漫画全話レビュー「めぞん一刻 第147話「いきなり管理人」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1987年1月15日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1986年10月4日 五代裕作、一刻館に管理人代行に就任

 

この頃の出来事
  • 1月1日 – 中国・北京の天安門広場で学生数百人がデモ。
  • 1月5日 – 日産自動車がパイクカーの「Be-1」を期間限定で発売。
  • 1月17日 – 日本初の女性エイズ患者を神戸市内で確認、同女性は確認3日後に死亡するも、100人以上の男性と性交渉していたことが明らかになり、同市を中心に「エイズ・パニック」が広がる。
  • 1月21日 – 『タイガーマスク』、『あしたのジョー』などで知られる、漫画原作者の梶原一騎が死去。
  • 1月27日 – 関西国際空港着工。

 

あらすじ

響子さんを迎えに行って5日、相変わらず響子さんは居留守を使って出てきません。管理人不在となった一刻館は、その数日間で足の踏み場も無いくらい荒れ果ててしまい、訪ねてきた音無老人は、急遽管理人代行を五代君に頼みます。一刻館に新しい管理人を雇ったと知った響子さんは、自分が帰る場所が無くなってしまうと焦りを隠せません。

 

みどころ

  • 五代君の管理人業務
  • 響子さんの帰れなくなる焦り

 

はじめに

今回は五代君が5日連続で響子さんを迎えに来るも受け入れてもらえず、管理人代行を任せられたことにより6日目には行けず、次は話を聞いてやろうと思う響子さんの思いが空振りになる回です。また、管理人代行が五代君だと知らない響子さんは、新しい管理人が就任してしまったと思い、帰る場所が無くなると焦ってしまいます。響子さん結局帰りたかったのね…。

 

五顧の礼

私の大好きな三国志の話で、劉備玄徳が諸葛亮孔明を配下に迎え入れるために、わざわざ君主自ら3回も諸葛亮孔明の家へ訪ねる話がありますが、今回の五代君はそれ以上で、5日連続で響子さんを迎えに行っていました。この五代君を見て、響子さんは明日は話を聞いてあげても良いかなと思うのですが、6日目に五代君は来ません。何故なら荒れ果てた一刻館をどうにかするために、管理人代行に就いてしまったからです。この辺りのすれ違いもめぞん一刻ですよね。あと少しのところで上手く噛み合わず喧嘩、すれ違い、行き違い。

 

 

荒れ果てる一刻館

響子さんが一刻館から出て行って5日、つまり管理人不在になって5日ですが、たったこれだけの間に、一刻館の廊下は、足の踏み場も無いほど、お酒の空き缶やつまみの空き容器でいっぱいに…。一刻館の住人って本当に駄目人間なんですね…。管理人なんていてもいなくても大して変わらないような気もするのですが、一刻館に限っては、きちんと管理、運営してくれる管理人がいないと生活もままならなくなる模様。しかしお世辞にも綺麗とは言えないであろう廊下で宴会とは…。

 

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一方その頃お父さんは、響子さんが家出をしたことを大家の音無家に報告。本人が管理人を辞めたいと言っていると嘘を付き、無理矢理一刻館から引き離そうと工作。以前もこうやって響子さんの意志を無視し、管理人業務を辞めさせようとして大揉めしているのに懲りないです。そしてそれを聞いた音無老人は一刻館の様子を見に行くのですが、荒れ果てた惨状に愕然とし、管理人を雇おうとするのですが、そこで昼間は暇だった五代君に代理として就いてもらうことに。実はここで管理人代行に五代君を推したのはなにを隠そう四谷さんでした。

 

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当然新しい管理人を正式に雇えば、のちに響子さんが心配するように、本当に響子さんは一刻館に帰れなくなる可能性があります。それを知ってか知らずか、四谷さんのファインプレーで最悪の事態は避けられました。四谷さんは人の嫌がることばかりをしているのですが、賢太郎の運動会で両親を走らせるように工作したり、今回の管理人代行に五代君を推したり、重要なシーンでは四谷さんが助ける役割をいくつかしています。四谷さんは他人の管理人が就任すると、響子さんが帰りづらくなるので、わかってこの提案をしたんだと…思いたいです。一応四谷さんは、響子さんに世話になっていることを感謝している事を伺わせるシーンが、過去にちらっとだけ出てきましたし、五代君に集っている額も数十万単位だと思うので、ここは恩を感じて四谷さんが…であって欲しいです。

 

迎えに来ない五代君

5日連続で迎えに来た五代君を見た響子さんは、明日(6日目)は会って話を聞いてあげようかなと思っていたのですが、前述したように、一刻館の管理人代行に就任してしまったため、当然来られなくなってしまいました。そこで見せる律子さんの響子さんをからかう言動、プリプリ怒る響子さん。またしても前回に続きこの2人の会話は面白いです。この辺りの女親と娘の遣り取りや空気感って、作者が女性であるが故のものなんでしょうかね。

 

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そして音無老人は、響子さんに一刻館のことは心配しないようにとの意図で、一刻館に管理人(代行で)(五代君)を置いたからと電話で伝えるのですが、音無老人も言葉が足りない…。この世界の登場人物は皆言葉を省略しすぎです…。丸括弧のふたつを伝えなかったことにより、響子さんはすっかり一刻館に正式な管理人が就任し、自分が帰る場所が無くなると青ざめてしまいます。五代君と響子さんが付き合っていないのに濃密な時間を過ごせたのは、一刻館の管理人と店子だからで、一つ屋根の下に暮らしていたからです。この一刻館と言う接点が無くなると、途端に五代君と響子さんの接点はゼロになるんですよね。

 

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また、もう少し運命と言うことを考えてみると、元々響子さんが惣一郎さんと結婚していなければ、音無家の所有する一刻館の管理人に就任することは無く、五代君と出会うこともありませんでした。大好きな女性に昔他に好きな人がいて、結婚していたのは決して喜ばしい事では無いのですが、響子さんが惣一郎さんと結婚していなければ、そもそも五代君と出会うことすら無かったわけです。響子さんと惣一郎さんの結婚は、五代君にとって絶対に必要だったんです。

 

おわりに

管理人さんが一刻館を家出して6日がたちました。先週からラストスパートとして週刊連載が始まったことにより、時間が大きく飛ぶことが無く、1週間の出来事をじっくり1話に表現出来るようになりました。ここから読者は密度の濃い五代君と響子さんの結婚までの話を読んでいけるので有り難いですね。

 

しかし響子さんの家出はやはり一時的な物で、最初からから一刻館に帰るつもりだったんですね。まあ当然と言えば当然ですが、職場放棄を大家の音無老人に無断で1週間してしまってはね…。これでも音無家の誰も文句を言わないところを見ると、響子さんと音無家の関係はよっぽど良好だったみたいです。

 

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