目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1983年3月15日号
アニメでは
時系列とでき事
- 1983年2月15日-3月 七尾こずえ、五代君が手を出してくれないことに疑問を感じる
この頃のでき事
- 3月1日 - 鈴木自動車工業が「RG250γ」を発売。
- 3月7日 - 隣人訴訟で、全国から卑劣な嫌がらせが殺到したため、原告が訴訟取り下げ。
- 3月8日 - ロナルド・レーガン米大統領が一般教書演説中に悪の帝国発言を行う。
- 3月13日 - 東北大学医学部、日本最初の体外受精による着床成功を発表。
- 3月16日 - 徳島ラジオ商殺し事件で、高松高等裁判所が日本初の死後再審開始を決定。
- 3月22日 - 福岡市地下鉄空港線の室見駅 - 姪浜駅間と中洲川端駅 - 博多駅(仮駅舎)間が開業。
- 3月24日 - 中国自動車道が全線開通。
- 3月24日 - 大阪府枚方市にTSUTAYAの1号店「蔦屋書店枚方駅前店」がオープン。
- 3月25日 - 宝塚歌劇団によって「春の踊り -南蛮花更紗-/ムーンライト・ロマンス」(第69期生の初舞台公演)が上演される。
- 3月28日 - 沖縄市にてコンサート中の人気歌手・松田聖子に、暴漢が凶器を使い暴行する事件が起こる。
- 3月31日 - 京セラ、ヤシカの吸収合併発表。
あらすじ
今日も今日とてこずえちゃんとデートに行く五代君。いくらデートをしても一切手を出してくれない五代君にこずえちゃんは疑問を抱き、なんとなく三鷹さんに相談をします。最近こずえちゃんと三鷹さんが会ってい
みどころ
- こずえちゃんにヤキモチを焼く五代君
- ネンネのこずえちゃん
はじめに
久々にアニメになった話です。
今回は今まで読者がずーっと疑問だった、「五代君は全く手を出さないのにこずえちゃんは付き合ってると思っているのか?」との疑問に、ある程度答える回となっています。また、五代君、こずえちゃん、三鷹さんの三角勘違いが絶妙な話でもあります。
五代君とこずえちゃんの不思議な関係
今更なのですが五代君とこずえちゃんの関係はもの凄く特殊です。お互い一度も相手を好きと言ったことはなく、手を繋ぐのもごくごく希にしかなく、それでいて五代君は七尾家に頻繁に食事に行き、家族公認の仲であり、定期的にデート(にしか見えない)をしています。
五代君の本命は当然響子さんなので、こずえちゃんは良いお友達兼金づるならぬ「食事づる」なので、手を出さないのは当たり前なのですが、こずえちゃんの中では五代君と付き合っていることになっているのに、限界が手を繋ぐことで、それも全てこずえちゃんからです。これに読者はずっとこずえちゃんの頭の中ではこの関係はそう処理されているのか疑問だったんです。
しかし今回、遂にそのタブーとも言うべき、「手を出してくれないのはおかしい」との結論に至るこずえちゃんの内心が明かされていました。流石にこの関係で付き合っていると思い込むのは、いくらコメディとは言え無理がありますからね。1度こういう形で表に出して、どうなっているのか処理させたんだと思います。
こずえちゃん×三鷹さん
こずえちゃんは作中、ほとんど五代君とばかり絡むのですが、今回はなんとなく通りかかったテニスコートで見掛けた三鷹さんに相談していました。こずえちゃん×三鷹さんの組み合わせは非常に珍しいです。まともにこの2人が会話したのはこの話だけじゃないでしょうか。それくらい関わりが全くない組み合わせなんです。
そしてろくに会話したことの無い三鷹さんの懐に入り込み、恋の相談をしてしまうこずえちゃんの人見知りのしなさや無邪気さは、こずえちゃんの性格を良く表しています。
三鷹さんはいい人
ここで相談された三鷹さんは、ろくに面識のないこずえちゃんの相談に真面目に乗ります。勿論、そこには五代君とこずえちゃんがくっつけば、響子さんが自分を選ぶとの計算もあったのですが、それにしてもやはり三鷹さんは良い人なんです。なにせ相談に乗るのを了解したのは、五代君関係の相談だと分かる前ですから。
そしてもう一つ三鷹さんの良いところは、こずえちゃんに全く手を出そうとしないところです。三鷹さんの好みとはまるで違うとの理由はあるのですが、翻って五代君を見ると、響子さんが本命なのにこずえちゃんにキスをしようとしたり、大学のコンパで行きずりの子とホテルに行こうとしたり、北海道旅行で知り合った子と良い感じになったり、実は五代君の方があっちにちょっかい、こっちにちょっかい出しているんです。まあただこれは三鷹さんの場合、描かれていないところであんなことやこんなことをしているのかも知れませんが…。
五代君、こずえちゃん、三鷹さんの勘違い
今回の勘違いは1話を通して緩やかに繋がっていき最後に落ちました。
- こずえちゃん→三鷹さん「五代君が手を出してくれないと相談する」
- 三鷹さん→こずえちゃん「手を出さないのは大事にしているって事だよとアドバイス」
- 五代君→こずえちゃん・三鷹さん<こずえちゃんと三鷹さんのデートを目撃>
- 三鷹さん→五代君「(デートの)別れ際くらいしっかりしろとアドバイス」
- 五代君→こずえちゃん「(男女の)別れ際くらい肩を抱いて終わろう」
- こずえちゃん→五代君「手を出してくれて嬉しい、五代さんは私のこと好きなんだ」
情報の一部を伝えない。それぞれが心に違うことを思っている。それでも会話が成り立ち、誤解したまま行動して何故か丸く収まる。めぞん一刻のパターンです。
伝言ゲームのように話が曲がって伝わっているのに、何故か最終的には三者共に丸く収まってしまいました。不思議で面白い話です。
なぜ丸く収まったのか、そしてどういう流れでそうなったのかは、五代君たちは将棋の感想戦よろしく、お互いの気持ちを突き合わせて会議することもないので永遠に分からないんですよね。読んでいる読者だけがこの可笑しな流れが1本線で繋がっているのを知っているニンマリ感。神様目線です。
総評
今回は、五代君との関係をこずえちゃんが脳内でどう処理しているんだとの読者の長い間の疑問にある程度回答した回でした。三鷹さんの「大事しているから手を出さないんだよ」とのアドバイスも重要で、こずえちゃんはずっと五代君はこのスタンスで自分に接しているんだと思うことになります。
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