は一介のサラリーマンだったのですが、ひょんなことから運び屋のラグーン商会の一員になります。この『ひょんなこと』をきちんと描写していますし、その後故郷の日本へ帰り、主人公のバックボーン、真っ当な表の社会に完全に決別する経緯までもきちんと描いています。このようにその人物の背景を含め、2,3巻で1エピソードになっているので、丁寧に物語が進行してきます。

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ただ、殺し合いが当たり前の世界なので、重要な人物かなと思ってもその後死んでしまうことも当たり前です。レヴィはロックとともに主人公ではあるのですが、無抵抗の人間をガンガン殺しますから…。ちなみに、お気に入りはレヴィ以外だと暴力協会のシスター・エダ。それと「~ですだよ」と言う口癖と言うかなまりのあるシェンホア。今後もっとこの2人が活躍する話があると良いのですが…。

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○国際色豊か

舞台自体がフィリピンの犯罪都市ロアナプラと言う架空都市なので、各国の犯罪者が集まっている設定なので登場人物は国際色豊かです。

 

主人公のロックは日本人でレヴィは中国系アメリカ人。ラグーン商会のボスのダッチ、エンジニアのベニーはアメリカ人。ロシアンマフィアのホテルモスクワ。中国人マフィアの三合会(トライアド)。その他コロンビアマフィア、ヴェベズエラの依頼人などなど。日本も舞台になりヤクザが出てくるここともありました。

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このように、日本が舞台ではあり得ないほど国際色豊かでナチスが出てきて政治的な話になったり、非常に複雑な人間関係が魅力でもあります。

 

◎実際に動きが見えるような躍動感のあるアクションシーン

アニメの評判が非常に高いので、このあと見るつもりですが、漫画のアクションシーンは素晴らしいです。漫画なので勿論全てが静止画であり、コマの流れで動いているように見せているのですが、それが本当に動いているように脳内できちんと補完されます。コマの間と間を想像しやすいんです。

 

この漫画はガンアクションがかなり高い比率を占めているので、ここが想像出来ないと楽しみが半減なのですが、特に気にせず普通に読んでいるだけできちんとアクションシーンが頭に浮かんできます。

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△漫画ならではの最強女戦士がたくさん出てくる

創作物なので現実とは違うことが当たり前ではありますが、異常に強い女戦士が結構出てきます。しかもかなり風変わりなもので、メイド服を着た戦士、ヤクザの女子高生組長、双子の少年少女の暗殺者などなど。

 

別にこれは漫画なので良いのですが、世界観をが緻密に描いているだけに、少しこのあたり現実離れしすぎたメイドの女戦士なんかは浮いているかもしれません。話自体は物凄く面白いですしキャラも立っているんですけどね。ちなみいん、メイドが何故強いのか…はきちんと理由があります。

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△話が複雑で難解なときがある

登場人物や組織が非常に多いです。対立構図も複雑で、単純に敵と味方だけでは分けられず、利害が一致すれば味方に、対立すれば次のエピソードでは殺し合いを…なんてことも当たり前です。話によってこの辺りの関係性がコロコロ変わるので、ちょっと油断していると話が分からなくなるかもしれません。

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×発刊ペースが激遅

私は11巻が出てから読み始めたのですが、発刊ペースというか連載ペースは非常に遅くて有名みたいです。

 

BLAC LAGOONの最新11巻が出たのが2018年の11月19日。その前の10巻が出たのが2014年5月19日。実に1巻出るのに4年半掛かっていることになります。1巻が出たのが2002年12月12日なので、11巻までに17年掛かっているんですね。終わりが見えてきたとはいえ、完結までにはまだまだ…下手したら10年くらい掛かるかもしれません。

 

総評

とにかく台詞回しが洋画の字幕や吹き替えまんまで非常にユニークな雰囲気のある漫画でした。BLACK LAGOONが合うか合わないかは、この台詞回しを受け入れられるかどうかですね。

 

ちなみに、洒落た例え話が洋画の台詞回しの醍醐味でもありますが、BLACK LAGOONでも知っていれば笑うような例え話の半分くらいしかわかっていないです。それでもなんとなくこういうことを皮肉たっぷりに例えているんだな程度には分かります。洋画の吹き替えや字幕でも大体こんな感じで、皆が全て理解しているわけではないと思うので、細かく知らなくても問題ないと思います。

 

世間の評価も高いので是非一読してみてください。

 

こんな人にお勧め

  • 洋画が好きな人
  • クライムアクションが好きな人
  • 丁寧な描写をする漫画が好きな人

 

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