アニメ全話レビュー「寄生獣 セイの格率 第08話 「氷点」」

全体のあらすじ

寄生獣 セイの格率

平凡な高校生である泉新一は、ある日突然飛来してきた「パラサイト」の襲撃を受ける。間一髪で脳への寄生は免れるが、パラサイトは新一の右腕に寄生、同化してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活が始まることに―。周囲に真実を話すことができず悩んでいた新一だが、やがて新一とミギーは友情に近いものを感じるようになっていく。

 

しかし、新一とミギーの前には他のパラサイトが現れ始め、次々に人を殺し、また人がパラサイトを殺す事態に発展。新一の同級生・里美にも危険が迫る。その中で、高校教師として目の前に現れた田宮良子らパラサイトたちにもそれぞれの価値観が生まれ始める。 「われわれはなぜ生まれてきたのか?」

 

地球を壊し続ける人間たちを淘汰するために生まれてきたというパラサイトたち。そのパラサイトを殺し、生き延びようとする人間たち。「果たして生き残るべきはどちらなのか?」それでも、地球を、そして愛する人を守らなければいけない。ゆらぐ価値観の中で、新一とミギーはパラサイトとの戦いに身を投じていく。

 

 

今回のあらすじ

アニメ「寄生獣 セイの格率」公式サイト

両親の件も一応は落ち着き、日常生活に戻った新一。ミギーの細胞が全身に散らばった状態の新一は、身体能力も飛躍的にUPし、ミツオをも軽くあしらってしまう。だがその一方で心も変化しているのではないかと苦悩する。
そしてまた平穏を取り戻しつつあった学校に忍び寄る新たなパラサイトの影が!

 

原作漫画だと

  • 第17話「変貌」途中から
  • 第18話「人間」
  • 第19話「島田秀雄」
  • 第20話「兆し」途中まで

 

サブタイトルの元ネタ

サブタイトルは書籍名から取っているのですが、今回はこちら。

 

 

原作漫画との違い

今回は第17話から第19話まで。約3話です。

 

原作漫画からカットされたり改変したシーンは主に以下の通り。

 

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ミギーと混じってしまったことにより、身体能力も動体視力も飛躍的に向上した新一には、光夫のパンチがスローモーションに見えた事と、こんな遅いならパンチ一発受けて丸く収めるかなと言うシーン。

 

涙が出なくなったと嘆く新一が、目に埃が入って簡単に涙が出るちょっと皮肉なシーン。

 

子犬の死体を土に埋めるとき、砂場で遊んでいた子供にシャベルを借りるシーン。

 

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島田秀雄が獲物を物色するシーンで、都会の着飾った女は、不純物がこびり付いて暗に美味しくないと思うシーン。そしてその後田舎から上京し立ての女を見付け、逆に美味しそうと暗に思って選ぶシーン。

 

あとはエピソードがいつもの如くシャッフルしていました。

 

田宮良子再び

名前を変えて別の生活をしていますが、田宮良子が再び物語に関与してきました。が、ちょっと変なところが。アニメの寄生獣で田宮良子が一旦退場したのが第4話。この時季節はおそらく秋から冬の11月ってところで、それは服装を見れば明らかです。

 

全話レビュー「寄生獣 セイの格率 第04話 「饗宴」」

 

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そして今回再び田宮良子が現れたのですが季節は冬。これも服装を見れば明らかです。年が明けた話が無かったのでいまいちわかりませんが、仮に年が明けても最大で2月って所でしょう。この期間はどんなに長く見積もっても4ヶ月。なのですが、田宮良子のお腹が大きくなりすぎているんですね。ちなみに原作漫画では、田宮良子が一旦退場したのが秋から冬。再度島田秀雄と共に登場したのが夏でした。これなら田宮良子のお腹が大きくなっているのもわかるんですけどね。

 

現代風にアレンジ

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加奈が新一のことを好きになっている事を描写するシーンで、新一の写真を待ち受けにしていたり、ミギーがネットから知識を得ていたり、アニメ寄生獣は現代に設定を変えているので、所々描写が近代的な物になっていましたね。

 

加奈と光夫の関係

加奈と光夫の関係はアニメでは分かりづらいですね。光夫はハッキリと加奈のことを好きと迫っている描写が無いので、いまいち伝わりづらいかも知れません。原作漫画だと完全に加奈に迫っている、もしくは元恋人の関係なんですけどね。

 

新一の変化

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前回、新一の身体能力が飛躍的に向上した描写がされていましたが、今回もそれを補足する形で、一般的に喧嘩が強いとされる程度の人間なら、片手1本でも余裕で勝てること。そして身体能力だけではなく、聴覚も非常に鋭くなり、集中すると人の鼓動や、犬の苦しそうな息づかいですら、遠くから聞こえる事を示していました。

 

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また、心理的な変化も今回見て取れました。死ぬまでは犬を労っても、死んだ瞬間に気持ちを切り替えて、それは犬の形をした肉と新一の中では変わり、ゴミ箱の中へぽいと捨てる。そしてそれを咎めた村野の言葉に対しても、何がおかしいのかわからずミギーに聞く始末。そして最後は納得して子犬の死体を土に埋めます。

 

ここで新一は人間の心理を取り戻したと思われるかも知れませんが、実は一寸違って、これも村野(人間)のロジックを頭で理解しただけであって、新一の犬の形をした肉を捨てても別に悪くないとの気持ちは、なにも変わっていないんです。

 

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この一連の新一の行動、気持ち、思考回路の変化は非常に興味深いです。特に最後は人間の心理をわかった風に子犬の死体を埋めて供養していますが、あくまで「ああ人間はこう考えるのか」と、頭で理解しただけなんです。

 

しかし死にそうな子犬を助けると言う、自分以外を思いやる人間的思考がなければこの話はなかったので、基本的に新一は人間の心がちゃんと残っているんです。

 

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以前、ミギーが人間の他人を思いやる気持ちが分からないと言ったシーンがありました。あれが今回のちょっとした伏線になっているんですね。だからこそ子犬を助けようとした(他人を思いやる)気持ちが新一にあった時点で、新一は十分人間なんです。この時の新一は自分の気持ちの急激な変化に戸惑って、その事を分かっておらず酷く悩んでいましたが、ミギーのこの以前の人間論を鑑みれば、十分人間である事が分かるんですけどね。

 

気持ちの切り替えが異常に効率的で機械的で早くなっただけなんです。でもこれは他人から見れば異常ではありますけどね。そして更に皮肉なのが、新一は人間の気持ちをミギーに聞き、それにミギーが人間らしくないと、人間の気持ちについて答えるちょっと可笑しなシーンも印象的でした。

 

ミギーと細胞レベルで融合してしまった新一は人間側なのか、はたまたパラサイト側なのか。それを視聴者に問いかける話でもありました。

 

島田秀雄

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今回遂に前半のキーになる重要人物の島田秀雄が登場しました。このことを切っ掛けに、人間vsパラサイトの構図が明確になり、真実を知っている人間側がパラサイトにどう対応するのか。また逆にパラサイト側はどう人間社会に潜り込むのか。この辺りの大局的な話へ移行していくことになります。特にパラサイトの存在が一部とは言え人間側に認知されていく様は、これからどうなるのだろうかとワクワクドキドキしました。

 

大抵こういう主人公vs怪物の場合、孤独な主人公が1人、または少数の同じ境遇の仲間と悪者に立ち向かうのがお約束なのですが、この寄生獣は人間社会や政治、自衛隊にまで話が及ぶので、話が壮大であり、しかも現実的なので面白いんです。

 

鋭い勘

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加奈のパラサイトを見分ける鋭い勘。立川の美術部員ならではの人物を見抜く勘。そして以前、田宮良子の母親が見せた、子供に対する母親の勘。この寄生獣はこういった人の勘も物語の重要な要素を占めているんですよね。

 

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寄生獣は今後、警察が出てきたり政治や自衛隊まで出てくる大きな話になり、現実社会とリンクしてリアリティがあるのですが、こういった勘が重要な要素を占めていたりと、理屈ばかりでないところも、この作品が好きな理由でもあります。物事理屈だけで成り立ってはいないですからね。

 

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