目次
掲載情報
掲載雑誌
- ビックコミックスピリッツ 1982年11月15日号
アニメでは
時系列とでき事
- 1982年10月15日以降 五代裕作、一刻館全部屋が埋まっていると思い込む
この頃のでき事
- 11月10日 - 中央自動車道が全線開通。
- 11月10日 - ソ連のレオニード・ブレジネフ書記長死去。後任にユーリ・アンドロポフ元KGB議長が就任。
- 11月15日 - 上越新幹線大宮駅 - 新潟駅間開業。大規模ダイヤ改正をそれに伴って行う。広島地区への115系投入、181系・153系が特急・急行運用から引退。
- 11月15日 - トヨタ自動車が「マスターエースサーフ」を発売(「タウンエース」の姉妹車。1992年以降は「ライトエース」が姉妹車となった)。
- 11月24日 - 中曽根康弘・行政管理庁長官、自民党総裁予備選で圧勝。
- 11月27日 - 第1次中曽根内閣発足。田中派の7人入閣。
- 大阪府警察賭博ゲーム台汚職。多くの警察署で、防犯課の捜査員が取締情報を対象店に洩らし、見返りに現金を受け取っていた。現職3人・退職者2人・店関係者10人を贈収賄で逮捕、警察官124人懲戒処分。当時警察本部長だった警察大学校長が責任を取り自殺。
あらすじ
勘違いから一刻館を家出した五代君。響子さんと三鷹さんとの結婚が誤解だとわかり帰りたいのですが、今度は響子さんが五代君は女性と同棲していると勘違いし帰れなくなってしまいます。なんとか誤解を解こうと四苦八苦する五代君は、夜に一刻館の様子をこっそり見に行くのですが、そこには五号室で新住人を迎えて行われていると思われる明るい窓が…。
みどころ
- 五代君の誤解を解こうとする努力
- 曲がりに曲がって伝わる五代君の状況
はじめに
今回は曲がって伝わる一番の話です。折角五代君が懇切丁寧に一刻館住人に説明しても、これっぽっちも正しく伝わらない話です。
サブタイトルに込められた複数の意味
実はこれってサブタイトルがダブルミーニングになっているのにお気づきでしょうか?
ダブル・ミーニング (double meaning) とは、2つ以上の解釈が可能な意味づけのこと。詩などで、一つの語に2つ以上の意味をもたせること。日本語では掛け詞(かけことば)と(伝統的に)呼ばれている。
サブタイトルは『明るい5号室』ですが、5号室の明かりが付いていることと、その中で明るい宴が催されていることがまずはダブルミーニングです。さらにそれに加え、その明るい5号室とは対照的に、暗い夜に外から見る五代君。5号室が別の住人で埋まってしまって、帰るところがなくなったと思い、お先真っ暗になる五代君。
明るいことと暗いことが見事にな対比になって表現されているお話とサブタイトルです。
めぞん一刻はこのようなお洒落なタイトルだったり、複数の意味が詰め込まれたサブタイトルが多いんです。このような点も、会話劇が面白いめぞん一刻の作風に相成って、文章の面白さが色濃く出た作品です。
状況が真逆に
今までは一刻館に帰りたくない五体君、それに対して誤解だから戻ってきて欲しい響子さんとの構図でした。ところが前回、五代君は響子さんの結婚が間違いだったことを知り、響子さんは五代君が女性と同棲していると知ったことにより、この状況が反転してしまいました。今では一刻館に帰りたい五代君、それに対して一刻館には空きがないと断る響子さんの構図です。しかし今度は、五代君は誤解が解けるものの、響子さんに新たな勘違いが発生しただけで、今までの状況が真逆になってしまいました。非常に面白い状況です。
「五代君が帰れない状況」は全く変わっていないのですが、「何故帰れないか」の理由、中身が変わってしまったんです。今までは五代君の勘違いで、今度は響子さんの勘違いです。
彩子さん達はいつまで…
彩子さん達は本来、引っ越しが1週間伸びただけなので、とっくにここを出ていなければおかしいのですが、彩子さんの旦那がギャンブルで引っ越し代をすってしまったため、なし崩し的にずっと同居しているままなんです。これで追い出さずに受け入れる五代君も凄いと思いますが…。
必死の五代君
響子さんの結婚が誤解だと分かった五代君は、なんとか一刻館に戻りたいので、女性と同棲していると誤解している響子さんに、状況を説明しようと自ら電話するものの聞いて貰えず、たまたま立ち寄った茶々丸で四谷さん、朱美さん、一の瀬さんがいたので、かろうじて四谷さんが酔っていないので伝言を頼むのですが…。
四谷さんが酔っていないからこそ、五代君は伝言を頼んだのですが、説明をしている間に四谷さんはお酒を飲み酔ってしまい、結局「酔っていない四谷さん」は存在しなくなってしまい、何も正確に伝わることはなくなってしまいます。
めぞん一刻の良心、茶々丸のマスター
まるで情報が正確に伝わらず、響子さんは余計に怒ってしまうのですが、そこで救世主のように現れたのがめぞん一刻最後の良心、茶々丸のマスターです。この茶々丸のマスターはめぞん一刻では数少ない常識人で、間違った情報を時々訂正してくれるので、この人がいるのといないのではまるで話が違ってしまいます。
お互い誤解が解ける
茶々丸のマスターが正しく伝わっているか心配になり、響子さんにきちんとした情報を伝え、これで五代君と響子さんの誤解は全て解けました。誤解が全て解けてチャンチャンで終わりなら簡単なんですけどね。めぞん一刻…もとい五代君と響子さんの場合は総単純にはいきません。「誤解が解けた…けどどうしよう…」とお互いフリーズして行動に移さないんです。
五号室で歓迎会
五代君は一刻館に戻りたく、夜にこっそり様子を見に行きます。以前、五代君が一刻館に引っ越してきた初日から、いきなり歓迎会をやられた様子を思い出していましたが、今回はそれが伏線となり、誰もいないはずの五号室で宴会が行われている、即ち五号室に新住人が来たんだと思ってしまいます。話が綺麗に繋がっていますね。
総評
やっとのことでこれで五代君、響子さん共に誤解が解けました。…が、これで素直には終わらないのがめぞん一刻です。
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