今回レビューするのは、CANOVERさんのクロスバイク『CAC-027-DC (ATENA)』です。
要は自転車ですね。自転車を購入するのは十数年ぶりです。何故今更自転車を購入したかと言うと、切っ掛けはバイクで交通事故に遭ったからです。私が完全に被害者で向こうが悪いのですが、そのおかげで移動手段が無くなってしまい、仕方なく親の自転車を借りて数日過ごしたのですが、「意外と自転車って良いじゃん…」と思ったんです。この辺りのことは追々後述していきます。
また、交通事故に遭った際、私は任意保険に入っていなかったため、色々手続きなども勉強になったので、その辺りのこともいずれ別記事で書きたいと思います。
それでは早速レビューを書いていきたいと思います。
目次
スペック
- 適応身長:160cm以上
- メーカー保証:1年
- タイヤサイズ:700x28C
- フレーム材質:アルミ
- 変速機:シマノ21段
- ブレーキ前輪:ディスクブレーキ
- ブレーキ後輪:キャリパーブレーキ
- サイズ(横×高さ×幅):1710x930x565mm
長所と短所
- ○安いので手軽に買える
- ○組み立て自体は簡単
- ○3×7の21段ギア
- ○シティサイクルの1.5倍速度が出た
- ○前後反射板、ベル、ライトなどが付いている
- ○スタンドが付いている
- △調整が必要
- △防犯登録は自分でお店に持っていってやる必要がある
- △鍵が付いていない
- △泥よけがない
- ×説明書が不親切
外観
パッケージ外観
パッケージ内容
写真と動画
外観
クロスバイクは組み立て式です。バラしてあるクロスバイクを組み立てて完成させた物が写真になります。
前輪はディスクブレーキ。調整に1時間くらい悩みました…。
ギアは左がフロント(前)です。
右のギアはリア(後)です。
使用した感想
○安いので手軽に買える
色々クロスバイクを調べてみると、初心者で5~7万円と言われていました。しかし、初めてのクロスバイクで、週に何回か使う程度と、バイクが使えないときのセーフティーネットとしての目的で購入予定だったので、そこまではちょっと…。と言うことでいろいろ調べたところ、Amazonで約3万3千円のこのクロスバイクを購入しました。
本格的なクロスバイクに比べると随分安いので、私のような初心者や、街乗り用としては最適なんじゃないでしょうか。耐久性は今後使用してみないとわかりませんが、今のところシティサイクルに比べて速度も出ますし、疲れませんし、非常に快適です。
ちなみに、このカノーバーとのメーカーは日本の会社です。勿論、これだけ安いのですから、生産は中国やベトナムなどで行っているのでしょう。また、日本メーカーの品が怪しくなってきた事件も最近は多いのですが、やはり日本メーカーの基準で作ってくれているだろうとの安心感はまだまだあります。
○組み立て自体は簡単
このクロスバイクは分解されて送られてきます。それを自分で組み立てます。その組み立て自体は簡単です。誰でもできるレベルです。ただ…後述しますが説明書がこの上なく分かりづらいです。どうしたらここまで説明書をややこしくできるんだって疑問に思うくらい変な説明書です。まあ、詳しくは後ほど…。
基本的に、ギアやチェーンなど、複雑な機械部分は既に組み立てられています。そこは自分で組み立てる必要はありません。自分で組み立てるべき部分は下記の物になります。
- ハンドル
- 前輪
- ペダル
- サドル
(1)のハンドルを組み立てる際の注意点は、コードを上手く配置することです。変な配線にしてしまうと、コードを巻き込んでしまい、左右にハンドルを曲げたときにコードが突っ張って曲がらなくなります。
(2)の前輪が最も難しい…と言うか説明書が分かりづらいです。ディスクブレーキにきちんとディスクを填め込み、付属の棒を通します。このディスクブレーキが厄介なんです。おそらく、ほとんどの場合、ディスクブレーキにディスクが接触し、回転させるとシャリシャリ擦る状態になってしまうと思います。このディスクブレーキを緩める調整が必要になります。詳しいやり方は後述します。
(3)のペダルはただねじ込むだけなので簡単です。
(4)のサドルもスポッと上から填めてハンドルを回して固定するだけなので簡単です。
組み立て自体は簡単なんです。最も時間が掛かって悩んだ(2)も、わかってしまえば凄く単純な構造でした。ただ、説明書があまりにも複雑怪奇で、どこをどうsればわからないんです。結局ネットで調べて、「ここかな」と当たりを付けて弄ったらそれが正解だったという…。説明書さえきちんとしていれば15分で組み立てられるのに…。
○3×7の21段ギア
ギアはフロント(前)3段、リア(後)7段の21段階です。これだけギアが多いのは、ギミックが好きでギア付き自転車乗っていた小学生の時ですらありませんでした。
ちなみに、フロントと言っても、前輪にはチェーンが掛かっていないので、真ん中にギアがあります。
リアのギアはきちんと後輪にあります。
○シティサイクルの1.5倍速度が出た
事故で移動手段は無くなったときに、家族が使用しているシティサイクル…と言うかもろにママチャリですが、それに乗ってサイクルアプリで計測したところ、平均時速は12kmでした。一方、このクロスバイクの速度はと言うと、平均時速が18kmでした。どちらも日にちは違いますが、同じ時間帯に同じ道で計測した結果です。
これは平均速度なので、街中の信号で止まる時間、急な坂道で一旦降りて自転車を引いた時間も含めての平均速度です。クロスバイクの場合、最高速度は25km出ましたが、信号や坂道があるので、最高速度をずっと維持するのは不可能です。
このような結果から、ママチャリの1.5倍の速度が出たことになります。最近の機能的なシティサイクルだと、ママチャリよりは速度が出ると思うので、もう少し速度差はないのかもしれませんが、確実に一般の自転車よりクロスバイクのほうが速度が出るようです。
○前後反射板、ベル、ライトなどが付いている
クロスバイクに限らず、自転車はライトとベルの取り付けが法令で義務付けられてます。Amazonの商品ページではベルが付いているようには見えなかったのですが、届いたこのクロスバイクにはきちんとベルが付いていました。後から別途購入しようと思っていたので得しました。車のクラクションでもそうですが、無闇に鳴らすとトラブルの元ですからね。自転車のベルなんて鳴らす気は全く無いので、最初から付いているのはありがたいです。
あとはLEDライト、フロント反射板、リア反射板も付いています。LEDライトは普通に走る分には明るさ十分かなと思います。ただ、電池の交換が面倒なので、別途ソーラー充電できるLEDライトを買おうかと思っています。
○スタンドが付いている
クロスバイクにはスタンドが付いていない物も多いようですが、こちらはきちんとサイドスタンドが付いていました。最初から取り付けられていて、自分で組み立てる必要はありません。
△調整が必要
個体差かも知れませんが、私が購入したクロスバイクでは、ディスクブレーキの調整が必須でした。
前輪はディスクブレーキ(金属のディスクを挟んでブレーキを掛ける)なのですが、この部分がおかしかったんです。前輪を回すと、シャリシャリシャリ…と何かに擦れている音が…。色々見たり弄ったりしてみると、ディスクブレーキにディスクが擦れていました。本来、普段はディスクブレーキに触れず前輪は回転し、ブレーキを掛けたときにだけディスクブレーキは触れるのですが、常時僅かに擦れているんです。なので、当然回転は重くなり、宙に浮かせて前輪を回してもすぐに止まってしまいます。
「これは不良品か。しまったなあ…。」と思ってネットをいろいろ調べると、とある部分を緩めるとディスクブレーキの間隔が開くとか。それは機種によって場所が違ったので、試行錯誤しながら色々試したところ、下記の部分を六角レンチで回したところ、ディスクブレーキの間隔が開き、ディスクが接触しなくなりました。その結果、回転しているときにもシャリシャリ音がせず、抵抗もなくなり、軽やかに前輪が回り始めホッと一安心。
調整前はどうなっていたかと言うと、下記の写真のように緑色のディスクブレーキにディスク片面が触れていたんです。これを前述のように間隔を空けるようにしたところ、きちんと隙間ができて接触はなくなりました。
ちなみに、間隔を空けてもブレーキの効きが悪くなることも、タイミングが遅れることもありませんでした。間隔を空けると言っても数ミリですからね。ブレーキが遅くなることはありません。
このディスクブレーキの間隔は一般的に2mmくらいなんだそうです。なので、ちょっとでもディスクが歪んでいたり、取り付けが甘いと、こうやって接触してシャリシャリと鳴ってしまうようです。高級なクロスバイクならこんなことはないんでしょうけどね。安いクロスバイクですからね…。この辺りは自分で調整する必要があるのは仕方が無いのかなと。
ディスクブレーキは数ミリレベルの精密な構造なので、このような安いクロスバイクを購入した方は、こうやって自力で調整する必要があるのかもしれません。それにしても、後述しますが、この部分も説明書は不親切でした。もっとハッキリきっちり書いておいて欲しいです。
△防犯登録は自分でお店に持っていってやる必要がある
店舗で自転車を購入した場合、その店舗が防犯登録をしてくれます。しかし、ネットで購入した自転車の場合、自分で自転車屋やホームセンターの自転車売り場に行き、防犯登録をお願いしなければなりません。また、個人店なんかだと、面倒がって断られることもあるとか…。料金は基本的に500円で、店舗によっては最大500円程度の手数料を取るところもあるそうです。なので、500~1000円が防犯登録で必要になります。
防犯登録は法律で義務化されているのですが、罰則は無いとのこと。しかし、警察に尋ねられたとき、盗難車ではないことの確認が面倒で、警察に防犯登録されるように言われるので、少し面倒になる場合があるそうです。500~1000円程度なので、警察とのやりとりが面倒になることを避けるため、やった方が良いでしょうね。
△鍵が付いていない
自転車には必須の鍵が付いていません。まあ、このように趣味の色が強いクロスバイクの場合、付属で鍵を付けても、皆自分の好みの鍵を付けちゃうってこともあるんでしょうね。私は下記のような簡単な鍵を購入して別途取り付けました。
安いクロスバイクなので、盗む人もいないでしょうし、盗まれてもダメージはそれほど大きくないので、安い鍵にしちゃいました。この鍵については後日別記事で紹介したいと思います。
△泥よけがない
クロスバイクなので当然ですが泥よけもありません。シティサイクルしか乗ったことがない方だと驚きますよね。さすがに泥よけが無いと雨の日に走れないので、こちらも鍵と同じく別途購入して取り付けました。
この泥よけに関しても、後日別記事で紹介したいと思います。
×説明書が不親切
Amazonのレビューでも指摘されていますが、説明書は本当に不親切です。クロスバイク、ロードバイク、シティサイクルなど全く別の機種の説明と完全にごっちゃになっていて、自分の購入した自転車はどの説明を見れば良いのかわかりません。また、同じタイプの自転車の説明書でも、これも他の機種とごっちゃになっていて、そんなパーツは無いとか、そんなネジは無いとか、そんなんばっかです。なので、頭の中で自分で解釈し、変換し、想像しながら組み立てることになります。
前述もしたように、組み立て工程自体は本当に簡単なんです。ただ、説明書があまりにも不親切で、説明書を読む、自分のタイプを探す、違っているところを自分なりに解釈、翻訳して理解する、そして組み立てる…との余計な手間が掛かってしまいます。組み立てている時間より、説明書を理解する時間の方が多かったくらいです。
一応、購入したこの機種の組み立て方は別紙で1,2枚あるんです。あるんですが、これもやっぱりこれだけでは説明や工程が不足しています。なので、結局説明書本体を読んで翻訳し、想像して組み立てる他ないんです。
説明書に関してはハッキリ言えますが不親切というレベルを超えて欠陥です。複雑なガンプラをいくつも作っていますし、PCの自作を長年やっています。そんな私でも説明書を理解するのに大変苦労しました。
もしかしたら、自転車を何台もこうやって組み立てている方は、説明書をほとんど見ずとも簡単にできるのかもしれません。しかし、私のように久々の自転車で、初めてのクロスバイクで、組み立ても初めてだと間違いなく手間取ると思います。
特に、前述もしましたが、ディスクブレーキの調整はどうも必須のようで、ここも丁寧な説明がないので大変苦労しました。
総評
安いクロスバイクで手軽に購入できますし、それでいて格好良いですし、ギアもシマノ製の21段です。クロスバイク自体は非常にコストパフォーマンスが高いと思います。ただ、何回も前述しましたが、説明書は分かりづらいなんてレベルではありません。
海外メーカーが日本語の翻訳に苦労し、怪しい日本語になってわかりにくいなんて物もあります。しかし、これは日本のメーカーが作っているのに、ここまで説明書が分かりづらいのは不思議でたまりません。どうやったらこんな分かりづらくできるんだ…と。
まあ、逆に言えば不満点は説明書が究極に分かりづらいことくらいです。クロスバイク自体はこの価格にしては十分なクオリティで満足です。
こんな人にお勧め
- 安くて格好良いクロスバイクが欲しい人
- 日本メーカーのクロスバイクで安い物が欲しい人
- 21段ギアのクロスバイクが欲しい人
- 分かりづらい説明書を脳内で変換して組み立てられる人
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