今回レビューするのは、この世の果てで恋を唄う少女YU-NOの第02話です。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
ちなみに、YU-NOの解説・考察は別記事にまとめましたので、気になる方はご一読ください。
先の展開のネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。
目次
あらすじ
剣ノ岬でのでき事を、たくや以外覚えていない世界。
たくやは並列世界とリフレクターデバイスについて理解する。
そんな中、継母の亜由美が、彼女の持つ機密を狙う人物に襲われる。
たくやはリフレクターデバイスを使い、亜由美を助け出そうとするが…
みどころ
- リフレクターデバイスの使い方
- アニメオリジナルストーリー
感想
リフレクターデバイスのチュートリアル
今回はリフレクターデバイスの効果や使い方がわかりやすく提示されていました。原作では最初の空き缶のシーンや、ヤクザに3度立ち向かうシーンはなかったのでアニオリです。空き缶を蹴ったり、持つ持たないで実験をしていました。
今回わかったリフレクターデバイスの効果は下記の通りです。
- 小さい宝玉を押してセーブ
- 鏡を押してロード
- 押した宝玉は光る
- セーブしても小さい宝玉は消えない
- 持ち物はそのまま
- 傷はセーブ時点の状態に戻る
- 記憶は保持する
原作のゲームでは、宝玉を使用(セーブ)するとリフレクターデバイスから消え、その時点に再度戻ると宝玉が戻りました。つまり時空間のどこかに目印として固定され、宝玉の物体としては消えたんです。しかし、今回のアニメを見ると小さい宝玉を押すだけでセーブができ、消えることもないみたいです。また、ロードは鏡を押すんですね。押した宝玉は光るので、この辺りもアニメで分かりやすくしたようです。
まあ、宝玉がゲームのようにいちいち消えてしまっては、『リフレクターデバイスに全部填めた状態』にするには、集め直ししないといけませんからね。アニメでそんな時間はありませんし、そもそもそんな描写は無駄です。ゲーム的には面白いんですけどね。
親父の解説
夢の世界で父親が出てきましたが、並列世界は無数に存在することや時間が可逆であることが説明されていました。要所要所でこのように父親が夢に出てきて世界観の解説をしてくれます。
今回驚くことに父・有馬広大の顔が思い切り出ました。原作ではほぼ顔が見えず、リメイクされたゲームでも眼鏡が光っていて顔は分からず目も出ませんでした。しかし今回、バッチリお目々も出て顔がハッキリと分かりました。
個人的な感想としてはちょっと拍子抜けしました。もうちょっと威厳のある顔をイメージしていたのですが、取って付けたようなちょび髭ですか…。なんと言うか特徴のない無個性の顔です。
父親の書斎に荷物がある
原作では父親の書斎には鍵が掛かっており、ここに『いつ入れるか』で物語はとても大きな分岐をするのですが、アニメでは鍵が掛かっておらず普通に入れてしまいました。さらに、書斎にはたくや、澪、結城の3人で入り整理するアニオリ展開。
「あれ?じゃああの重要な例のアイテムどうするんだ?」と思ったら、書斎の机の1つに鍵が掛かっていてそのまま放置だったので、原作では『書斎の鍵をいつ開けられるか』だったことが、アニメでは『書斎の引き出しの鍵はいつ開けられるのか』になったようです。何故こんな変更をしたのはいまいちわかりませんが…。特に物語に破綻はなさそうです。
ちなみに、OPのアニメで出てくる掛け時計はこの書斎の物です。意味ありげに何度も何度もアップになっていていました。知っている方はニヤッとしたでしょう。
境町のタタリ
境町に噂されるタタリが今回話に出てきました。これもなにげに重要です。このような都市伝説や噂、父親のトンデモ学説が実は本当で…となり、その真実に迫っていく過程がYU-NOは面白いです。
澪のツンツンが弱い
原作では時間的制約も文字数の制限もないため、たっぷり時間を掛けて膨大なテキスト量で澪がツンツンしている様子と、そこから段々デレていく様子が描かれています。しかし、アニメは時間の都合上でしょうが、澪がツンツンする様子がほぼなく、いきなりたくやと家に行き、普通に和やかに会話していました。ただ、今描いているのは亜由美ルートなので、これが澪ルートになるともう少しツンツンしている様子やデレていく過程が描かれるのかなと思います。
400年周期説
父親の書斎で父親が提唱していた400年周期説の話が出ていました。簡単に説明すると、日本には400年ごとに大変革が起こるとの学説です。
YU-NOの舞台はゲーム発売と同じ1996年です。今にアニメにするのだから、設定を現代に変えても良いのではないか…と思われている方もいると思いますが、この400年周期説を軸に話が回るので、どうしても舞台は2000年を超えてはダメなんです。
ちなみに日本ができるにあたり、渡来人の影響が大きかったと作中出てきましたが、渡来人とは中国や朝鮮半島から来た人のことではありません。これも重要なパーツになるので、後々きちんと説明されます。
港の倉庫街で亜由美が襲われる
原作では亜由美は公園でヤクザに襲われていましたが、アニメでは港の倉庫街で襲われていました。何故変更したのでしょう。原作では亜由美が公園に呼び出されて資料を奪われ、そこに偶然豊富が現れて助けられるとの流れでした。この偶然性を嫌ったのでしょうか。倉庫街には仕事関係で亜由美が出向いたと警備員が言っていたので、ここに豊富が現れるのは自然になりますからね。
ちなみに、原作ではジオ・テクニクスの女性警備員が頻繁に登場しますが、名無しのモブキャラです。ストーリーには関わってきません。
主人公の行動が軽いのが気になる
今回気になったのは主人公の言動が軽すぎることです。亜由美がヤクザに襲われているシーンでは、たくやがお手軽にリフレクターデバイスを使用し、時間(正確には別世界)を行ったり来たりしていました。
この表現方法の意図は分かるんです。視聴者にリフレクターデバイスとはどのような物なのか、どうやって使うのかをわかりやすく提示したかったのだと思います。ただ、それにしてもヤクザとは言え、名もなきモブキャラに3回も無策でやられるとは…。馬鹿すぎると思ってしまいます。
1回目はそのまま本当に無策で突っ込んでやられ、2回目は鉄パイプを持って飛びかかるもやられ、3回目は原付で突っ込むも自爆。たくやって剣道部主将で、それもかなり強かったはずですし、原付で突っ込んで自爆って…。知性のかけらも感じません。この先YU-NOのアニメ大丈夫でしょうか…。不安です。
3回目にたくやが倒れた後、救世主豊富が登場。とは言え、あの嫌みな豊富ですからね。ヤクザが言っていた「こんなのシナリオにあったか?」と合わせて考えると、どういうことなのか初見でもわかると思います。
アニメオリジナルのストーリーが半分くらいあった
今回は少なくとも半分くらいはアニオリでした。相当大胆に原作の流れを再構成しています。ゲームとアニメの媒体では伝え方が変わるので、改変自体に文句を言う気はさらさらありません。漫画原作のアニメとは違い、ゲームで複数あるルートを1本にまとめないといけませんから、改変はやらざるを得ません。ただ、どう改変するのは制作会社や脚本家、監督の腕の見せ所のはず。今後上手くまとめてくれることを期待します。
今後に不安が残る内容
率直に言って、今回のできは今後に不安を残す内容だと感じました。たくやの行動が軽くて知性や悩みが感じられないこと。シリアスなシーンでもシリアスに見えない演出。この辺りは不安です。
ただ、同じ系統のシュタゲの場合も、9話くらいまで深く考えずにDメール(過去にメールを送ること)を使用し、秋葉原の街が激変してことの重大さに気付いてから段々とシリアスになりました。それまでは前振りで、物凄く面白かったかと言えば微妙でした。このYU-NOもこのシュタゲのように、段々と事態の深刻さに気付き、言動も重くなっていくと良いのですが…。
総評
前回は登場人物の紹介回で、今回はリフレクターデバイスの使い方(チュートリアル)回でした。1話と2話はストーリーを推し進めると言うより、物語の根幹を成す登場人物とリフレクターデバイスの使い方の説明だったので、ここまでがプロローグと言ったところでしょうか。本格的に話が動き出すのは3話からだと思います。
今描かれているのは亜由美ルートです。次回で亜由美のバッドエンドを描き、その次にトゥルーエンドになると思います。次回でこのような軽い空気、演出だったら今後もっと不安になるかも…。逆に次回きちんとシリアスに描けていればある程度安心できるかなと…。
こんな人にお勧め
- タイムトラベル、タイムリープものが好きな人
- 異世界ものが好きな人
- 壮大な話が好きな人
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