アニメ全話レビュー「機動戦士ガンダム 第01話「ガンダム大地に立つ!!」」

あらすじ

機動戦士ガンダム

宇宙世紀0079。ジオン公国の独立戦争で劣勢に陥った連邦軍は新鋭モビルスーツの開発と運用テストを“サイド7”で行っていた。それを察知したジオン公国軍のシャア・アズナブル少佐は偵察を差し向ける。その中の一人が軍功を焦り砲撃を開始。戦火に巻きこまれたアムロ・レイは、モビルスーツ“ガンダム”に乗りこむ!

 

見どころ

 

初登場人物

連邦軍
  • アムロ・レイ
  • フラウ・ボウ
  • カツ・コバヤシ
  • テム・レイ
  • ブライト・ノア
  • パオロ・カシアス

 

ジオン軍
  • シャア・アズナブル
  • デニム・ライダー
  • ジーン・ポルナレフ
  • スレンダー
  • ドレン

 

死亡登場人物

ジオン軍
  • ジーン・ポルナレフ(ガンダムに撃破され死亡)
  • デニム・ライダー(ガンダムに撃破され死亡)

 

初登場メカ

連邦軍

 

 

ジオン軍

 

 

全話レビュー開始にあたり

今更ですが機動戦士ガンダム、いわゆる1stガンダムTV版の全話レビューをします。切っ掛けはアニマックスで毎日放送が始まるからです。今までもガンダムの放送は嫌という程やっているのですが、今他に全話レビューをするようなものがないので丁度良いかなというのがひとつ。それとやはり人生の中で最も好きなアニメのひとつなので、いつかはやりたいと思っていたのがひとつ。要は(私の中での)タイミング的に、ネタとして丁度良いかなと。

 

はじめに

この1stガンダムは内容が実に面白いんです。この面白いには2種類の意味があります。話が面白いのは勿論なのですが、見る年齢や立場によって、受け止め方が変わるという、興味深い意味に近い面白さもあるんです。

 

子供の頃の私は、ただ単純に「ロボットかっけー」、「アムロつえー」、「シャアかっけー」でした。正直言って、ストーリーをあまり理解して見ていませんでした。大雑把になんか戦争をしていて、良い者がアムロで、悪い者はシャア。そこに格好良いロボットが出てきて格好良く戦う。でもシャアも格好良いな。こんな感じでした。当時、子供たちの間でガンプラが大流行したことからも、子供たちの間では、ストーリーよりモビルスーツの格好良さが受けていたことが窺えます。

 

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しかし、しばらくアニメから離れていて、高校生になった頃、たまたまガンダムを再度見たら、ストーリーが複雑過ぎてビックリした記憶があります。複雑過ぎるというのは、「子供にとっては」との枕詞が付きますが、それでも親の敵の勢力に素性を偽って潜り込み、復讐の機会を窺うシャア。そのシャアの妹でありながら、偶然敵対勢力に入ってしまったセイラ。主人公は父親の開発したMSに乗り、その父親は酸素欠乏症で脳をやられ妻とは別居。そのアムロの母は難民キャンプで新生活。軍の無能さに右往左往されるホワイトベース部隊。その他にも子供には到底理解出来ないであろうストーリーが、当たり前のように説明もなくポンポン出てきて、これが子供向けアニメかと驚きました。

 

しかし多面的な見方が出来るのがこのガンダムなので、子供の頃はほぼ「MSかっけー」だったのが、成長してから再度見ると、今度は復讐劇やライバル関係の人間ドラマへと面白さの的が移り、そして大きな戦争に翻弄されるちっぽけな人間たちのドラマへまでもが面白く思えるようになり、何層にも重なった面白さを感じることが出来ました。

 

この辺を語り出すと一晩使っても語りきれないので、全話レビュー中においおい書いていきたいと思います。

 

放送内容

3ヶ月の物語

このガンダムの話は実はたった3ヶ月の話なんです。1年戦争に突入したのが宇宙世紀0078年12月27日。終戦したのが0080年1月1日。1年戦争たる所以ですが、アムロが登場したのが0079年9月18日なので、物語中の経過時間は3ヶ月とちょっとなんですね。初めて見たときは気にもしませんでしたが、圧倒的にジオン優勢で戦局が進み、連邦はもう駄目かと思われたこのタイミングでV作戦が実行され、救世主のようにアムロが登場しました。

 

名台詞満載

「シャア少佐だって!戦場の戦いで勝って出世したんだ!」

「すごい…5倍以上のエネルギーゲインがある。」

「認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを」

 

ガンダムは富野節と呼ばれる、独特な台詞回しや倒置法がひとつの大きな特徴なのですが、この1stガンダム第1話からそれが全開でした。何故かこれ頭にズカンと響くんですよね。聞いていて気持ちが良いというか、音やリズム的にピタッと脳に填まるというか。これもセンスや才能なんでしょう。

 

のちに続くガンダムでは、この独特な富野節の表面だけをコピーしようとして薄ら寒いことになっている物も多いです。「どうよこれ?名台詞でしょ?」的な押しつけ感があります。ところがやはりオリジナルは自然に頭に入ってくるんです。いやまあ自然ではないから富野節と呼ばれるのですが…。表現の仕方が難しいのですが、わざとらしいようでわざとらしくないギリギリのラインなんです。

 

作画は…

子供の頃見たときは時に気にしていませんでしたし、他のロボットアニメもそうだったので目立ちはしませんでしたが、ガンダムの戦闘シーンは、ガンダム含めMSの金属がグニョーンと伸縮するんですよね。まるで人間の肉体のように。今見るとだいぶ違和感があるのですが、もう1周回ってこれはこれで味が合ってアリだなと思えるようになりました。これもまた楽しくガンダムの話をするときのネタになりますからね。笑いながらこういうことを話せば良いんです。その笑い方に愛があるかどうかは、聞いている、見ているこちらには分かりますからね。

 

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最高の第1話

この第1話「ガンダム大地に立つ!!」は、第1話としては完璧な話だと思います。エヴァンゲリオンの監督、庵野さんもそう評していました。庵野さん曰く「これを超える第1話を作るのは無理」とまで言わしめた話です。

 

 

ナレーションで絵を付けた状況の説明。主人公のアムロや脇役の紹介。そして規格外の新兵器の紹介。アムロ搭乗の経緯。性能の凄さを表現して初めての戦闘。これら全てを正味24分程度の話で全て消化してしまったんです。しかもこれが駆け足に見えず、無理なく流れるような話として出来上がっていました。いわゆる掴みはOKというやつです。一切無駄な部分がなく、この第1話を見て視聴者はこれからどうなるんだろうとぐっと引き込まれました。

 

また登場人物の紹介が流れるようで凄いんです。

 

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ザクで侵入したジーンが双眼鏡で覗いた先にフラウ。そのフラウが向かう先にアムロ。フラウがアムロの家から出てきたらハヤトと会う。避難中にアムロが父親と上手く行っていないことをフラウに語ると、今度はその父親のテム・レイのシーンへ。そのテム・レイに伝令に来たのがブライト。そしてそのサイド6を遠目に見張るシャア。まるで海外ドラマのERで有名な長回し1カットみたいです。これがシームレスで見せられるんです。

 

 

普通登場人物の紹介は、ブツ切れで1人1人というのが多いのですが、このガンダム第1話では、たった5分程でデニム、ジーン、スレンダー、フラウ、アムロ、ハヤト、テム・レイ、ブライト、シャア。9人程の紹介を無理なくしてしまったんです。普通9人も新しい登場人物がいるとなると、1話丸々使っても「登場人物一気に出てきてわかんねえ」って言われるんですけどね。この登場人物の紹介の仕方は上手すぎて感心します。

 

フラウの家族全員死亡

この第1話で何が驚いたって、フラウの家族が紹介されることもなく、開始15分程で全員死んでしまったことです。たった一撃のザクの攻撃で、避難中のフラウの家族は全滅。たまたまアムロの存在に気付き、道を外れたフラウだけが生き残るという…。

 

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フラウの家族は紹介されないまま死んだと書きましたが、実はその前の待避カプセルで声を出してフラウのお爺ちゃんと、その隣に母親らしき人が絵的には登場しています。彼らが死んじゃったんですね。

 

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MSの存在の大きさ

1stガンダムの世界ではMSは最新兵器であり、ジオンしか開発、運用出来ておらず、開発出来ていない連邦軍はこのMSの存在の差で、圧倒的不利な状況に追い込まれているのですが、そのMSの存在の大きさを表すシーンが、アムロが待避カプセルから出てザクと接近遭遇する場面です。

 

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人間とMSの大きさの対比もこれでわかるのですが、MSに対して余りも無力な人間がここで提示されているんじゃないでしょうか。子供の頃これを見て「ザク怖い…」と感じたことを思い出します。ザクの恐怖がよく表れていると思います。

 

また、アムロが父親の居場所を通りがかった連邦の軍人に聞くのですが、その連邦兵はアムロとすれ違った直後、十数メートル先でザクの流れ弾に当たって死亡。フラウのシーンといい、ほんの少しの差であっさり死んでしまう戦争の恐ろしさを感じます。正直この辺の生き残りについては運でしかないんですよね。

 

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説明書を読んでガンダムを操縦

アムロはたまたま落ちていたガンダムのマニュアルを読み、搭乗して操縦するわけですが…。これがアムロが凄いのか、素人にも動かせるガンダムが凄いのか、はたまたマニュアルが素晴らしいのか…。まあでもエスパーのように乗った瞬間にひらめいて操縦するよりは良いですけどね。ちなみに、第2話でアムロはサイド6でも有名なロボットオタクの少年だと明かされるので、メカを操る下地はあったんです。

 

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しかしちょっとした運ですぐに流れ弾で死んでしまう戦場にいながら、ガンダムのマニュアルを読みふけるアムロ。そして持ち去るアムロ。メカに関することになると、ちょっとネジが1本飛んでるんですよね。

 

そしてアムロが言う「5倍以上のエネルギーゲイン」。なんの5倍なんでしょうか…。永遠の謎です。

 

初めての戦闘、そしてテム・レイ宇宙へ…

今回、ガンダムが大地に立ち、アムロが初めての戦闘を経験したわけですが、初めてでもザク2機を撃破出来てしまうガンダムの圧倒的パワー、性能が強調された回でした。勿論アムロは凄いのですが、それはまたこれからの話で明らかになります。今回はガンダムという連邦が命運をかけて開発した最新MSの威力を存分に見せた話です。ただアムロの操縦技術の片鱗も少し見せていて、2機目のザクは狙ったとおりピンポイントでコックピットを貫いています。何も疑問を感じずあっさり2人をミンチにしてしまいましたよ…。

 

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そしてアムロは知る由もありませんが、この戦闘で空いたコロニーの穴に吸い込まれ、父親が宇宙へ流されてしまいました。ガンダムシリーズは悉く両親が悲惨なことになりますね。

 

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次回への期待

無事ザク2機を撃破したアムロですが、正規の軍人がほとんどやられてしまったため、ガンダムを操縦出来るアムロにも手伝って貰おうとブライトは決意します。アムロの知らないところで、アムロが戦争に巻き込まれるのが決定した瞬間でした。本当に巻き込まれ型のテンプレをこのガンダム第1話で作った感じがします。

 

そして最後にシャアの乗るムサイがサイド7へ攻撃を仕掛けるところで第1話は終了。次回、アムロはどうなるのか。サイド7に攻撃を仕掛けるシャアは?など、次回をボンヤリ期待するのではなく、2つ3つの明確な期待が浮かび上がっての終了です。引きとして完璧に近いと思います。

 

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おわりに

やはりこのガンダムの第1話は素晴らしいです。何故素晴らしいかは前述しているので省きますが、第1話の教科書と言っても過言ではないと思います。勿論この時の教科書通りというわけではなく、のちの教科書になる作りなので更に凄いんですけどね。

 

戦局の説明。登場人物の紹介。新兵器の紹介。新兵器の威力の提示。主人公が巻き込まれていく様。次回への具体的な期待感。これら全てを詰め込んでも急ぎ足やダイジェストに見えず、スンナリ内容が頭に入ってくるなんてどうなっているんでしょう。ただただ感心します。

 

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