漫画全話レビュー「めぞん一刻 第026話「家族の焦燥」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1982年3月15日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1982年2月 音無響子の両親登場、管理人引退を画策

 

この頃の出来事
  • 3月1日 – テレビ東京で初の系列局であるテレビ大阪開局。
  • 3月15日 – トヨタ自動車が「ビスタ」を発売(1980年に発売された「カムリ」の姉妹車)。
  • 3月21日 – 札幌市営地下鉄東西線の白石駅 – 新さっぽろ駅間が開業。
  • 3月27日 – 韓国プロ野球が開始。
  • 3月29日 – メキシコのエルチチョン山が大噴火。火砕流が発生した他、エアロゾルで世界の平均気温が0.3℃程低下。死者2000人以上(1万7000人が犠牲になったとされる資料もあり)。
  • 3月30日 – 山陽自動車道の龍野西IC – 備前IC間開通(山陽自動車道では最初の開通区間)。
  • 3月30日 – 朝日麦酒の飲料子会社として三ツ矢フーズ設立。
  • 3月31日 – フジテレビ系の朝のワイドショー「小川宏ショー」が17年の歴史に幕。

 

あらすじ

老朽化が進む一刻館。そんな一刻館に響子さんの父親がやってきて、五代君に不審者と間違われてしまいます。その後実家に呼び出された響子さんは、両親に一刻館の管理人を辞めるように迫られるのですが…。

 

みどころ

  • 響子さんの両親初登場
  • 響子さん家族の異様な関係
  • 素の響子さん

 

初登場人物

  • 千草律子
  • 響子の父

 

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はじめに

今回は初めて響子さんの両親が登場し、響子さんと両親の特殊な関係が判明しました。また、父親は不審者、母親は強気の性格で、初登場にもかかわらずキャラが強烈で印象的でした。

 

そして響子さんの素の状態が初めて描かれましたが、これはこれで可愛いんです。

 

一刻館はオンボロ

冒頭で一刻館がボロボロとの描写が出てきましたが、当時でもやはり古臭く、ボロボロのアパートってことだったんですね。

 

そんな一刻館に不審者が現れたので、五代君は響子さんに報告するのですが、この人こそが響子さんの父親であり、未来の義父であるその人でした。最後まで名前は出ませんでしたが…。母親の律子さんは出たのに…。

 

何故かこずえちゃんに相談

五代君は響子さんのこの複雑そうな家庭環境のことを、響子さんの名前を伏せてこずえちゃんに相談するのですが…。こういうことがこずえちゃんを誤解させる要因なんですよね。そりゃあ「親に結婚反対されたらどうする?」と聞かれれば、自分との結婚考えてるのかなって思いますよね。

 

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手すら握ったことのない関係で、自分との結婚を考えていると思うこずえちゃんもこずえちゃんではあるのですが…。こずえちゃんは両親が言うようにネンネだからなんでしょう。

 

ちなみにこのこずえちゃんの「ぐぐっ」などの高橋留美子さんの擬音大好きです。

 

両親は一刻館の管理人を引退させたい

この確執はずっと続くのですが、響子さんの両親は一刻館の管理人を辞めて欲しいんです。ただそれぞれに思惑は違います。

 

響子さんのお母さんの場合

響子さんのは母親の場合、何故一刻館の管理人を辞めて欲しいかと言うと、音無家に縛られ再婚の障害になるからです。基本的に律子さんは響子さんの再婚を望んでいます。そのために障害になる音無家との関係を断ち切ろうとしています。

 

響子さんのお父さんの場合

響子さんのお父さんの場合、何故一刻館の管理人を辞めて欲しいかと言うと、単純に可愛い娘を手元に置いておきたいからです。律子さんと違い、娘の再婚には大反対です。何故かと言えば、前回の惣一郎さんとの結婚がすぐに死別で終わり失敗したからです。この辺はお父さんの感動話で随分あとに話が出てくるのでまたその時に。

 

両親共に一刻館の管理人を退いて欲しいと思っているのは全く同じなのですが、その中身を見てみると随分違うことが分かります。

 

素の響子さん

一刻館での響子さんや、五代君や三鷹さんと対するときの響子さんは、「○○ですわ」や敬語などで上品な女性なのですが、実家に戻って両親と話すときは、股を開き乱暴な言葉になります。しかしこれが普通ですよね。逆にこのギャップがたまりません。

 

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ただ、響子さんと結婚してそこが「家」になったら、この素の響子さんが大半を占めるようになるんですよね…。律子さんの性格も受け継いでいるはずですし…。

 

オチが秀逸

今回は今までと比べてもオチが秀逸でした。

 

冒頭に出てきた一刻館はボロボロとの話を最後にも再度使い、響子さんは「いや、でもまだこんなところが一刻館の良いところ」と思い込もうとするのですが、響子さんの心を見透かしたように、次々と裏切られていくその畳みかけるようなオチは思わず吹き出してしまいます。

 

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こういった次々と起こる出来事を1話丸ごと使ってだとか、数ページにわたって表現するのならなにも驚かないのですが、高橋留美子さんの場合、このいくつものギャグのアイディアを惜しげもなく数コマだったり、会話1,2回の応酬に詰め込んでしまうんです。この密度とテンポの良さは高橋留美子さん独特であり、その中でもこのめぞん一刻が一番色濃く出ている漫画だと思います。

 

おわりに

この一刻館引退エピソードは、めぞん一刻初で4話にわたって続く話となります。この4話で一気に響子さんと両親の関係を掘り下げます。

 

めぞん一刻初期は基本的に1話完結のドタバタコメディなので、このような完全に続き物はこの頃珍しく、完全に続き物の話としてはめぞん一刻では初めてのエピソードになります。だからこそこのエピソードは初期の中でも特殊な位置付けになっています。それだけ響子さんと両親の関係はきっちり描きたかった、または必要性があったんでしょうね。

 

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