漫画全話レビュー「めぞん一刻 第056話「BACHAN IN TOKIO」」

掲載情報

掲載雑誌
  • ビックコミックスピリッツ 1983年6月15日号

 

アニメでは

 

時系列と出来事
  • 1983年6月 五代ゆかり、同窓会のため上京

 

この頃の出来事
  • 6月1日 – エースコックが「わかめラーメン」を発売。
  • 6月3日 – 阪急の福本豊が盗塁939の世界新記録達成。中曽根首相から国民栄誉賞受賞を打診されるが固辞。
  • 6月5日 – 客船アレクサンドル・スヴォーロフ号がウリヤノフスク鉄道橋に衝突、177名の死者を出す。
  • 6月10日 – 東邦音楽大学が、単位不足者を金銭で卒業させていたことが発覚。
  • 6月13日 – 戸塚ヨットスクール事件の生徒体罰死事件で同スクール校長の戸塚宏が逮捕。
  • 6月18日 – アメリカ人初の女性宇宙飛行士を乗せたスペースシャトル「チャレンジャー」打ち上げ。
  • 6月24日 – カシオ計算機が「ポケットテレビ」を発売。
  • 6月26日 – 第13回参議院議員通常選挙。全国区で比例代表制を初めて導入。
  • 6月27日 – 東洋工業が「ボンゴブローニィ」を発売。

 

あらすじ

五代君のお婆ちゃんが同窓会のため上京します。東京の道が分からないお婆ちゃんは、五代君と響子さんに付き添ってもらい同窓会に行くのですが、お婆ちゃんパワーに振り回されてしまいます。

 

 

みどころ

  • お婆ちゃんが一刻館へ

 

はじめに

この話はタイトルの通り、五代君のお婆ちゃんが同窓会のために上京、そして一刻館に暫く泊まる話です。お婆ちゃんのキャラ、引っ掻き回し具合、そして優しさ。田舎のお婆ちゃんの魅力が楽しめます。

 

白石衿子を引きずる

今回は珍しく前回の白石衿子事件を引きずって話が始まります。キスしても喧嘩しても、次の回には何事もなかったかのように話が始まることがこの初期は多いのですが、今回ばかりは事が事だけに引きずっていました。

 

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響子さんの静かな怒り、無言のプレッシャー…たまりません。端から見ていると、あくまで漫画チックに描いているので面白く可愛いのですが、実際にこうだったらそんなことを思う余裕は無いでしょうね。なにせ五代君に非がありますから…。

 

もしこの漫画が高校生同士の恋愛ものだったり、後家ではないヒロインだったら、前回で完全に関係が破綻するか、もしくはもの凄い衝突を描かなければ不自然だったのかも知れませんが、響子さんは未亡人ですからね。独身者よりは男女関係の酸いも甘いも一応は知っているので、この程度の衝突で収まっていたのかも…。

 

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また、一刻館に2人とも住んでいるので、喧嘩しようが怒っていようが、顔を合わさないわけにはいかないので、そうやって顔を合わせているうちに、自然と怒りが収まるとの事もあるのでしょう。この辺りの許し方とか感情の動きは家族そのものですね。家族で喧嘩をしても、いやでも一つ屋根の下で暮らさなければならないので、顔を合わせ生活しているうちに怒りが静まってくるんですよね。四六時中怒るのって現実的に無理ですしね。

 

お婆ちゃん上京

五代君のお婆ちゃんが突然冒頭で上京してきましたが、高橋留美子さんは冒頭で何事が起こったのか分からずいきなり話を進め、のちに説明するパターンも多いですね。これは、「ん?何が起こっているんだ?」と漫画に食いつく効果があるんだと思います。

 

このパターンの場合、何が起こっているのか理解するため、ページを読む手が早まり、早く次のページを読まなければとの衝動に駆られましたし、集中して読んでいました。しかも何が起こっているのかは数ページ後にはすぐわかるので、頭の中が「?」で埋まる前に解決し、難しい話の構成でもありませんでした。

 

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このお婆ちゃんの存在ですが、でも書いていますが、アニメでは「実家のお婆ちゃん感」があまり感じられず、準レギュラーと言っていい程登場回数が多く、どうも違和感がありました。良いキャラなので絡めたいのは分かるのですが、漫画ではたまに出てきて五代君を助けることに、お婆ちゃんの有り難みや優しさを感じていたので、それらがアニメでは希薄になってしまい残念でした。

 

その点、やはり漫画のお婆ちゃんの登場回数や出てくるタイミングは絶妙で、五代君が困っているときにサポートしたり、わざとかわざとじゃないのか、ふざけているうちに問題を解決してあげたり、響子さんと仲良くしてあげたり、この辺りのお婆ちゃんと五代君の距離感がたまりません。漫画ではたまに出てくるからこそのお婆ちゃんの有り難みが色濃く表現されていると思います。

 

お婆ちゃんの空気に飲み込まれ仲直り

お婆ちゃんは同窓会に上京してきたのですが、お婆ちゃんに負けず劣らず、同級生のキャラが濃く…。このお婆ちゃんと同級生の無茶苦茶な空気に飲み込まれ、そして振り回されている間に、五代君と響子さんの白石衿子に端を発する、なんとなく気まずい空気も払拭されてしまいました。五代君と響子さんは、お互いに不満を言ったり、問い詰めたりはなかなかしないので、ハッキリとした喧嘩はあまりないのですが、こういった悪い空気になることは多く、そしてそれが周りに振り回されているうちに、「まあ…いいか」なることも多いですね。今回はその役割がお婆ちゃんでした。

 

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おわりに

お婆ちゃんはこの後数話一刻館に泊まることになるのですが、次回は響子さんのライバル…にはなり得ないのですが、一応五代君と一番近い距離にいる女性なので、こずえちゃんとのお話です。

 

今回は五代君×響子さん×お婆ちゃんの3人の話でしたが、次回は五代君×こずえちゃん×お婆ちゃんの3人の話で、この対比が面白いです。この辺の対比の話はまた次回。

 

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