今回レビューするのは、めぞん一刻の第11話です。
思うところがあり、今回アニメ全話レビューの大幅な加筆修正に着手します。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
先の展開のネタバレについては、このようにオレンジ色のマーカーで、ネタバレの始まりと終わりを注意します。重要なことを強調する黄色のマーカーとは別なのでご注意ください。
目次
あらすじ
夏休み真っ盛り、遊びに行こうとする賢太郎。しかし、郁子ちゃんが一刻館に来ると聞き、一転して遊びに行くのをやめます。なんとか理由を付けて憧れの郁子ちゃんと勉強をすることになるのですが…。一方、五代君も憧れの響子さんの部屋に招待され、皆で一緒に食事をすることになるのですが…。
みどころ
- 賢太郎の恋心
- 五代君と賢太郎の共通点
初登場人物
- なし
感想
五代君は日記を付けていた
アニオリの設定ですが、五代君は日記を付けていたようです。その日記を賢太郎に見られてからかわれていました。賢太郎は出しておくのが悪いんだと言っていましたが、部屋の中に入って取ったのでしょうか。
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五代君は日記に響子さんの下着が見られてラッキーなどと、初期の五代君らしいゲスなことを書いていました。
賢太郎は友達3人に遊びに誘われていましたが、格好を付けて(?)断り、前述した五代君と日記のことで揉めるのですが、このあたりはアニオリでした。漫画はまだ連載中なので、追いつかないように引き延ばしでしょう。ドラゴンボールなんかもこうやって原作に追いつかないように引き延ばしていました。
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日記のことを口止めするため、賢太郎に500円払ったと言うか取られたと言うか…。またしても賢太郎が五代君から500円集っていました。ただでさえ四谷さんや朱美さんに集られるのに、賢太郎にまで集られたら、五代君は生活が立ちゆかなくなってしまうのではと心配してしまいます。
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賢太郎の恋心
賢太郎は五代君からもらった500円を手にプールに出掛けようとするのですが、同じく出掛けるところだった響子さんに、郁子ちゃんを駅まで迎えに行くところだと聞き、ピタッと足を止めてわざとらしく一刻館に戻ります。
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音無邸はどこにあるのか作中でもハッキリは描かれないのですが、駅に迎えに行くと言っていたので、歩いて行ける距離ではないようです。
賢太郎は五代君と一緒にされたくない、同じじゃないとちょくちょく言うのですが物凄く似ています。これまでの決意とは真逆にクルッと方向転換するところは見覚えがあります。第1話で五代君が一刻館を出て行こうとしたとき、響子さんが現れてくるっときびすを返して戻るあれにそっくりです。
漫画だと賢太郎は一刻館前で響子さんに、郁子ちゃんについて少し聞くだけだったのですが、アニメでは響子さんと一緒に時計坂駅まで迎えに行っていました。響子さんは賢太郎との会話から、すぐに郁子ちゃんに好意があることを察します。アニオリではあるのですが、響子さんは他人のことになると察しが良いです。
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四谷さんが集ってくる
四谷さんはことあるごとに五代君の弱みにつけ込んでお金や食事、お酒を集ってくるのですが、今回も五代君に集っていました。今回の集り方は下記の流れでした。
- 五代君の部屋にエロ本がある
- 郁子ちゃんに見せられないだろうから預かってあげる
- エロ本を郁子ちゃんに見せない代わりに明日飯奢って
漫画だとハッキリエロ本と四谷さんは言っていたのですが、アニメでは桃色雑誌とオブラートに包んだ表現になっていました。水曜日の夜19時30分放送だったので、家族が集まるお茶の間度なんなかの時間帯です。表現を軟らかくしたのでしょう。
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五代君は穴から四谷さんが出入り自由で、ドアには鍵を掛けず、響子さんですらいつノックせずに入ってくるかわからない状況で、よくエロ本をその辺に広げておけますね。案の定郁子ちゃんと響子さんが訪ねてくるときにこんなことになってしまいました。
郁子ちゃんはやっぱり勉強しない
郁子ちゃんが来る前、「ただでさえ気が散りやすい子なんだから」と、四谷さんに余計なことはしないように釘を刺していました。やはり郁子ちゃんはそういう子のようです。ただ、以前の話でも出たように、英語のテストで92点を取ったり、このあとのエピソードでおそらく名門であろう志望高校に受るので郁子ちゃんは頭が良いんです。
郁子ちゃんは五代君の部屋に来たとき、ノックもしないでバーンと勢いよくドアを開けていました。もはや五代君の部屋に入るとき誰もノックしていない気がします。一刻館住人で五代君の部屋をノックするのは響子さんくらいですし、その響子さんもノックしないことも多く…。普通なら精神をやられてしまいそう。
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ノックもせずに入ったことを響子さんに怒られる郁子ちゃんですが、「つい嬉しくて」と言っていたように、強烈に五代君は懐かれています。
『気が散りやすい子』と五代君が言っていたとおり、と言うかそれ以上に郁子ちゃんの気の散り方は凄くて、勉強を始めた直後から話をそらしていました。「この部屋に女の子は来たことある?」、「ガールフレンドいないの?」、「キスしたことある?」など、話がそれまくりで一向に勉強する気配がありません。
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五代君はこのとき、高校の時はもてたとか、ラブレターを貰ったことがあるとか、ファーストキスは高校2年ときだとか、結局郁子ちゃんの質問に答えていました。のちに漫画では出てきますが、このときのファーストキスは壮絶な歯と歯のぶつかり合いで、まともにキスできなかったようです。
五代君も郁子ちゃんのこのような横道の話を無視して勉強を進めれば良いものを、きちんと答えて会話のキャッチボールをしてしまいます。郁子ちゃんとしてはそれが面白くて遊び相手として気に入ったのでしょう。
響子さんジェラシーはカット
五代君のファーストキスの話を郁子ちゃんに聞かせているとき、その背後には賢太郎も一緒に面倒を見て欲しいと頼みに来た響子さんが…。その後、五代君、郁子ちゃん、賢太郎の勉強…していないですが、その様子を少し描いてから、響子さんから食事のお誘いがありました。
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漫画だと五代君のファーストキスの話を聞いてしまい、プリプリ怒る響子さんの話がありました。それを見た一の瀬さんにジェラシーだと揶揄され、『まさかジェラシー?』と動揺していました。このくだりがアニメではバッサリカットされていました。
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以前の記事でも書きましたが、アニメの響子さんは漫画に比べてマイルド化されており、怒るシーンもカットされたり柔らかくなることが多々あります。今回もジェラシーで怒る響子さんの姿はアニメでは描かれませんでした。
皆でお買い物
響子さんが五代君の部屋に、食事を一緒にどうですか誘いに来た際、郁子ちゃんと賢太郎も一緒に買い物に連れて行くことになります。時間経過はよく分からないのですが、全くと言って良いほど勉強していないような気がします。
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時計坂商店街に買い物に行くとき、漫画だと響子さんと一の瀬さんが買い物に行っていたのですが、アニメでは響子さん、郁子ちゃん、賢太郎に加え、五代君も一緒に買い物に行っていました。
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このとき、賢太郎は惣一郎さんの背中に完全に乗っていましたが、一体身長と体重はいくつなんだと…。郁子ちゃんもアニメだと漫画に比べてだいぶ幼く描かれています。
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郁子ちゃんが料理は「あれ」が良いと言っていましたがアレってなんなんでしょう。惣一郎さんも好きだったとのことですが、響子さんが買った食材を見るとよくわかりません。買った食材はアニオリで、漫画ではなにを買ったのか、なんの料理だったかは分からず仕舞いでした。
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- 牛ロース500g
- レバー
- にら
- にんにく
- 玉子
響子さんの手料理を初めて食べる
五代君に郁子ちゃんの勉強を見てもらったお礼として、響子さんは料理をしていたのですが、五代君はその時管理人室にいて、2人とも楽しそうでした。しかし、このときなぜ2人が楽しそうだったのについては大きな隔たりがあります。
- 五代君は響子さんといることが楽しい
- 響子さんは惣一郎さんを思い出して楽しい
五代君は響子さんを想っていても、響子さんの頭の中は惣一郎さんの思い出ていっぱいでした。悲しい…。
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このときはじめて惣一郎さんのシルエットが出てきました。今で言うと名探偵コナンの犯人よよろしく、服はきちんと描いているのですが、顔は黒塗りののっぺらぼうです。とは言え、ここから少しは情報が分かります。惣一郎さんは天然パーマだったこと。逆にこれくらいしか見た目がどうだったのかわかりません。
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ここで惣一郎さんのシルエットが出てきたのはアニオリです。漫画も同じ感じの黒塗りシルエットで天パーなのですが、それはもう少しあとになってから出てきます。アニメの制作時には漫画のだいぶ先のことまでわかっているので、こずえちゃんが先出しされたのと同じく、惣一郎さんのシルエットも先出しされました。
五代君と賢太郎の共通点
五代君は響子さんに言われ、賢太郎が郁子ちゃんのことを好きと知りました。響子さんはあの頃の年代は年上が好きになるんですよねと言うのですが、五代君はどの年頃の男の子も同じですよと。
「響子さん好きじゃあああ」から、茶々丸での念押し、そしてこれですから、いくら鈍い響子さんでもどのような意味かわかります。五代君はどうも勢いに乗ると大胆になるようですし、響子さんは押し倒されたときに反省していましたが、やはり今回も流されそうになっていました。
そんな良い雰囲気だった2人ですが、またしてもノックもせずにバンッとドアを開けて勢いよく入ってきたのは郁子ちゃん。郁子ちゃんは本当にノックしません。しかもいきなりズカズカ入って来ます。さっき五代君の部屋にノックせずに入ったときに、響子さんにちゃんとノックもせずになんですかと怒られたじゃないですか…。
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最初に郁子ちゃんが五代君の部屋にノックもせず、いきなりバーンと入って来ていましたが、これは複線と言うほどではありませんが、このシーンの前振りになっています。そんなことをする郁子ちゃんとキャラ付けされているので、このシーンを見ても自然ですし、視聴者は『郁子ちゃんならやりかねない』、『またかよ』という笑いになります。
さっき全く同じ事を注意されたのに、また同じ事を繰り返す。天丼ってやつですね。めぞん一刻はこのパターンも多いです。『さっき言ったじゃん…』とのパターン。
このような見せ方は高橋留美子さんは物凄く上手いです。めぞん一刻もそうなのですが、他にもらんま1/2はこの傾向が強かったです。
個性的な言動を前に出し、そのキャラは『そういうことをする人』と、読者の頭の隅に植え付けておいて、その後また同じような言動を違う状況で繰り返し、『またか』とずっこける笑いです。
謎の料理はなんだったのか
漫画でもアニメでも、惣一郎さんが好きだった『あれ』とはなんの料理だったのかわかりませんでした。漫画だと一の瀬さんがおそろしそうな料理と言っていましたし、アニメだと五代君が同じ事を言っていました。
アニメは漫画から細かいことを変えていることが多くあるのですが、このとき響子さんが作った料理は漫画そのままで寸分の違いもありませんでした。なぜかと言うと、漫画でもアニメでも謎の料理だったので、ここを下手に変えてしまうと謎ではなくなってしまうからでしょうね。
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漫画だと管理人室で食事をするのは響子さん、五代君、郁子ちゃんの3人だったのですが、仲間はずれは可愛そうだと思ったのか、アニメだと賢太郎も加わっていました。
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賢太郎の夕ご飯ははきちんと一の瀬さんが用意していたでしょうから、漫画で賢太郎を抜いたのも問題ないんですけどね。
ナチュラルに五代君のテンションを下げる響子さん
五代君はこれらの料理を自分のために作ってくれたと思い喜ぶのですが、郁子ちゃんから惣一郎さんも好きな料理だったと聞かされ、響子さんからも惣一郎さんを思い出しながら作ったと言われ、一気にテンションが下がってしまいます。
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賢太郎は郁子ちゃんに好きな人がいると聞かされて、こちらもショック状態。郁子ちゃんに好きな人がいるのはアニオリです。漫画ではそもそも賢太郎がこの場にいなかったので、この発言はありませんでした。五代君と賢太郎の対比、または2人は似ていることを強調するため、アニメではこのようなことを郁子ちゃんに言わせたのだと思います。
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少しだけ五代君に希望が持てる部分があります。五代君は毎日こういう料理が食べたいと言っていました。これは郁子ちゃん曰く、惣一郎さんも同じ事を言っていたとか。五代君と惣一郎さんの内面が似ているということですよね。響子さんが好きになった惣一郎さんと五代君の内面は似ている。響子さんは男の人は内面だと思っている(アニメ第4話より)。希望があるような気がします。
一応響子さんが好きになった惣一郎さんと五代君の内面は似ているので、五代君は響子さんの好みではあるはず…と、私は初めて見たとき少し希望を持ちました。
響子さんは全く悪意なくニコニコ話ながら五代君のテンションを下げてしまいました。五代君が響子さんのことを好きなのはこの時点でわかっていたはずなのですが、それを終始気にしながら対応するほどは五代君を気に掛けていないようです。
賢太郎は五代君みたいにならないと宣言するが…
郁子ちゃんが帰るところを見送る五代君と賢太郎。俺とお前は似ていると五代君が声を掛けたところで漫画は終わったのですが、アニメではこのあとの続きが描かれていました。その後、ジュースを奢ってやり、公園で会話する五代君と賢太郎。俺とお前は似ていると五代君は賢太郎に言うのですが、お前みたいになるかと宣言する賢太郎。ここでアニメは終わりました。
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賢太郎は五代君と自分が似ていることを否定し、お前みたいになるもんかと言うのですが…。なるんですよね結局。3つ上の郁子ちゃんにずっと恋心を抱いているような描写が最後にあり…。賢太郎は第2の五代君です。
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このときの賢太郎は9歳(小4)で、郁子ちゃんは12歳(中1)です。年の差は3歳ですが、この年代の3歳差は大きいです。さすがに中1が小4を恋愛相手と見るのは無理ででしょう。
原作漫画では
一部オリジナル
総評
今回は賢太郎が年上の女の子に憧れる姿を通し、改めて五代君と響子さんの関係性が描かれました。賢太郎は叶いそうにない恋ですが、果たして五代君はどうなってしまうんだろうね…との話です。個人的には賢太郎と郁子ちゃんとくっついて欲しいです。
郁子ちゃんの話は癒やされます。嫌みがなく終始笑顔でニコニコしているので、話に毒が全くありません。一刻館住人の一の瀬さんや四谷さん、朱美さんが五代君をオモチャにする話も面白いのですが、郁子ちゃんの場合は純粋に五代君を慕った結果沸き起こる騒動なので、その無邪気さに癒やされます。
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