今回レビューするのは、この世の果てで恋を唄う少女YU-NOの第16話です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
ちなみに、YU-NOの解説・考察は別記事にまとめましたので、気になる方はご一読ください。
先の展開のネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。
目次
あらすじ
神奈につきまとう謎の男、北条から取引を持ちかけられるたくや。
そして絵里子からは神奈の転校について意外な事実を聞くことに。
そんな中、有馬家を訪ねた神奈と話し、たくやは神奈の本心に触れるのであった…
みどころ
- 神奈の謎
感想
OPもEDも変更なし
やはり今回でもOP、EDともに変更はありませんでした。まあ、14話で変わらなかった時点で変わらないのだろうなとは思っていたのですが、2クールずっとこのOPとEDなのでしょうか。好きな曲だから良いのですが、他のも見てみたかった気も…。ただ、おそらく次回か次々回で現代編は終わり、異世界編へと物語の内容が激変するので、もし変えるとしたらこのタイミングでしょう。ただ、17話か18話から26話までなんて中途半端な切り替わり時期ってあるんですかね。
ゲーム的演出はなし
神奈が倒れたあと、部屋に運んで薬を与えていましたが、原作ゲームだとたくやが自宅へ一旦戻り、薬を探して戻ってくるとの流れでしたがここはカット。これは正しい選択だと思います。ゲームのお使いをアニメに入れても仕方がありません。
一方でゲームになかったものを入れてきたことの1つが、澪をまだまだ登場させる、させそうだと言うこと。原作だと神奈ルートに入ったら、澪や結城は一切絡んできませんでした。唯一絡むと言えば、超念石関連で香織が…くらいでした。
私はヒロインの中で澪が1番好きなので良いですし、おそらくこのアニメの中で最もヒロインらしいヒロインであることは間違いないので、澪が一番人気だと踏んでのことでしょうね。他は8歳上の義母亜由美。前に少し付き合っていた年上の美月。腹黒ジャーナリスト香織。謎の転校生神奈ですからね。他がヒロインとしては弱いと言うのもあります。
前回神奈と澪、結城が友達になったので、ちょくちょく澪と結城が出てきており、この辺りの人間関係はゲームとはだいぶ違いました。ゲームだと神奈は本当に孤独でした。この孤独こそ神奈と言うキャラなので、その辺り不満な方もいるかと思いますが、個人的にはまあアリかなと。
ただ、神奈の神秘性は薄くなっていると思います。たくやがカオスの矯正されるところに突然現れる神奈。有馬広大がたくやの意識の中に出てくるように現れる神奈。このあたりアニメでは描いていません。
神奈の援交設定は一応やった
この原作ゲームは1996年発売であり、舞台設定は前年も1996年です。ブルセラや援交なんて過激な流行りがあった時代です。そして神奈がその援交をしている設定で、当時でも衝撃的な展開だったことを覚えています。ヒロインの中で最もストーリーに関係がある重要なキャラです。神奈の正体を知ってからは非常に複雑な気持ちになりました。
以前の記事でも書きましたが、現代に舞台を移しても良いじゃないかと思われるかもしれませんが、ストーリー上絶対無理なんです。有馬広大の唱える400年周期説が元になっているので、400年×5で西暦2000年にこの世界で起こる大イベントがメインなので。2000年の数年前との部隊は動かせません。
話を戻して…。アニメは援交設定は出てこないかもしれないと思っていたのですが、この辺りはきちんとやってくれました。この悲惨な背景がないと、神奈の冷淡なキャラや歩んできた人生の説明が付かなくなってしまいます。
また、重要なアイテムである神奈が写っている50年以上前の写真が出ました。隣の謎の女性のことや神奈が50年以上前に存在していたことなど、この後の異世界変で重要な伏線になります。すぐに伏線が回収されないのがまたYU-NOの面白いところ。
暫くその伏線を放り投げ、忘れた頃に回収しに来て、「あー!あのことか!」となるんです。この『忘れた頃の伏線回収』は同じ時間や世界線の移動をテーマにした『シュタインズ・ゲート』でも素晴らしかったです。同じプロデューサーの千代丸さんが原作、脚本を手掛けているので、タイムリープや並行世界の話が好きな人びはお勧めです。
無駄な下ネタ今回もアリ
今回もノルマかと思うような無駄で無理矢理な下ネタをぶっ込んできましたね…。YU-NOやたくたの魅力ってそこじゃないんですけどね。あくまでエロゲの主人公(プレイヤー)が、任意の場所(下着とか胸)をクリックした結果、下ネタが出てくる…みたいな感じでした。もしくは落ち込んでいるヒロインを笑わせて元気づけるために…だったんです。また、実際に口に出すことは意外と少なく、心の中で思うだけで止まっていることも多かったです。
前述しましたが、上手いことゲームのお使いはカットするのであれば、このゲーム的下ネタも9割カットした方が良かったと思います。このゲーム的下ネタはあくまでプレイヤーが好きでクリックした結果出てきたお遊びでしかないので、アニメで無理矢理見せると、やはり前後の流れからしておかしく、浮いてしまいます。ただ、今回はこれまでよりかなり控えめで、絵理子先生相手に1度下ネタを言うくらいで留めていました。
北条の正体は探偵
今回は神奈の正体も徐々に明らかになりましたが、神奈を付け狙う北条の正体もだいぶ見えてきました。
北条は興信所の職員…つまり有り体に言うと『探偵』です。龍造寺から依頼を受け、神奈から有馬広大の居場所を聞こうとしているとのところまで判明。
原作ではありませんでしたが、それをわかりやすく視聴者に提示するためか、龍造寺との対談がありました。そこで完全にこのことを言葉で説明していたので、ボーッと見ている方も北条の目的や雇い主は分かったと思います。原作だともう少し分かりづらく、敢えて仄めかす程度の部分もありました。
わかりやすく説明、提示するのは良いのですが、物語としてこれは諸刃の剣だったりします。仄めかす程度に留めておくと、きちんと見ていればパズルのピースはきちんと填まるので、「ああそう言うことか」と自分自身の力で理解できます。
本来、普通に見ていれば理解できることではあるのですが、自分で謎を解いた達成感が気持ち良いんです。しかし、視聴者にわかりやすく見せすぎてしまうと、『自分で考えて正解に辿り着いた達成感』がなくなってしまいます。どちらが正しいかではありませんが、私は前者の仄めかす程度で自分は理解したと思える方が好きです。
公園でのシーンは原作通り
神奈がたくやの家に来て亜由美と会話していましたが、亜由美もちょこっと出すんですね。このルートで澪や亜由美が出てくるのは原作にはありませんでした。澪は人気があるのでちょくちょく出したのでしょう。また、亜由美は今後…と言うことで出したのでしょう。ゲームの場合、各ヒロインのルートになると、他のヒロインはほぼ出番がありません。この辺りは忘れられないようにアニメはちょくちょく出しています。
たくやと神奈の公園でのシーンですが、鳥の話や犬との絡みなど、ここはほぼ100%原作通りでした。あらゆるところを原作から改変しているアニメなのでこれは予想外。ここは神奈の性格や考え方が分かって良いシーンでした。
神奈の援交が学園にバレる
神奈が援交している瞬間の写真が学園の掲示板に張り出されていましたが、これは澪の父親の汚職告発シーンと全く同じくでした。
神奈の援交告発も掲示板に張り出され、生徒が集まり、某生徒が表現の自由とのたまうところまで一緒です。並行世界や時間移動の物語だと、こうやって全く同じ状況で、人やセリフがちょっとだけ違うなんて見せ方をよくしますね。
澪の時は結城が悪者でしたが、今回は結城もたくやと一緒に止めに入る正義の味方として登場。さらに、前回お友達になった澪も加勢するなど、原作の神奈の人間関係とはだいぶ違っていました。
たくやたちの擁護も虚しく、神奈は転校(退学)してしまいました。ちなみに、神奈は書類を追跡できるだけで20回以上転校しており、なおかつ三角山を中心に円を描くように転校しているとのこと。何故こんなことになっているのかは、援交がバレることもそうですが、50年以上前に神奈が同じ姿で写っている写真を見ると想像が付きます。
原作ゲームだとこのような告発はありませんでした。学園に転校してきてから暫くすると、「あの子は援交しているって噂が…」と自然発生的に広まっていきました。そしてその噂が広がりすぎ、先生達も無視できなくなり神奈が呼び出され、そこで神奈自ら「じゃあ学校辞めます」と言い出して退学でした。
しかし、この町ってそんなに高校があるんですかね。20校以上あるのか、それとももう何巡もしているのか…。
総評
神奈が澪や結城と友達になったことにより、原作とは人間関係が少し変わっていて、この辺り微妙に話は違いますが、今回は概ね原作通りでした。原作通りというのは、原作と同じような過程できちんと伏線を順番に提示していき、回収も徐々にされ始めていると言うことです。
澪と結城が神奈の友達になっているので、このあたりアニオリを入れまくると2話必要かもしれませんが、おそらく次回で神奈のルートは終わると思います。
異世界編は賛否あるんですよね…。ゲームとして選択肢が1つも出ない1本道であること。いきなり世界が変わって衝撃だったこと。たくやが無能化することなどなど…。この辺りはアニメを追いながら話をしていきたいと思います。
こんな人にお勧め
- タイムトラベル、タイムリープものが好きな人
- 異世界ものが好きな人
- 壮大な話が好きな人
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