漫画全話レビュー「めぞん一刻 第073話「がんばってくださいね」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1984年2月29日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1984年2月 五代裕作、留年の危機

 

 

この頃の出来事
  • 2月1日 – 日本国有鉄道が貨物列車の大幅削減を伴うダイヤ改正実施。
  • 2月8日 – 冬季サラエボオリンピックが開幕。
  • 2月9日 – ソ連共産党のユーリ・アンドロポフ書記長死去。
  • 2月11日 – 熊本市の電話市外局番が「0963」から「096」へ変更。(当時の政令指定都市以外では初の3桁化)
  • 2月12日 – 植村直己がマッキンリー山(アメリカ・アラスカ州)の単独登頂に成功(翌日、下山途中で消息不明に)。
  • 2月13日 – 広島県福山市で泰州くん誘拐殺人事件発生。2月14日容疑者逮捕、2月15日遺体発見。
  • 2月16日 – 鐘紡が口紅「レディ80 バイオ口紅」を発売。

 

あらすじ

長い入院生活から退院した五代君。大学の出席日数が足りなくなり、試験を1個も落とせない状況になってしまいます。責任を感じた響子さんは、五代君の世話をし、試験最終日に起こしてあげると約束するのですが、寝坊してしまい、五代君は大遅刻。果たして五代君の進学は…。

 

みどころ

  • 五代君の留年危機
  • 響子さんの責任感

 

はじめに

今回は五代君の留年危機の話です。年末年始の冬休みを挟んだとは言え、2ヶ月弱入院していましたからね。出席日数が足りなくなった五代君は、試験を1個も落とせなくなるピンチに…。五代君の通う大学は三流大学なので、一浪一留はなかなか厳しいものがあります。

 

五代君留年の危機

出席日数が足りなくなり、試験を1個も落とせない五代君は、坂本を家に呼び、色々対策を取るのですが、響子さんが原因で五代君が骨折し入院したことを知らないであろう坂本は、響子さんの目の前で出席日数が出席日数がと、響子さんの胸に刺さる現実を言ってしまいます。

 

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この時五代君も自ら言っているのですが、バイトでサボったりせず、普段から真面目に出ていれば、ここまでのピンチにはならなかったので、何もこの状況は全て入院のせいとのわけでもないんですよね。とは言っても、入院の原因が響子さんだったことは事実で、なおかつ性格からしてそうですかと納得出来るはずもなく…。響子さんは自分のせいだと責任を感じていました。他人の人生をマイナスに弄ってしまうのはさすがに責任感じますよね。

 

響子さんの責任感

責任感の強く、自分のせいでこうなったと思う響子さんは、坂本から現実を聞かされたことにより、五代君が勉強に集中出来るようにあらゆる面でのサポート体制に入ります。まずやるべきことは…そう。一刻館住人を大人しくさせることです。

 

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一刻館の住人は毎日のように酒盛りをし、大学受験と言う、定期試験よりもっと人生を左右する時期ですら、当の五代君の部屋で宴会をしていました。当然五代君の定期試験などに気を遣ってくれるわけはありません。響子さんは五代君の部屋で騒ぐ一刻館住人を鬼の形相で追い出していました。また、隣の朱美さんの部屋で宴会をしても、五代君の部屋に筒抜けで五月蠅いので、結局は一刻館の2階も禁止にする独裁ぶり。と言っても1階は一の瀬さん一家の部屋しかないので宴会を出来るわけもなく、実質一刻館で宴会自体が出来なくなり、茶々丸に皆避難していました。本気の響子さんは一刻館住人も怖いみたいですね。

 

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更に釘を刺すため、管理人室に一刻館住人を集め、邪魔をしないようにと現住に言い聞かせていました。ここまで毅然とした態度の響子さんは珍しいです。今までは、一刻館住人をたしなめようとしても、いつのまにか酔い潰れたり、上手く躱されたりしてなし崩しになっていたのですが、今回は響子さんの表情や厳しい態度からもそれまでとは明らかに違うことがわかりました。今回ばかりは響子さんも本気の本気だったようです。

 

また、響子さんは夜食まで五代君に作ってあげて至れり尽くせりです。この夜食の時に響子さんは、五代君が明日受ける試験科目まで完璧に把握しており、いかに響子さんが真剣で、五代君を心配していたかがわかります。しかしこの最終日に五代君を起こしてあげる約束をしてしまったのが徒となってしまいます。

 

大遅刻

試験最終日に五代君を起こす約束をした響子さんですが、試験期間中の約10日、五代君の部屋での宴会を禁止された一刻館住人は、この最後の最後で響子さんの部屋で宴会を開いてしまいます。響子さんも自分の無理を聞いて貰っているせいか、「仕方ない」とこれを許してしまい…翌日は寝坊です。詰めが甘いです。

 

お酒を飲んでいなければ、頑張って徹夜して起こしてあげることも出来たのでしょうが、お酒に加えて遅くに寝たことにより寝坊してしまったのでしょうね。しかし、一刻館の住人は、響子さんが明日五代君を起こすミッションがあるとのことは聞いて知っているはずなのに、それでも響子さんを夜遅くまで宴会に引きずり込むんですね…。

 

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これは五代君にも油断があり、前日に「響子さんが起こしてくれるんだから」と、深夜まで勉強してしまい、結局それがたたって五代君も寝坊してしまいます。そもそも五代君自身の問題なので、自分できちんと起きれば、響子さんに起こしてもらうまでもないので、入院で出席日数が足りなくなったことと同じように、やはりこれも五代君自身の問題なのです。さすがに留年するかしないかの試験の日の起床を、他人任せにするなんてあり得ません。

 

一刻館住人は、五代君を普段オモチャにするのは良いのですが、こういった人生の分岐点だけは大人しくしてあげた方が良い気が…。まあ漫画なので、この方が面白いんですけどね。

 

待ちます

響子さんが寝坊したことにより、五代君は試験に遅刻し、これで留年確定。落ち込む五代君に響子さんは1年くらい待ちますと言うのですが、前回までの入院エピソードで起こった、五代君とのキス未遂2回と合わせて考えると、同情や責任感がだいぶ入っているとは言え、この時点でほとんど響子さんの気持ちは決まっていますよね。

 

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五代裕作

「ははは…社会に出遅れてしまった………」

 

音無響子

「一年くらい…一年くらい私待ちますから…。」

 

このセリフも結構決定的ですよね。さすがに好意が無ければここまでのことは言えないでしょう。

 

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坂本の言うとおり

大遅刻して試験を受けられず、留年決定かと思いきや、実は坂本が五代君に渡した時間割が間違っていて、最終日のこの科目の試験は、「これから」だったので、結局留年はせず、無事進級しました。時間割が間違っていたことに怒る五代君に対して坂本は一言。

 

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坂本

「だけどよー、おまえも学校来てたんだろ。掲示板で確認しなかったの?」

 

これは坂本の言うとおりで、寝坊の件と同じように、五代君の人生の重大な分岐点なのですから、やはりきちんと自分で細かいことも確認するべきなのです。起床の件は響子さんへの他人任せで、時間割の件は坂本への他人任せで、どこまで言っても主体性が無く、他人任せの五代君が招いた悲劇…もとい喜劇でした。

 

おわりに

今回は五代君留年危機で、危うく三流大学で一浪一留になるところでした。一刻も早く大学を卒業して響子さんと一緒になりたい五代君には致命傷になってしまいます。そして、入院エピソードで五代君のことを好きと判明した響子さんの気持ちを更に補強する話です。入院エピソードの2回のキス未遂と、今回の1年くらい待ちます発言で、読者は「ああやっぱり響子さんはもう五代君好きなんだ」なと思えた回でした。

 

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