ドラマ全話レビュー「江戸川乱歩の美女シリーズ 第02作 「浴室の美女」」レビュー

あらすじ

名探偵・明智小五郎(天知)が休暇先で出会った美しい娘・玉村妙子。彼女の叔父である福田徳二郎のもとに連日送られてくる謎の数字。その秘密を解明するため、調査に乗り出した明智は、謎の一味によって拉致されてしまう。名探偵の留守に暗躍する犯人の仕業か、福田氏は無惨な遺体で発見される。明智の前に現れる謎の老人。名探偵からも「魔術師」と恐れられる彼の企みとは ?

 

放送日

  • 1978年1月7日

 

今作の美女

 

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はじめに

今回レビューするのは、『浴室の美女』です。

 

この2作目は、浴室の美女というサブタイトルの通り、入浴シーンが出てきます。また、それに釣られてか、1作目では12.6%だった視聴率が一気に跳ね上がり、20.7%と高視聴率をマークしました。昔は新聞のラテ欄を見て、エッチそうな番組をチェックするなんて当たり前だったんですよね。今のようにそれらの資源が世の中に溢れている時代ではないので、このようにTVで流れる物を見ることが重要だったんです。また、制作側もその時勢をわかって、エッチなシーンを無理矢理入れたり、ラテ欄でそれを臭わせ視聴率を稼いでいました。

 

昔の女優は脱いで1人前なんて煽られ方をし、まんまと脱がされていましたが、このような情勢の影響もあるのでしょうね。今の女優が脱がなくなったのは、女優にそれを求めなくても、エッチな資源が世の中いくらでも手に入るからでもあるのでしょう。

 

今回登場する美女は夏樹陽子さんです。前回の美女は三ツ矢歌子さんで40歳だったのですが、一気に若返って25歳当時の夏樹陽子さんになりました。この辺りも前回から変えてきたところです。要は、思い切りお色気を売りにし出した作品になったんですね。

 

この作品は色々語り継がれる伝説のシーンが出てきます。嘘だろって突っ込みを入れたくなるシーンが満載なのも、この美女シリーズのお約束なのですが、入浴シーンとともに、作風の土台が作られたのがこの浴室の美女だと思います。

 

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それでは早速レビューを書いていきたいと思います。

 

放送内容

いきなりの入浴シーン

前述したように、この作品からお色気推しが入りました。それを象徴するのがタイトルとOPです。タイトルの浴室の美女なんてストレートすぎますよね。更に、OPではいきなり俯瞰からの脱衣シーンですよ。しかも、この入浴シーンは、のちに出てくる入浴シーンを見せた物で、その時のストーリーに全く関係ありません。ただ美女が入浴しただけのOPで、前後の話に全く繋がっていないんです。ちなみに、先に書いておきますが、夏樹陽子さんは全部は見せてくれません。しかし夏樹陽子さんは涼しげな顔で美人ですねえ。

 

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明智先生また美女の虜になる

明智先生は美女に弱いのですが、今回も夏樹陽子さん演じる玉村妙子に魅了されます。旅行先で美女の妙子を見付けた先生は、終始じろじろ見て、あとを付け、出会う切っ掛けを作りお酒を飲む…。先生凄い行動力です。

 

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また、この妙子持っているような描写がされており、異常に勘が鋭いとのこと。先生の職業も簡単に当てていました。

 

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荒井注初登場

今作は美女シリーズで今後ずっと登場する荒井注さんが登場しました。役名だと波越警部ですね。美女シリーズは波越警部いてこそです。

 

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荒井注さんは喜怒哀楽の表現が豊で、どれもコミカルな演技なので、この美女シリーズにピッタリ合っているんです。また、間抜けな部分もあるので、美女シリーズの笑い担当でもあります。いわゆるマスコット的キャラとでも言いましょうか。狙いすぎだと鼻についたり浮いたりしてしまうのですが、このようなマスコットキャラって物語に大事なんですよね。そのような意味で、荒井注さん演じる波越警部はピッタリ美女シリーズに合っていました。

 

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脇役に志垣太郎

今はあまり見ませんが、少し前は結構ドラマやバラエティで良く出ていた、志垣太郎さんも今作では登場しています。妙子の弟の一郎役です。

 

妙子の依頼と聞いて態度を豹変させる先生

東京に戻った妙子は、叔父さんの福田得二郎宅に送られてくる、妙なカウントダウンの相談を警察や弟と一緒に受け、旅行先で会った明智先生に協力を求めることを提案。これまでも警察の捜査に協力し、波越警部曰く、明智君は自分の親友だということもあり、早速事務所に協力依頼をしに行きます。

 

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先生は前述もしたように、このときはまだ命の洗濯中だという旅行先だったので断ろうとするのですが、依頼主が先日出会った美女の妙子だと知ると態度を一変。あっさりと引き受けてしまいます。いやあ、本当に先生は美女に弱いですねえ。依頼料がどうとか、内容がどううとかではなく、受けるかどうかは依頼主が美女かどうかなのですね。

 

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事件発生

叔父さんは姪の妙子にだけ、隠し金庫にある5億円はする宝石を見せ、犯人が狙っているのはこの宝石かもしれないと相談します。嫌な予感がプンプンします。

 

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その後、妙子は明智先生を上野駅に迎えに行くのですが、僅かな差で別の男に明智先生を拉致されてしまいます。携帯電話があれば、すぐに連絡して繋がらないな…との場面が入るのでしょうね。

 

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このときは結局会えずに妙子は帰宅していましたが、携帯電話が無い頃は、待ち合わせですれ違って出会えず、そのまま帰るなんてことが当たり前のようにありました。だからこそ、待ち合わせ場所と時間の入念な打ち合わせが友人同士でも必要だったんです。逆に今は、事前の待ち合わせの打ち合わせなんて適当でも良いんですよね。この先生と妙子が待ち合わせで出会えなかった、そして妙子は為す術無く帰宅するとのシーンだけを見ても、時代の違いを感じられます。

 

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また、玉村家では叔父さんが首無し死体として発見されます。深夜に鳴り響く笛の音を不審に思い、妙子や一郎が出てきたところ、叔父さんの首無し死体を発見しました。

 

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このような首無し死体、顔が判別出来ないほど損壊した遺体なんかは、サスペンス物でよくある演出ですね。大抵本人じゃないことが多いのですが…。また、先ほど出てきた5億円のダイヤが金庫から盗まれていました。直近で見せたのが妙子ですから、ここで視聴者は妙子が怪しいと思うはず。

 

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浪越警部が警察車両に乗っているシーンがありましたが、車の形も随分変わりましたね。昔の車は角張っていたんですよね。今は皆流線型なので、このような角張った車を見ただけでも懐かしさがこみ上げてきます。

 

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波越警部は道中、川での人だかりを見付け何かと駆け寄ると、首無し死体として発見された福田得二郎の生首でした。

 

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拉致された明智先生

さて、上野駅で昨晩拉致された先生ですが、どこかの薄暗い部屋に監禁されていました。そこで目を覚ました先生。ここでは美女シリーズ好きの間ではずっと語り継がれる衝撃的なシーンが出てきます。

 

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先生は胸元に隠し持っていたやすりで、足枷の鎖を切断しようと試みるのですが、すぐさま覆面の男2人が現れ取り上げられてしまいます。やすりを常備しているとはさすが先生です。

 

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やすりを取り出してすぐに駆け付けてきたことを訝しく思い、誰かに見張られていると感じた先生は辺りたりを見渡します。壁一面にディスプレイされたお面を見ていくのですが…。その中に明らかに人間の顔まんまの物が…。いや、あまりにも人間の顔のまますぎてそりゃわかるだろうと大爆笑しました。

 

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顔をおしろいで軽く塗り、ただ目を瞑っているだけなんですもん…。何故それでバレないと思ったのか…と。そんな面倒なことをするなら、小さい穴でも開けてそこから覗いていた方がよっぽど安全なのに…。こんな馬鹿なことを大まじめにやるパワー。ある意味これはこれで正しいのかもしれないです。

 

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凄いですよねこれ…。これ真面目に作って真面目に放送して真面目に見ていた時代なんですよ。

 

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これはファンの間では伝説のシーンとして語り継がれています。

 

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明智先生脱出する

監禁されていた明智先生ですが、何故か同情的なチャイナドレスの女性にこっそり足枷の錠を外して貰い、明かりを消す工作までして貰って逃亡に成功します。

 

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先生が監禁されていた場所は船の中だったので、船上にあった重りを海に落とし、先生が海に逃げたと思わせ、自身は船上に隠れてやり過ごそうとします。これは上手く騙せたのですが、先ほど助けてくれた女性にはあっさり見つかり、自分が先ほどの仮面の男であり、首謀者である男の娘だということを告白されます。これ以上父に罪を犯して欲しくないとのこと。結局見つかってしまった先生は海の中へ飛び込むしかなくなり…。

 

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明智先生殺害される?

海の中へ逃亡した明智先生ですが、このとき明智先生は死亡したと報道されます。東京湾月島海岸に水死体となって発見されたと警察発表がなされました。ちなみに、この時代はこのような死亡したなんてドラマ内での衝撃的な出来事は、新聞が刷られる輪転機の映像に、このようにテロップが出る演出が多く用いられていました。今では全く見なくなった演出ですね。

 

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今後も先生は何かある度に死んだと報道されては、実は生きていましたとなるのですが、ファンの間でこれは香典詐欺と言われています。お葬式までやり、文代君などの親しい者たちまで騙して、そして生きていましたですからね。

 

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ボディダブル

今回の美女は夏樹陽子さんで、このときはフルヌードがNGだったのか、全て見せてくれることはありません。ただ、顔が映っていないフルヌードはあります。これはいわゆるボディダブルです。要は別人の体を夏樹陽子さんだと思わせて撮影する手法です。

 

スタンドマンはスタンドダブルともいいますが、このボディダブルの一種です。美女シリーズではフルヌードがガンガン出てくることが売りの1つなのですが、フルヌードNGの人もいるので、このボディダブルが採用されることもありました。

 

妙子切りつけられる

玉村家には最近雇った音吉なる老人がいるのですが、美女シリーズではこの手の変装しやすそうな老人、顔に傷のある使用人など多く出てきます。大抵は先生の変装のことが多いんです。この場合、名前も●吉という場合が多いです。回数を重ねるともうこの辺は明らかにわかるのですが、この辺はお約束ですからね。わかってもいいんです。

 

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また、入浴中の妙子が刃物で切りつけられていましたが、こちらもお約束で、何故か襲われるのはいつも入浴中という…。

 

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音吉クビになる

志垣太郎さん演じる一郎が、犯人の罠で時計塔の時計で殺されそうになったのですが、これを寸前で食い止めたのが音吉でした。しかし、妙子の殺傷事件と、今回の事件に立ち会っていたことで怪しまれ、玉村氏にクビにされてしまいました。ここでは何故か滑稽なBGMが流れ…。音吉命の恩人なのに…。

 

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音吉の正体

一郎を殺そうとしたのは、当然犯人の奥村(仮面の男)なのですが、その奥村が玉村邸から忍び出てくるのを見た文代君はあとを付け、オクムラ魔術団に入るところを目撃します。そこに浪越警部達を連れてきたのですが、警察だと察知されまんまと逃亡されてしまいます。

 

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このオクムラ魔術団で逃亡した奥村一味を捜索中、偶然音吉を発見し、警察も怪しんで取り押さえようとするのですが、案の定音吉の正体は先生でした。浪越警部だけには正体を明かしていたとのこと。しかし、マスコミ発表で先生が死んだことにしたのですが、事後処理は大丈夫なのでしょうか。

 

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奥村の復讐劇の始まり

奥村は偽名を騙り玉村家と最近親しくしていたようで、呼び出された玉村一家は地下室へ連れて行かれ、自作の復讐ビデオを見せられます。

 

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奥村の父親は、玉村の父親に生き埋めにされたのですが、その再現VTRをわざわざ作って見せていました。わざわざこれ役者を雇って作ったところを想像すると笑えます。奥村の執念の成す業か…。しかし父親と父親の因縁を息子に持ってこられてもねえ…。

 

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ここは間一髪先生と浪越警部達が駆け付けて救助することが出来ましたが、妙子は人質として囚われたままです。

 

先生が前に監禁された船が奥村一味の本拠地だろうとは推測出来ても、その船がどこにあるのか分かりません。しかし、レンガの1つに、『リュウセイ丸』との文字を発見。奥村の娘彩子は、父親にこれ以上犯罪を犯して欲しくないと言っていたので、おそらく彩子が残したのだろうとのこと。

 

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明智先生がお面に

奥村の居所が流星丸との船だと分かれば、警察で調べて乗り込むだけです。

 

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流星丸に乗り込んだ先生は、自分が監禁されたときに見張られていたお面の位置から顔を出し、奥村に勝ち誇ります。わざわざそんなことしなくても…。

 

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犯人に自殺される

追い詰められた奥村は、指輪に隠していた毒薬を飲み、先生や波越警部、娘の前で自殺をしてしまいます。前回に続いて2回連続で犯人に自殺されてしまいました。そして、波越警部が「しまった~」と言うのですが、これも今後お約束となっていきます。しかし、目の前で犯人に自殺されたら警察の大失態ですよね。

 

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めでたしめでたし…ではなかった

今回はだいぶ早めに犯人が自殺し解決したかに見えたのですが、嫌な予感がする先生は調査を怠りません。そんな中、玉村氏が殺害されてしまいます。

 

文代君に奥村家や玉村家について調べさせていた先生は、妙子の血液型から妙子が実の娘ではないことを突き止めます。さらに、病院で出生を調べた文代君は、奥村と玉村の赤ん坊を取り替えたことも突き止め…。

 

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奥村の50年越しの復讐も凄いのですが、娘を復讐相手の家に送り込み復讐させるというのもまた凄いです。そこまでするなら、もっと手っ取り早く復讐出来そうですが…。

 

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またしても犯人自殺

追い詰められた妙子は実父の奥村と同じように、ペンダントに仕込まれた毒薬を飲み、先生や警察の前で自殺してしまいます。今回は目の前で犯人に自殺されたの2人目ですよ。大失態どころの騒ぎじゃないでしょう…。

 

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おわりに

今回は入浴の美女というタイトルなので、どれだけ入浴シーンが出てくるのかと期待して見たのですが、OPで後に出てくる本編入浴シーン映像を使い、本編ではその入浴シーン1回のみとなっており、実質1回しか入浴シーンは出てきませんでした。タイトルでエッチなシーンを期待した視聴者を釣った感じがします。

 

前回の1作目は結構しっかり謎や伏線が回収されており、サスペンス物として良くまとまっていたのですが、今回は奥村がお面になっているシーン、先生もお返しでお面になるシーン、犯人が2人目の前で自殺するシーン、入浴を売りにしたことなど、段々とサスペンスや整合性よりも、インパクトやお色気にシフトしていっていることが感じ取れます。そしてこれは今後どんどん過激化していき、唯一無二の後世に語り継がれるシリーズへと発展していきます。

 

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