目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1981年08月15日号
アニメでは
時系列とでき事
- 1981年初夏~夏 五代裕作、音無響子、三鷹瞬らとともに海へ
この頃のでき事
- 8月5日 - 男鹿脇本事件。
- 8月12日 - IBMがマイクロソフトのDOS(ディスク・オペレーティング・システム)搭載の「IBM PC」を発表。
- 8月18日 - コクヨ、CI導入。
- 8月22日 - 台湾で遠東航空機墜落事故発生。作家向田邦子が死亡。
- 8月26日 - 阪神の江本孟紀投手が「ベンチがアホ」発言。
- 8月26日 - 宇野ヘディング事件。
- 8月28日 - 南アフリカ共和国軍、アンゴラ侵攻。
あらすじ
偶然会った賢太郎が、夏休みにどこにも連れて行って貰えない悩みを五代君に吐露。それを聞いた五代君は、実家が食堂の五代君は自分と重ね同情し、海に連れて行ってあげることに。しかしいつの間にか話が広がり、響子さん、郁子ちゃん、そして三鷹さんも同行。そして三鷹さんの意外な弱点が発覚します。
みどころ
- 犬が苦手な三鷹さん
はじめに
今回は三鷹さんが犬が苦手だとのことが初めて出てくる話です。
この手の「可愛い動物なのに苦手」との話は、「あんな可愛いのに苦手とか(笑)」とのひと笑いのために出すことも少なくなく、このめぞん一刻も特に話の広がりを考えたものでもなかったと思うのですが、結果的にこの犬が苦手設定が三鷹さんの人生に大きな影響を及ぼしてきます。
更に言うと、「三鷹さんが犬が苦手なのを”響子さんだけ”が知らない」。これが話にもの凄く影響してくるんです。
郁子ちゃんは優秀
郁子ちゃんの家庭教師をやっている五代君ですが、生徒の郁子ちゃんはおそらく優秀です。中1の時点で英語のテストが92点だったそうです。なんのテストか詳しく分かりませんが、時期を考えると1学期の期末試験かなんかかなと。
五代君の実家は定食屋
五代君の実家の詳しい話はまだこの先なのですが、賢太郎の夏休みに連れて行って貰えない苦しみを聞いたとき、幼少時代の回想で定食屋らしき絵が出てきました。
「その頃家族だけで店やっててな」とのセリフがありましたが、のちにアルバイトでも雇ったんでしょうか。姉の夫がこの定食屋に入るのはもっとあとですし、そもそも家族ですしね。
夏休み
賢太郎の自由研究や日記の話で思い出したのですが、私は夏休みの宿題を最初の2,3日で全て終わらせるタイプでした。下手をしたら夏休み前に配られるドリルなんかは、夏休み前に終わる勢いでしたし、日記も当たり障りのないことを先に書いておいて、あとから天気を記入するだけ…なんてことまでしていました。
こう書くと、優等生自慢かと思われるかも知れませんが、そんなことは全くなくて、こういった長期休みの宿題は、毎日コツコツやることに意味があるんだと思います。それを実感するのが夏休み明けで、確かに宿題を忘れるとか、提出が遅れるとの行為はあり得なかったので、先生や周りの子から見ると優等生に見えるのですが、下手に先に全ての宿題を終わらせたと言うことは、まるまる1ヶ月は全く勉強していないわけで…。夏休み明けはハッキリ言って馬鹿になっていました。授業がわからないんです…。
それでも、「明日は○○しなければならない」などの、やらなければならないことが残っているのは昔から嫌いでしたし、なによりなんの心配事もなく夏休みをエンジョイできる快感に負け、毎年こんなことをしていて、夏休み明け1週間程頭のリハビリが大変でした。
賢太郎と郁子ちゃん
地味ですが、この時が賢太郎と郁子ちゃんの初めての出会いです。のちに郁子ちゃんに憧れている描写が時折出てきます。
ちなみに、この時賢太郎が9歳、郁子ちゃんが13歳。学年にすると賢太郎が小3、郁子ちゃんが中1。この頃の4歳差は大きすぎますね。学年で見ると中1から見た小3なんて…ねえ…。26歳と30歳ならなんら不自然ではないカップルなのですが…。
五代君と免許
横道に逸れましたが…五代君はこの時点で免許を持っていないことが判明しました。まあそれはそうだろうなとの感じなのですが、この後も最後まで五代君が免許を取る話は出てこなかったので、最終回の27歳まで免許を取らなかったことになります。五代君が免許を取る話があっても良かったのかも知れません。
この時こずえちゃんと出会っていた
今回、氷屋のバイトをクビになったと思われる五代君は、酒屋のバイトをしていましたが、実はこの時一緒にバイトをしていたのがこずえちゃんでした。
漫画ではこの時点でこずえちゃんの名前も姿も出てきませんが、のちにこずえちゃんと出会う第15話「複雑夜(ふくざつや)……」で、酒屋のバイトで一緒だったことが明かされます。
ちなみに、アニメではこずえちゃんの姿がこのエピソードで描かれています。
総評
今回の話は特にタイトルに前後編と付いていたわけではないのですが、実際の構成では完全に2話で1エピソードでした。めぞん一刻では初の2話連続ストーリーでした。これも隔週化の影響ですね。月刊連載ではさすばに2ヶ月またぎで海の話はできないと思います。
そうだ海へ行こう。出発した。これだけで1話やってしまいました。イベントらしいイベントは無い話なのですが、これで1話作っちゃうんです。面白い漫画やアニメを見ると、話が面白いとか、展開がスピーディーとか、面白く蚊似る要素は数多くあると思うのですが、こういった「何も起こっていない話」で1話をやりきり、それで面白くすると言うのは、令嗣絵に考えるともの凄いことだと感じます。何も起こってないんですよ…。でもそれで起承転結があり話ができ上がっているんです。
この手の話で思い出すのは、シティーハンターの「あの伊集院隼人氏の極めて平穏な一日」です。こういった日常の何も起こっていないはずの話を、きちんと面白く構成して読ませるというのには感心します。
関連リンク
この記事と関係のある商品