貴重な平家と源氏の漫画「ジパング 深蒼海流/かわぐちかいじ」(第1~9巻)レビュー

概要

ジパング 深蒼海流

かつて、ふたつの“力”がぶつかり合い、現代へと繋がるこの国を形作った。かわぐちかいじが壮大なスケールで描き出す、もうひとつの“ジパング”。「沈黙の艦隊」「ジパング」のかわぐちかいじが、平安時代を舞台に“日本人とは何か”を問う大型連載。

 

あのジパングではなかった

てっきりこのジパングとの漫画は、タイトルから勝手に想像し、自衛隊のイージス艦が第二次世界大戦時にタイムトラベルする、あのジパングの続編、もしくは派生作品だと思っていました。ところが全く無関係の違う話で驚きました。

 

ジパング(43)

 

今回のこのジパング 深蒼海流は、日本史の中にある平家と源氏の話です。戦国時代については、学校でも習いますし、色々な書物、読みやすい漫画の題材としても広く使われているので、詳細は知っているのですが、この平家と源氏の話については、よく知りませんでしたし、もっと言えば特に興味もありませんでした。

 

今回、好きな漫画家であるかわぐちかいじさん作とのことで、これを切っ掛けに平家と源氏の物語を把握するのも悪くないかと思い読み始めました。

 

最初は取っ付きにくかった

平家と源氏の話や登場人物をあまり把握していない私のような者からすると、最初からしばらくの間、当然のように歴史上の登場人物が、ろくな説明もなくポンポン出てくるので、いまいち話が理解出来ず入れませんでした。

 

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歴史物を題材にした漫画や映画の場合こういうことあるんですよね。チェ・ゲバラの映画の時も同じ感覚を覚えました。有名な歴史のイベントであるため、「この人説明しなくても知ってるだろ」、「このイベントは知ってて当然だよな」的登場のさせ方や話の進み方です。少なからずこのジパング 深蒼海流もそれを感じましたが、2,3巻でその違和感はなくなっていきました。

 

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その理由は二つあって、まず一つは漫画で描かれていくうちに「漫画のキャラクター」として理解していくこと。もう一つは、牛若丸や源頼朝など、さすがに私でも知っている人物が話の中心になって、なんとなく知っている話になってきたこと。要は馴染みがなくても、漫画として話を理解していったってことでしょう

 

完璧な男たち

かわぐちかいじさんの漫画では、非の打ち所のない完璧な男が主人公になることが多いです。このジパング 深蒼海流もそれが当てはまります。平家の中心人物も、源氏の中心人物も、すべからく完璧な人間です。頭脳明晰で武にも長けていて、冷静沈着で慌てふためく事なんてありません。 これはたまに、完璧すぎてどうかなと、かわぐちかいじさんの漫画で思うことがあるのですが、まあこれもかわぐちかいじさんの特徴ですからね。

 

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ちなみに今のところ、主人公は牛若丸こと源義経と源頼朝のようです。今後どうなるかは分かりませんが、かわぐちかいじさんの漫画で主人公が交代した例は記憶にないので、ずっとこのままなのかなと。昔は牛若丸との人物は、名前やエピソードが現実離れしているので、てっきり架空の人物だと思っていました。

 

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面白いのか面白くないのか

面白いのか面白くないのかと言われれば面白いです。全く平家と源氏の歴史を知らない私でも、9巻まで飽きずに読めましたからね。かわぐちかいじさん漫画が好きなら、同じような描き方なので、安心して楽しめると思います。その代わり、作風が完全に固定されているので、逆に言えば新鮮さがないとも言えますが…。

 

ただ前述もしたように、知識が無いと最初の2,3巻は、説明無くキャラクターが出てきたと思ったら、あっさり死んだりするので、置いてけぼりを感じるかも知れません。そこを超えればかわぐちかいじさんの漫画として単純に楽しめると思います。

 

ちなみに個人的に一番好きなかわぐちかいじさんの漫画は、ラストには不満が残りますが、僕はビートルズだったりします。これはタイムトラベルの切なさ、未来から来たことを利用して成功しようとする、誰しもが一度は妄想したであろう事が、漫画としてきっちり形になっているので好きでした。

 

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こんな人にお勧め

  • かわぐちかいじ漫画が好きな人
  • 平家と源氏の話に興味がある人
  • 平家と源氏の話をわかりやすく知りたい人

 

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