漫画全話レビュー「めぞん一刻 第085話「青田枯れ」」 評価はまだありません

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掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1984年8月30日号

 

アニメでは

 

時系列とでき事
  • 1984年8月 五代裕作、就職活動を開始する

 

この頃のでき事
  • 8月1日 - 花王石鹸が「ビオレU」を発売。
  • 8月4日 - アフリカのオートボルタがブルキナファソに改名。
  • 8月10日 - 日本専売公社の事業継承を目的とした専売改革関連法(たばこ事業法・日本たばこ産業株式会社法)が公布され、1985年4月1日に民営化されることが決定される。
  • 8月21日 - フィリピン・マニラで、フェルディナンド・マルコス同国大統領に対する50万人規模の抗議デモ発生。
  • 8月21日 - 臨時教育審議会が設置される。
  • 8月24日 - トヨタ自動車が製造業で初の5兆円企業(売上高)となる。
  • 8月24日 - 警視庁、投資ジャーナル社(中江滋樹代表)を無免許営業で捜索(投資ジャーナル事件)。
  • 8月30日 - スペースシャトルディスカバリー、初の打ち上げに成功。

 

あらすじ

遅まきながら就職活動を始めた五代君。思いの外苦労してしまいます。そんなとき実家の定食屋が思い浮かび、跡を継がせて貰おうと実家に帰るのですが、響子さんはそれを自分との結婚の話をしに行くのだと勘違いしてしまい…。

 

みどころ

  • 五代君の就職活動

 

初登場人物

  • 五代裕作の姉
  • 正一(五代裕作の義兄)
  • みっちゃん(五代裕作の姪)

 

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はじめに

今回は、五代君が就職活動を始めて苦労して、実家の定食屋を継がせて貰いに頼みに行く話です。五代君の就職活動奮戦記の苦しい苦しいストーリーはここから始まります。

 

サブタイトルの意味

今回のサブタイトルは「青田枯れ」です。

 

「青田」とは青々とした稲を表し、転じて「青田買い」では、優秀な若い人材を確保するとの意味で使われます。青田は五代君達就職を控えた若い学生のことなのですが、その次の「枯れ」に関しては、扉絵を見ると、響子さんが稲刈り鎌を持っているので、本来は「青田刈れ」、つまり就職活動をする若者達を刈り取ろうとする企業の姿勢を表しているのですが、これが「枯れ」となっているので、五代君の枯れた様子を表しているのでしょう。

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五代君は刈られず枯れてしまっているのだなと。五代君の状況を良く表しています。このめぞん一刻では、このような高橋留美子さんの造語がちょくちょく出てきます。

 

ちなみにこの時期、五代君は大学4年の8月です。今では大学の2年で就職活動なんて話も聞きますが、この頃はどうだったのでしょうね。周りの友人の反応を見ると、それほど前から就職活動をしていたようには見えません。しかし、大学4年の8月時点で就職活動を一切していないのは、さすがに五代君は遅すぎではないでしょうか。

 

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五代君の成績

五代君は、漫画では明確に大学の名前は出てきませんが、アニメではハッキリ「三流大学」との大学名が出てきています。要はそのようなレベルの大学なのですが、その大学でも友人の小林から、「きさまの成績で内定ということは~」と言われていたので、三流の大学の中でも成績下位の模様…。一刻館にさえ住んでいなければ、もう少し良い大学、もう少し良い成績を取れたのかも…。

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大学の就職相談室では、五代君の希望として、無理とはわかっていても東京海上火災、三井、住友、三菱、松下、住友などの超一流企業の名前を挙げていましたが、担当から呆れられていました…。ところで、就職活動を始めて苦労している五代君は、偶然一の瀬氏に会ったのですが、再就職した会社がまた潰れたとのこと。一の瀬夫氏も報われませんねえ。

 

実家の定食屋

就職活動に苦労する五代君ですが、賢明な読者なら「実家の定食屋は?」と思ったはず。勿論五代君もその実家の定食屋を継ごうとするのですが、五代君の姉の夫である義理の兄が実家の定食屋を継ぐことで話が纏まっており敢えなく轟沈。

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ここでは五代君の姉、その夫、その娘のみっちゃんが初登場していました。まあこれから話に関わってくるわけではないのですが、五代君の家族関係がわかる貴重なエピソードです。また、この五代君の姉は、どことなくこずえちゃんに似ている気がします。

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響子さんは五代君が響子さんとの結婚を親に許してもらいに帰郷すると勝手に勘違いし、敢えなく轟沈してあっさり諦める五代君に怒るのですが、勘違いとわかり響子さんは恥ずかしさでワナワナしていました。

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ここで少しおもしろいのは、五代君も一の瀬さんも、響子さんの勘違いに気付いていないのに、朱美さんだけは響子さんの勘違いに気付いているところです。朱美さんは年齢が近いだけに、響子さんの心情をいち早く察知して、ズバズバ物を言うことがあります。しかし響子さんはこのような勘違いをし、響子さんとの結婚を諦める五代君に怒ると言うことは、完全にこの頃響子さんの心は五代君1本で決まっていますね。

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総評

今回から五代君の就職活動エピソードが始まりました、次回1話を挟んで八神の高校で教育実習があるのですが、長い五代君の苦悩はここから始まりました。

 

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