目次
あらすじ
サエない人生を送る童貞の漫画専門学生・御子柴亮の元に、ある日突然、謎のスマホが届く。それは、ラブホを覗き見できたり信号機を操作できる違法なアプリ満載のスマホ…。神にも悪魔にもなれるスマホを手にした御子柴の行動は!?
怨み屋本舗に比べて正統派漫画
この作者の前作、「怨み屋本舗」も全部読んでいたのですが、この怨み屋本舗って面白いことは面白いのですが、「怨み」が軸の話のなので、いくら恨みを晴らす話だとしても、そこに爽快感やスッキリさはほとんどなく、読んでいて楽しい気分にはなれないんですよね。その点、この「神アプリ」という漫画は、一応わかりやすい善悪の対決と言って良いんじゃないでしょうか。
怨み屋本舗の場合、恨みを晴らす側が必ず善とは限らず、その辺が読んでいてモヤモヤした部分であり、また逆にその勧善懲悪じゃないところが、話に深みがあり、面白さの要因にもなっていました。簡単に言うと、怨みという負の感情を中心に進む話は一長一短でした。
神アプリは今のところ主人公側が善であり敵側が悪です。まあ怨み屋本舗を描いた作者ですからね。このまま行くかは分かりませんが。
漫画のジャンル
この漫画のジャンルとしては…何になるんでしょう。
神アプリには色々な制限が付いています。アプリを一回使うごとに莫大な料金が請求されたり、一分使うごとにいくらなんて通信料を請求されたり。しかしできることは凄くて、ネットに繋がっている物はほぼなんでも操作可能です。信号を自由に変えたり、防犯カメラを覗いたり、水圧をコントロールして蛇口を吹き飛ばしたり。これらを上手く利用して犯罪者を捜し、追い詰め、やっつけるわけです。
こういうのは限定能力バトルって言うんでしょうかね。凄い能力を使えるけど、そこには制限もある。それらを上手く頭を使いながら利用しバトルに勝つ。こう考えると、「ジョジョの奇妙な冒険」や「ライアーゲーム」に通じるところがあるんじゃないでしょうか。
話の広がりも感じる
現在既刊の7巻までは、犯罪者捕獲アプリを使っての賞金稼ぎが中心…と言うか完全にそれのみの話ですが、他にもラブゲームやサバイバルと言った、金を稼げるアプリも話に出てきているので、まず間違いなくこちらの方向にも話が広がるんだと思います。ただアプリが出てきたとの話だけではなく、知り合いがいるとまで台詞で言っていましたからね。
神アプリというタイトル
ちょっとこれは安易すぎやしないかなと個人的に思います。
神アプリですからね。例えば「ドラゴンボール」が「バトル」と言うタイトルだったり、「ルパン三世」が「泥棒」と言うタイトルだったような感じ。わかりますかね…。
内容に関係ない話なのですが、もうちょっと捻って欲しかったななんて思ったりします。
例えるなら
例えるならこの神アプリは、ライアーゲームとジョジョの奇妙な冒険を足して二で割って軽くした感じです。「軽く」とは別に悪い意味ではなく、この「軽い」は「読みやすい」と解釈して下さい。
ライアーゲームは頭を使った漫画の中では、トップクラスに面白く良くできているのですが、きちんと一度自分の頭の中で整理して考え直さないとよく分からないルールや、誰も気付かないようなゲームの盲点を突いた戦いがあったりします。しかしこの神アプリは、そこまで細かく頭を使うわけではないので、すらすらと気軽に読めます。
また、ジョジョの奇妙な冒険は、キャラや世界観が非常に濃いです。しかしこの神アプリは、主人公やその仲間は、あくまで一般人の普通の人たちであり、世界も現代日本の街なので、こちらもすんなり読めてしまうんです。
事務局の存在
ライアーゲームと少し似ていると思ったのは、「事務局」の存在です。
ライアーゲームにも裏で操っている事務局がいて、主人公たちはその事務局の正体を暴くこと、潰すことも一つの大きな目的です。で、この神アプリも事務局があるんです。ちょっとその事務局の存在ばらすの早すぎるかなとは思いますが、こちらも事務局にたどり着くことが一つの目的になっています。
期待以上だった
怨み屋本舗の作者だったので、もっとダークで胸がムカムカするような漫画だと思ったいたのですが、読んでみたら意外にも正統派の善悪対決の漫画で少し驚きました。
個人的には怨み屋本舗より読みやすく、内容も正統派の漫画で物凄く面白いです。怨み屋本舗の場合、闇金ウシジマくんほどではないのですが、読んでちょっといや~な気分になることもあったので、読む前に覚悟が必要だったり、読んだ後にテンションが下がる場合があるので、読む時の気分が少しテンション高い状態じゃないときつかったりしました。
この点この神アプリは、主人公が善人で、犯罪者を捕まえるとの話なので、気分の状況を選ばずに楽しく読めて、漫画らしい漫画です。
こんな人にお勧め
- 怨み屋本舗のダークさが苦手だった人
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