目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1982年12月15日号
アニメでは
- アニメ化なし
時系列とでき事
- 1982年11-12月 五代裕作、風邪が悪化し10日間寝込む
この頃のでき事
- 12月4日 - 米映画『E.T.』が日本で公開。のちに当時の日本と世界で史上最大の興行収入を記録。
- 12月8日 - コメディアンの三波伸介が急死。彼が3代目司会を務めていた『笑点』(日本テレビ系)は翌年から五代目三遊亭圓楽が4代目司会者に就任。
- 12月15日 - 愛知県警、戸塚ヨットスクールを捜査。
- 12月20日 - トヨタ自動車がデリバリーバンの「クイックデリバリー」を発売。
- 12月 - 日本電信電話公社、カード式公衆電話、テレホンカード発売。
あらすじ
家出中に風邪を引いた五代君。五代君を気遣い、医者を呼んだり家具を質屋から戻したりするのですが、病床の五代君には全て逆効果。余計に症状が悪くなってしまいます。
みどころ
- 善意の悪循環
- 三鷹さんが五代君の部屋へ上がる
はじめに
今回は5話使って描かれた大きなエピソードである五代君家出話の後日談です。そしてこれもアニメ化しておりません。前巻4巻とこの5巻はアニメしてない話が凄く多いです。この辺りから八神が登場してくるまでは、ストーリー上カットしても問題ない話が多いですからね。構成上致し方ないのは分かるのですが、こういった後日談や日常のなんでもない話も面白いんですけどね。
善意の悪循環
家出をしていた五代君は久しぶりに一刻館に帰ってきたのですが、偶然五号室から捨てられた水を被ったことが切っ掛けで五代君は風邪を引いてしまい、それが悪化して寝込んでしまいます。珍しく四谷さん、一の瀬さん、朱美さんが気を遣って医者を呼ぶのですが、響子さんも呼んだ医者と加わり、往診のバッティングが起こり、さも重大な病気のような雰囲気になっていました。いつもはこういうときでもからかうんですけどね。さすがに2ヶ月以上家出をしていたので心配だったようです。しかしそこは一刻館。結局病気で伏せっている五代君を囲んで宴会をしていました。
三鷹さんが五代君の部屋へ
三鷹さんが一刻館に上がること自体非常に珍しいのですが、今回なんと五代君の部屋に上がっていました。三鷹さんが五代君の部屋に上がるのは作中この1回きりです。漫画ではこの1回。アニメではコスプレ回(第37話 「アブナイ仮装大会!! 響子も過激に大変身」)に1回。どちらにしろ1回だけですね。
この2人は響子さんを取り合っていなければ、意外と気が合うような気がするんですけどね。ただ、響子さんの存在がなければ住む世界が違うので知り合わなかったこともまた事実。結局どう転んでも友人にはなれない運命なのでしょうか。
その三鷹さんは五代君に食事を作ってあげていました。三鷹さんはルックスも良く、スポーツマンで収入も多く、家柄も良く、まめで料理も上手と、スペック的に非の打ち所がありません。性格の面でも、仮にも恋のライバルである五代君に親切にしていますからね。女癖が悪いとは言っても、露骨に他の女性に手を出した描写もないので、響子さんに振られた三鷹さんは不憫です。
致命傷を与えたのは響子さん
一刻館住人は病床の五代君の周りで宴会をしていましたが、五代君の病気が重くなった理由は彼らではなく、実は響子さんの行動でした。
責任感の強い響子さんは、質屋に入れられていた五代君の家具を自費で取り戻し、部屋の運び込んだのですが、結局この響子さんの行動が原因で、五代君はこの後10日間寝込むことになってしまいます。
ふざけて五代君を翻弄する一刻館住人ではなく、致命傷を与えたのは真面目で五代君のためを思って行動した響子さんでした。親切からやったことが逆に出てしまいました。
総評
悪意のある四谷さん、一の瀬さん、朱美さんの行動は特に五代君の体調に変化を及ぼさず、親切だと思ってやった響子さんの行動が、結果的に五代君の病状を悪化させてしまうと言う話でした。
今回は前述もしたようにアニメ化していないのですが、以前の記事でも書いたように、こういった後日談は、どうもアニメではカットされやすい傾向があるみたいです。ストーリー的にはカットしても何も問題は無いのですが、これまでの家出話がかなりの大ピンチで、2人とも号泣する程追い込まれた話だったので、「オチ」としてこの笑って終わらせるエピソードは、めぞん一刻初期の作風からすると大事だと思うのですが、どうもそれはアニメ化する際には重要視されなかったようです。
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