目次
長所と短所
- ○安い
- ○プロポーションがアニメの通り
- ○シンプルで組みやすい
- ○関節が強固
- ×盾を握らせるのが緩いので落ちる
作業時間
- 組み立て:約3時間弱
- スミ入れ:10分
- つや消しスプレー:2回
はじめに
私のガンプラへのスタンスは、『素組み+スミ入れ+つや消しスプレー』の簡単組み上げなので、これからのレビューや感想は、全てその前提での物になります。
以前の記事でも書いていますが、今のガンプラのクオリティだと、色を塗らなくてもスミ入れとつや消しスプレーをするだけで、プラスチック独特の安っぽい光沢がなくなり、ぐっと落ち着きが出てプラモデルからミニチュアのモビルスーツへと変身するんです。勿論、自分で色を塗った方が自分好みに作成でき、楽しさも倍増することは分かっているのですが、そこには技術力がいり、そしてお金も掛かってしまいます。
今でもガンダムの新作は作られ続けていて、そのたびに新作のガンプラが発売されます。また、昔のガンプラも技術の進歩によりできることが増え、リニューアルされて発売もされます。こうなってくるとランニングコストは趣味を続ける上で重要な要素になってくるのは必然です。そこで私の場合、沢山作りたい、ランニングコストを抑えたいとの葛藤の末、バランスの取れた『素組み+スミ入れ+つや消しスプレー』に行き着きました。
また、以前は精巧でリアルなMGをメインに作っていたのですが、次々と出てくるガンプラを沢山作りたいとの欲求から、HGに原点回帰となりました。MGは概ね3000円前後で、HGは概ね1000円前後です。価格差は約3倍ですから、MG一体でHG3体が作れてしまうのです。
と、言うことで今後のガンプラ制作はHGがメインになっていくと思いますので、このガンプラレビューもHGであり、『素組み+スミ入れ+つや消しスプレー』となります。色をしっかり塗ったり作り込んでいるガンプラユーザーの方から見ると稚拙かも知れませんがご勘弁ください。私のように短時間でサクッと、そして多くのガンプラを作りたい、またはライトなガンプラユーザーのお役に立てればと思います。
HG回帰第一弾は旧ザクに決定
暫くぶりのガンプラ制作、そしてMGからHGへの回帰第一弾には旧ザクを選びました。何故かって?それはもうモビルスーツの原点だからですよ。久々のガンプラ制作でHGへの原点回帰と言うことで、モビルスーツの始祖とも言える旧ザクは最適でしょう。…安いですしね。Amazonで700円弱です。HGはこの安さもやはり魅力ですね。悩むことなくサクサク買えてしまいます。
ちなみに、この旧ザクがアニメで初登場したのは第3話でこの1回こっきり。老兵が新しい兵器や戦術に馴染めず、旧態依然とした兵器と戦術でガンダムに特攻をかけ、敢えなく敗れて新時代の戦争に老兵や旧兵器は役に立たないとの、諸行無常、栄枯盛衰を表した回で、大人になってからこの回を見るとなんとも言えない切なさを感じてしまいます。
組み立て
組み立ては至極簡単でした。元々旧式のモビルスーツの機体ですからね。設定からして複雑な機構や変形部分もなく、至ってシンプルなガンプラでした。そういう意味で、以前にも書きましたがこの旧ザクは初心者にお勧めなんです。そしてなにより安いってのもあります。
2006年発売のキットなので、若干合わせ目が目立つ部分があったり、きっちりはまらなくて隙間ができてしまったりがありますが、まあそこは値段とHGってことで許容範囲だと思います。
特に急いで作業をしたわけでもなく、テレビを見ながら作っていたのですが、だいたい2時間弱で上半身は組み上がりました。
上半身の組み立て工程は、予備の手や武器が組み込まれている説明書が多いので、どうしても下半身より上半身の組み立てに時間が掛かってしまいます。上半身ができれば7割できたも同然です。
スミ入れ
旧ザクのキットは2006年発売とのこともあり、それほどモールド(溝)があるわけでもないのでスミ入れ作業はほんの10分ほどで終わりました。アバウトにガンガンスミ入れをし、綿棒ではみ出た部分を拭く一連の作業が10分程度で終わったので、この辺りもMGと比べて遙かにに楽でした。
スミ入れをするとモールドが強調されるので、機体が引き締まって見えるんです。ちなみに、まだヤスリの削りかすが付いていますがきちんと落としました。ヤスリで削った部分はつや消しスプレーをする前は結構目立つのですが、つや消しスプレーをすると他の部分と馴染んで目立たなくなります。そういう意味でも後述するつや消しスプレーはお勧めです。ただできるだけ目立たなくさせるため、粗い目のヤスリからだんだん細かい目のヤスリに変えていく作業はした方が良いでしょう。
スミ入れ、つや消しスプレーをする前の状態が以下の画像です。わかりますかね、このプラスチック丸出しの光沢、反射、てかり。
そしてまずはスミ入れをした状態が以下の画像です。
写真ではわかりずらいかもしれませんが、きちんとスミ入れをしたのでモールドが強調され、『メカ感』がちゃんと出ています。
つや消しスプレー
つや消しスプレーは間に1時間乾燥時間を空けて2回噴射。足裏と頭の上から噴射するのを忘れがちなのでここは注意。ちなみに、よっぽど気にする人でなければ分解して噴霧する必要は無いと思います。霧状の粒子がバッと噴霧されるので隙間にもきちんと入り込みます。
きちんと新聞紙を下に敷き、武器や予備パーツも並べてつや消しスプレーを噴霧します。1回だとムラが出てしまう場合があるので、2,3回噴霧推奨です。
そしてつや消しスプレーが終わった画像が以下です。
プラスチック丸出しの光沢が無くなったのがおわかりいただけると思います。また、光沢が無くなったのでスミ入れの黒もしっかり見えるようになってメカ感も際立ちます。面倒くさがらずにスミ入れとつや消しスプレーは本当やった方が良いです。
でき上がり
つや消しスプレーはただ噴霧して乾燥させるだけなので作業時間から省くとして、組み立て、スミ入れまでトータル3時間弱で完了しました。MGは10時間ほど掛かっていたので、それに比べると実に1/3以下ですね。休日1日でサクッと終わらせるのにHGは最適だと感じました。MGは10時間程度掛かるので、1日で組み上げるのはよっぽど根を詰めないと無理だと思います。
私がHGの良いなと思うところは、価格、組みやすさの他に『関節の強さ』があります。MGはキットが大きく精巧で関節も自由自在に動くのですが、その分関節に『遊び(緩み)』を持たせなければならないためもろくなってしまうんです。少し動かすとポロッと取れたり、あるポーズにしっかり固定できなかったり。関節がヌルヌル動くのは良いのですが、関節が緩くてもろいんです。ところがHGは関節がヌルヌル自由自在とはいかない代わりに、関節がポロッと取れるようなことはほぼなく、あるポーズでガッチリと固定できるんです。まあこれはどちらが良いか悪いかではなく好みの問題になるのですが、関節の頑丈さはHGの良いところの一つだと思います。
旧ザクもこのHGの関節の強さがきちんとあり、かなり無理なポーズでもガッチリ固まってくれます。ただ、盾を持つ部分がゆるゆるで、ここだけは少し動かす度にポロポロ取れてしまいます。
これは以前にも書いていて、今回HGに原点回帰しても思ったのですが、やはりスミ入れとつや消しスプレーはやるべきだと思います。初心者や面倒くさがりな人はここを省いて素組みだけで終えてしまうと思うのですが、前述もしたようにスミ入れは10分程度で済みますし、つや消しスプレーはシューッと噴霧して乾燥させるだけなので面倒なことは何もありません。また、スミ入れ用のガンダムマーカーは単品で購入すれば100円程度ですし、つや消しスプレーも1本で500円弱であり、1本で2,30体は軽く持ちます。それでいてプラスチック独特の安っぽい光沢がなくなり、ぐっと落ち着きが出て存在感が増すので断然お勧めです。
総評
今回、久々にガンプラを制作しHGへ原点回帰をしたわけですが、想像していなかった嬉しい誤算がありました。制作には関係ないのですが、「何を作ろうかな~♪」と選んでいるとき、MGよりも明らかに『選択肢の幅が広い』んです。
MGは前述もしたように、平均して一体3000円前後で高い物だと5000円なんてものも少なくありません。こうなってくると、値段の高さで「これは買わない(買えない)」と選択肢から外してしまうことが多々ありました。また、MGはメーカーが制作する際にもコストが掛かり慎重になることから、HGでは出ているけどMGでは出ていないなんてガンプラが沢山あります。しかしこの逆にMGでは出ているけどHGでは出ていないとのパターンはほぼありません。
値段の話に戻ると、MGは一体1000円前後で、安い物だと600円から700円です。高い物でも1500円を超えるくらいなので、値段を見て選択肢から外すとの思考が無くなるんです。結果、出ているHG全てが制作候補となり、選ぶ楽しみや作る楽しみが格段に上がりました。作りの精巧さでは勿論MGに敵わないのは当然ですが、選択肢の幅が圧倒的に広がったことは、MGからHGにして大きなメリットでした。
プロポーションがアニメの通りで、無骨で古い機体の雰囲気が良く出ていますし、安くて簡単に組めるのでお勧めのキットです。
こんな人にお勧め
- 初めてガンプラを作る人
- 安いキットが欲しい人
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