アニメ全話レビュー「寄生獣 セイの格率 第23話 「生と誓」」 評価はまだありません

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全体のあらすじ

平凡な高校生である泉新一は、ある日突然飛来してきた「パラサイト」の襲撃を受ける。間一髪で脳への寄生は免れるが、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活が始まることに―。周囲に真実を話すことができず悩んでいた新一だが、やがて新一とミギーは友情に近いものを感じるようになっていく。

 

しかし、新一とミギーの前には他のパラサイトが現れ始め、次々に人を殺し、また人がパラサイトを殺す事態に発展。新一の同級生・里美にも危険が迫る。その中で、高校教師として目の前に現れた田宮良子らパラサイトたちにもそれぞれの価値観が生まれ始める。 「われわれはなぜ生まれてきたのか?」

 

地球を壊し続ける人間たちを淘汰するために生まれてきたというパラサイトたち。そのパラサイトを殺し、生き延びようとする人間たち。「果たして生き残るべきはどちらなのか?」それでも、地球を、そして愛する人を守らなければいけない。ゆらぐ価値観の中で、新一とミギーはパラサイトとの戦いに身を投じていく。

 

今回のあらすじ

一軒屋に住んでいた老婆は自らを美津代と名乗り、新一を暖かくむかえいれてくれた。生に対して自棄になっている新一に激しい口調で檄を飛ばす美津代。そんな美津代の言葉を後にして後藤と決着をつける為、山へと戻る新一。薄暗い山の中、当てもないはずなのに新一の方が先に「後藤」を発見するのであった。

 

原作漫画だと

  • 第61話 「異形」
  • 第62話 「朝」

 

サブタイトルの元ネタ

サブタイトルは書籍名から取っているのですが、今回はこちら。

 

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原作漫画との違い

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後藤が不法投棄のトラックに注意を向けているシーンがカット。これは致命的なカットででした。

 

今回は原作漫画2話

今回のアニメは原作漫画2話分でした。前回約4話分やったので、それに比べればスローペースに思えるのですが、今回の2話分は、原作漫画でもおそらく最も文字数、特に新一のモノローグが多い話だったので、それでも窮屈な感じがしました。

 

致命的なカット

原作漫画とアニメが全く同じなるなんて事は、メディアの違いや時代の違いにより、元々期待していないのですが、それでも原作漫画が伝えたかったことや、メッセージ性の重要な部分で、ここはカットしちゃ駄目ってポイントがあるのですが、今回それをやってしまった感じがあります。

 

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新一が後藤の鎧の「隙間」に、鉄の棒を突き刺すシーンなのですが、本来原作漫画では、戦いの最中に不法投棄のトラックが来て、パトカーと一悶着あり、それに気を取られていた後藤の隙を突いての、いわゆる「ラッキー」で新一が鉄棒を突き刺せたのですが、これがなくなってしまったことにより、後藤が単なる「弱い奴」になってしまいました。

 

後藤にはどうやっても勝てない、もう諦めた…そんなときに、たまたま来た不法投棄のトラックに気を取られ、一瞬できた隙を突いた「不意打ち」だったわけですが、アニメだとそれがなかったため、正面から戦って後藤に勝った事に…。

 

その後現場から立ち去る際に、ミギーが「最強生物後藤」と言うのですが、前回から続く大幅なカット、淡々と進む展開、新一やミギーが逡巡する間がなかったことで、最強生物と言われてもピンと来ない感じになってしまいました。

 

このようなことや、前回のダイジェストのような駆け足の内容により、後藤が最強生物であること、無敵であること、到底かなわない相手であること、そして絶望感が上手く伝わっていないと思います。

 

やはり「間」がない

これは前回も感じたことなのですが、やはり今回も「間」、「タメ」がなくて凄く気になりました。

 

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会話と会話の間のタメ。モノローグ間の「タメ」。これがほぼないので、逡巡する様が見えず、淡々と進んでいるように感じました。簡単に言うと悩んでいる様子が見えないんですよね。

 

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「間」や「タメ」をもう少し説明すると、原作漫画の「…」部分のことです。

 

漫画でも小説でも、よくこの「…」(三点リーダー)が使われるのですが、これって、言葉には出さないものの、頭の中で逡巡している表現なんですよね。漫画を読んでいる人も、ここは脳内で「間」を取るところだと思います。ところがこのアニメの前回と今回では、この「…」がほとんどないんです。

 

  1. 「そうか……きみがそう決めたんならそれでいいだろう……じゃ行こう」
  2. 「そうか、きみがそう決めたんならそれでいいだろう、じゃ行こう」

 

間がある(1)と(2)ではだいぶ味わいが違うと思うんです。

 

(1)の場合、「納得はしていないけど仕方ない」との思いがハッキリ見て取れるのですが、(2)の場合、「あっそ、じゃあ行こうか」的な淡泊な感じになっちゃうんです。前回と今回は淡々と、そして淡泊に進む、間がないと言っているのはこのことなんです。気にしすぎかも知れませんが…。

 

私は漫画や小説を読むとき、この「…」は重要な「感情」として処理しながら読んでいるので、この間のなさは凄く気になってしまいました。

 

前回はおよそ4話分、今回は台詞が多い回を2話分放送したことからもわかるように、ここに来て最終回までに全ての原作漫画の話を収めるため、急いで進めているため、ここに来てピッチが急激に上がり、「間」が取れなくなったんだと思います。

 

話の切り方(どこで1話を終わるか)を見ても、細かく計算して進めていたとは思えないので、ここに来て無理が出たんでしょうね。完全に完結している話なのですから、制作を始める前に緻密にペース配分を計算して然るべきだと思うのですが、ここまで見てきた限り、多分それをやっていないか、もしくはできていませんよね。

 

殺すべきかどうか

新一は後藤を殺すかどうか迷いに迷って最後は謝りながらとどめを刺していましたが、これって人間独特の感情ですよね。

 

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当たり前ですが、虎やライオンは殺すことを悪いと思っておらず、殺して食料にすることに罪悪感なんて感じていないでしょう。罪悪感や殺人を悪いと思うことは人間独特の感情ですよね。この辺の他の動物とは違う人間の感情や倫理観ってなに?それって本当に正しいの?との部分も寄生獣のテーマでした。

 

遂に最終回

遂に来週は最終回です。始まった当初は、最後までやりきれるのか不安だとの声も、ファンの間で聞かれましたが、なんとか全24話に収まりましたね。ラストシーンの描写についての解釈は、読者の間でも少し議論になるので、もしかしたら少し表現を変えてくるかも…。変える場合、悪い方向に行かなければ良いのですが。

 

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