漫画全話レビュー「めぞん一刻 第139話「揺れる心」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1984年9月15日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1986年7-8月 五代裕作、保母試験集中のためキャバレーへ泊まり込み

 

 

この頃の出来事
  • 9月6日 – 土井たか子が日本社会党の委員長に就任。日本の主要政党で初の女性党首に。
  • 9月15日 – 韓国でのちに未解決連続殺人として有名になる華城連続殺人事件の最初の殺人事件が発生する。(その後1991年4月3日まで殺人は続いた)
  • 9月22日 – 安中公害訴訟の和解が成立し、東邦亜鉛が住民に4億5000万円を賠償した。

 

あらすじ

響子さんに引っぱたかれて2,3日、音信不通の五代君。保母試験が終わるま9月末まで、集中するためにキャバレーへの泊まり込みを決意します。一方三鷹さんは、自分の記憶が無い夜に何があったのかを確かめに、明日菜さんを追うのですが…。

 

みどころ

  • 五代君の決意
  • 三鷹さん、明日菜さんを追い掛ける

 

はじめに

今回は、五代君が一時一刻館を離れキャバレーに泊まり込み保母試験に集中する話と、三鷹さんが明日菜さんと一夜を供にしたことを明日菜さんに聞きに行く回です。五代君と三鷹さんの正念場だった回から、2人の人生がそれぞれの方向に動き出しましたね。まさにサブタイトル通り正念場でした。

 

一刻館では集中出来ない

五代君は保母試験に集中するためにと一刻館を出て、キャバレーへ泊まり込むのですが…。キャバレーも決して勉強や集中に適した環境とは言えないと思うのですが、そこよりも一刻館は勉強や集中が出来ない環境ってことですね。どんだけ一刻館の環境はひどいんだと…。

 

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今回は響子さんにビンタされたこともありますが、今までのめぞん一刻を見ていると、ノックはしない、勝手に部屋に入る、四谷さんはのぞき穴から出入り自由、試験前に宴会ですからね。そりゃあ勉強に向いていません。ここで浪人時代を過ごすとか、それこそあり得ないわけで…。更に今回は響子さんにビンタされたことにより、響子さんの存在自体も気が散る要因となってしまったので賢明な選択だったのでしょう。響子さんは五代君を「頑張ってくださいね」と励ますので、五代君が頑張る要因にもなるのですが、逆にこうやって追い詰めてしまうことも多々あります。人間、プラス作用ばかりでは無いので、それもひっくるめての響子さんなのでしょうが。

 

この話の時は夏真っ盛りの7月から8月でした。そして保母試験は9月の末。2ヶ月くらい一刻館から離れることになります。2ヶ月家を空けるってのはかなり長いですね。響子さんは「どうせ一週間くらいで戻ってくるわよ。」と言っていましたが、今回五代君は当初の予定通り2ヶ月やりきりました。この響子さんのセリフもちょっと深読みすると、「どうせ一週間くらいで(私の元へ)戻ってくるわよ。」とも読み取れるんだと思います。作風がコメディから大人のラブストーリーへ変わったことも大きいのでしょうが、五代君も成長しました。

 

三鷹さん明日菜さんを追い掛ける

一方三鷹さんは、お酒で記憶を無くした晩に明日菜さんと過ごしたことで、自分は何をしたのか明日菜さんに聞きに行くのですが、置き手紙を残し親戚の家に避暑に出かけてしまった後でした。そしてその手紙には、結納を中止にしてもらうと言っていた先日から打って変わり、結納は延期と書いてあり…。折角三鷹さんの望むように九条家との縁談がご破算になったと思ったらまた元の木阿弥です。

 

 

元をたどれば五代君との決闘なんですよね。五代君と決闘するなんて言い出さなければ、またせめてお酒さえ飲んでいなければ…。ただ、お酒を飲んでいなければ、明日菜さんにあそこまでハッキリと、この縁談は不本意ですとは言えなかったので、結納はそのまま進んでいたでしょうし、どちらにしても三鷹さんは詰んでいたのかも…。

 

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運転手の補強

三鷹さんは記憶が無いからこそ、自分が何をしたのか明日菜さんに聞きに行くのですが、その際、九条家の運転手が三鷹さんの不安を更に強める情報を補強してしまいます。運転手はは一晩外で待っていただけで中の様子がわからないので、婚約中の男女が一晩過ごす=やってしまったと思うのは当然で、三鷹さんにもその旨伝えるのですが…。どんどん三鷹さんは自分がやっちゃったと思い込んでしまいます。また、自分ならそうしちゃうだろうなと三鷹さん自身わかっていますからね。

 

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明日菜さんに何があったのか聞きに行くと言うより、もっとストレートに言えば「やってしまいましたか?」との確認に近いですからね。自分でもやっちゃったんだろうなとは思いつつの確認ですから、この運転手の情報は、三鷹さんがそう思い込むには十分な情報でした。

 

明日菜さんの言い方

三鷹さんは運転手に明日菜さんの居場所を聞き、自分が何をしたか遠回しに問い質すのですが、この会話でもお互いハッキリ物事を言わず、三鷹さんは自分が手を出したと誤解です。五代君と響子さんではこのような遠回しな言い方からの誤解はよくあるのですが、三鷹さんと明日菜さんでも同じようなことが多々ありますね。この2人の場合、明日菜さんが世間知らずなために突っ走っているのがほとんどですが…。

 

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明日菜さんがあまりにも世間知らずのため、キスだけでとんでもなく重要なことだと思い頬を赤らめ、私は忘れませんと。三鷹さんは当然体の関係のことを思い浮かべで話しているのですが、明日菜さんはキスのことを思い浮かべ話している。お互い違うことを考えて会話しているのに、妙に会話が噛み合ってしまい勘違いが加速する。めぞん一刻の黄金パターンです。

 

おわりに

事実はどうであれ、三鷹さんは明日菜さんとやってしまったと思ってしまいました。この状況で響子さんにどんな顔をして会うのか…。何故か明日菜さんとのことはテニスクラブや響子さんに筒抜けですからね。とは言え、そんな心配は現実とはならず、更に事態が悪化したところで響子さんに会うことになってしまいましたが…。

 

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