漫画全話レビュー「めぞん一刻 第111話「夢一夜」」 5/5 (3)

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掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1985年9月30日号

 

アニメでは

 

時系列とでき事
  • 1985年7月29日 五代裕作、遂に響子さんが出会う
  • 1985年7月30日 音無響子、一刻館のトラブルで先に帰宅

 

この頃のでき事
  • 9月1日 - 日本で、乗用車の前席シートベルトの着用が義務化
  • 9月1日 - アメリカ合衆国とフランスの合同捜査チーム、大西洋で沈没したタイタニック号の船体を発見。
  • 9月2日 - NTTが携帯電話「ショルダーフォン」を発売。
  • 9月2日 - ロッテが「のど飴」を発売。
  • 9月11日 - ロス疑惑の三浦和義が逮捕される。
  • 9月11日 - 女優の夏目雅子が急性骨髄性白血病により死去(27歳没)。
  • 9月11日 - 本田技研工業が「トゥデイ」を発売し、11年ぶりに軽自動車市場に参入。
  • 9月13日 - 「スーパーマリオブラザーズ」発売。
  • 9月19日 - メキシコでマグニチュード8.1の大地震、メキシコシティ付近を中心に大被害、9千人以上死亡、3万人以上がけが、9万人以上が家屋を失う被害(メキシコ地震)。
  • 9月22日 - アメリカのニューヨークでG5がプラザ合意。翌日ドルは暴落。も暴落し、日本円は1ドル200円台から100円台に高騰した。この後日本は円高不況を経てバブル景気へ向かう。
  • 9月28日 - TBSのバラエティ番組『8時だョ!全員集合』が同日の生放送を以て終了、16年間全803回の歴史に幕。
  • 9月30日 - 埼京線の大宮〜赤羽間が新規開業(戸籍上は東北本線)と川越線が電化開業。この時点で、池袋〜赤羽間の赤羽線が埼京線へ編入のため事実上消滅(戸籍上は現在も残る)。
  • 9月30日 - アークヒルズ内に建設されていたテレビ朝日の新放送センターが完成(名称はアーク放送センター、10月5日から使用開始。本社機能は翌年4月に移転)。

 

あらすじ

響子さんに追いつけそうで中々追いつけず最終日も夜になり、もう会うことは叶わないかと諦めた五代君。そんなときたまたま入った混浴で響子さんと偶然再開します。お互い色々聞きたいこと、話したいことがあるものの、顔を見てどうでも良くなった2人は良い雰囲気になるのですが…。

 

みどころ

  • 五代君と響子さんの和解

 

はじめに

今回はやっと念願の響子さんと会えた五代君の話です。めぞん一刻ではいつものことですが、お互いに一から話し合ったり、細かい説明や言い訳をするでもなく、なんとなく仲直りしてしまうことが多いのですが、今回も同じ流れでした。

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静かな話

今まで散々響子さんに追いつけそうで追いつけない五代君の滑稽さやすれ違いを、色んな所をあっちに行ったりこっちに行ったりして描いてきたのですが、今回は打って変わり、舞台は露天風呂と響子さんの部屋だけで、またお互い喧嘩したり言い訳したりもなかったので、話としては非常に静かな印象を受けました。

 

五代君が響子さんを追い掛けてきた理由は、三鷹さんとの抱擁は自分の誤解じゃないのかを、響子さんの口から聞きたいと言うことがひとつ。そして最大の理由は、響子さんが別れ際に流した涙の意味を聞くためだったのですが、結局両方とも聞けずじまい。響子さんもそれらのことを五代君に説明しなかったので、本来は何も解決していないんですよね。

 

五代君は追い掛けてきて響子さんに会えた嬉しさ。響子さんは多分追い掛けてきてくれたんだろう(私のことまだ好きなんだろう)との安心感からか、お互いなんの話し合いもなく、そのままなんとなく緩く和解していました。私の場合、こういうときは気になって気になって、1から100まできっちり説明して貰わないと気が済まない性分なので、このような展開は無理だなあと読んでいて思いました。

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響子さんはわかっている?

響子さんはそんなはずないと打ち消していましたが、五代君が響子さんを追い掛けてきたのをわかっていますよね。五代君が追い掛けてきてくれたと1度思い浮かんだことは、いくらそんな都合の良いことないと打ち消したところで、浮かんでしまった妄想は無かったことにするのは難しいですからね。

 

そもそも東京の店子と管理人が、遠く離れた金沢で偶然会うなんて、そんな…ねえ。普通に考えてあり得ないです。しかし自分に都合が良すぎる想像の場合、そんなことはないと打ち消して自分の冷静さを保つことはよくあることですね。

 

例えば受験が終わって自己採点をし、確実に合格しているだろうなとの場合。普通このような場合、ぬか喜びしないように、また、万が一落ちたとき余計に落ち込まないように、いやいやそんなことはないなと打ち消して冷静になろうとしますよね。これはダメージを受けた場合の被害を最小限にする、一種の自己防衛のひとつなのでしょうね。

 

雰囲気をぶち壊すのは一刻館の住人

偶然で一瞬とは言え混浴をし、深夜3時過ぎに旅館の同じ部屋にいる五代君と響子さん。入院エピソードのようにキスをしそうになるのですが…。そこで邪魔をしてきたのは、この場にはいないはずの一刻館住人でした。一刻館で邪魔をされるのはわかるのですけどね。遠く離れた金沢の地まで一刻館住人のお邪魔力が届くとは…。一刻館住人からは逃れられないのでしょうか…。

 

響子さんは最初に一刻館を出るとき、「何かあったときのために」と、ドアの前に日程表と連絡先を貼り付けてきたのですが、響子さんの言葉通り、やはりなにかがありましたね。そして、この旅館には思い付きで泊まり、予定外だったので、そのことも一刻館に連絡したのですが、このことも徒となりました。

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めぞん一刻はこのように、「どうしてこうなったのか」との理由がきちんと前から伏線が張られ、そして全て物語は繋がっている感じが素晴らしいです。八神が五代君に惚れる過程も、少し遡れば前日の寝不足であり、その寝不足の原因は一刻館住人との宴会でした。緩やかに話は全て繋がっているこの感じがたまらないです。

 

総評

またしても五代君と響子さんはあとちょっとで…とのところで第三者に邪魔され成就しませんでした。くっつくかな…いやくっつかない。これはもはやめぞん一刻のお約束ですね。まあここでくっつかれても、五代君は無職なので、皆が納得できるようなハッピーエンドへはまだ遠かったでしょう。

 

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