漫画全話レビュー「めぞん一刻 第118話「犬詣」」 評価はまだありません

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掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1986年1月15日号

 

アニメでは

 

時系列とでき事
  • 1986年1月1日 三鷹瞬、犬嫌いを克服

 

この頃のでき事
  • 1月1日 - スペインとポルトガルがECに加盟。
  • 1月7日 - レーガン大統領、対リビア経済制裁発表
  • 1月21日 - 朝日麦酒が「ニューセンチュリー計画」を発表し、CI導入(1989年、「アサヒビール」に社名変更)。翌日の新聞にはCI導入の広告が掲載された。
  • 1月24日 - ベトナム・ラオス国境画定協定調印。
  • 1月28日 - スペースシャトルのチャレンジャー号爆発事故、乗組員全員死亡。
  • 1月31日 - 福岡市地下鉄箱崎線の馬出九大病院前駅 - 箱崎九大前駅間が開業。

 

あらすじ

犬が嫌いなことにより、響子さんとあと一歩のところで近付けなかったり、明日菜さんにお見合いのお断りを切り出せず、これではいけないと犬嫌いを克服した三鷹さん。偶然神社で五代君と響子さんに出会い、迷子の惣一郎さんを探し、頭を撫でて自分は納得するのですが…。

 

みどころ

  • 三鷹ささん犬嫌いを克服する
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はじめに

さて、遂に前回八神が退場したことにより、物語は佳境の第3部へと突入します。ここからは切ない話が満載で、メインの登場人物である五代君、響子さん、三鷹さんの関係に決着が付いていきます。最初の頃はお祭りが毎日続くようなドタバタコメディだったんですけどねえ。ここからは切ない大人のラブストーリーです。最初の頃の空気が嘘のように変わりました。

 

作者の高橋留美子さんは、うる星やつらのようなSFコメディ、ちょっとしたホラーの人魚の森、そしてラブコメの金字塔であるこのめぞん一刻と多彩な漫画を世に送り出しているのですが、めぞん一刻だけを見ても、ドタバタコメディ、ラブコメ、ラブストーリーと、1つの作品で3つのジャンルを楽しめる漫画になっています。もうあの頃のドタバタコメディが戻ってこないことに、少し切なく思うことはありますが…。

 

説明不足

めぞん一刻の面白さの肝は、勘違いやすれ違いなのですが、それが何故起こるのかと言うと、登場人物がきちんと自分の気持ちや状況、なにをしたいのかを説明しない説明不足だからです。そして今回もこの説明不足から来る面白さが話の中心となりました。

 

三鷹さんは特訓をして犬嫌いを克服したのですが、そのことは周りの誰も知りません。注釈を付けておくと、アニメでは三鷹さんの犬嫌いを一の瀬さん、四谷さん、朱美さんの一刻館住人は知っていたのですが…。これはちょっと物語の性格上おかしくて、「こんな面白いこと」を一刻館住人が放っておくわけはなく、そうこうしているうちに響子さんに伝わるのが必然なのですが、余計なオリジナルを入れてしまって、少しめぞん一刻の世界がおかしくなったなと感じました。と、まあこれは横道なので置いておいて、犬嫌いを克服するも何も、そもそも事の出発点である、「三鷹さんが犬嫌い」と言うことを五代君以外誰も知らないので、三鷹さんが惣一郎さんの頭を撫でたからと言って、「…でなに?」となるんですよね。

 

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ところが三鷹さんは、自分の最大の弱点である犬嫌いを克服したことに満足感を得ているため、相手が理解しているかどうかは全く考えておらず、この五代君と響子さんのポカーン状態と、三鷹さんの満足そうな態度とが対比されて滑稽でした。

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犬嫌いを克服

何はともあれ、これで三鷹さんの犬嫌いは克服されました。響子さんとの障害がなくなったと同時に、叔父さんも言っていましたが、明日菜さんとの障害も無くなってしまい…。この点について三鷹さんは、「明日菜さんと障害が無くなった」とは考えておらず、「明日菜さんとの”お見合いを断るのに”障害が無くなった」と思っています。

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これはめぞん一刻ですからね。これまで物語を読んできたのならば、そうは三鷹さんの思惑通り行かないのはわかるはず。

 

総評

しかし、最初にギャグ要素として入れてきた「三鷹さんの犬嫌い」が、ここまで物語の重要な位置づけになってしまうとは思いもしませんでした。おそらく最初は、大の男が犬嫌いなんて滑稽だよね的お約束だったと思うのですが、まさか人生を左右する話に発展するとは…。

 

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